SAP HANAは「インメモリーデータベース」からリアルタイム経営のための「アプリケーションプラットフォーム」へと昇華


こんにちは、 SAPジャパンの濱本です。今回は、2013年11月28日に開催された「インメモリー・コンピューティング・フォーラム 2013」から、SAP HANAに関するセッション内容をダイジェストでご紹介させていただきます。

インメモリーコンピューティングは複雑化するビジネスへのSAPの回答

現代は市場のニーズが目まぐるしく変化する時代です。企業はこの変化に合わせて、迅速かつ柔軟にビジネス環境を改革していかなくてはなりません。スマートフォンなどモバイルデバイスの拡がり1つをとっても、その膨大なデータ処理が従来のアプリケーションやシステム基盤では間に合わないことは容易に想像できます。

Hot air balloons

SAPは創業から40年以上にわたって、ERPやCRMを始めとした基幹業務パッケージを世界中に提供してきました。これらのアプリケーションにはデータベースが不可欠ですが、これまでSAPは他社のデータベースを利用してソリューションを構築していました。しかし、ビジネスや顧客ニーズが絶え間なく変化する時代にマッチしたアプリケーションを開発しようとしても、データベースの性能がボトルネックになってしまうことが少なくありませんでした。そこで、それを解決するための1つの回答としてSAPが2010年にリリースしたのが、インメモリーコンピューティングSAP HANAなのです。

リアルタイムビジネスのための新しい統合データプラットフォーム

SAP HANAは、従来のデータベースとは異なるまったく新しい考え方とアーキテクチャーによって構成されています。これまでのデータベースでは用途や機能に応じてさまざまなシステムが存在し、個々のデータ処理特性に応じたデータモデルがETLツールによって変換されながら、まるでバケツリレーのように処理されていきました。この非効率的でロスの多い仕組みを、SAP HANAではまったく違うものに作り変えたのです。

データのバケツリレーをやめるために、データベースのボトルネックになっていたディスクI/O自体を排除する、すなわちサーバー上のDRAM(メインメモリー)だけでデータの読み書き・蓄積、さらにその中のアプリケーションロジックの処理も行うことにしました。この結果、データベースに関わるすべてのプロセスが1つのメモリー上に集約され、そこから生まれる圧倒的なパフォーマンスが顧客のビジネスのイノベーションを可能にしたのです。これがSAP HANAの基本的なコンセプトであり、誕生の背景です。

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データ処理におけるアーキテクチャー を根本的に刷新

発表から3年、すでにSAP HANAはその強力で高速なデータ処理パフォーマンスによって、インメモリーデータベースとしての高い評価をいただいています。しかし、ここで改めて注目していただきたいのは、SAP HANAが従来のデータベースという概念の枠にとどまらず「アプリケーションプラットフォーム」へと昇華したことです。

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単なるデータベースを超えたSAP HANAプラットフォーム

SAP HANAはデータベース処理だけでなく、アプリケーション機能としての統計解析や予測ライブラリー、計画・ルールエンジン、テキスト分析、地理空間処理、UIサービスなどを実装しています。ユーザーはSAP HANA上で直接アプリケーションを動かすことができ、多様な処理を行えるようになっているのです」(大本)

従来のリレーショナルデータベースでは扱えなかった地理空間データやテキストデータのような非構造化データでも、データベースに格納されていればプログラム上で動かすことが可能です。加えて、これまでは専用のBIツールにデータを抽出して行っていたシミュレーションや統計解析予測も、すべてメモリー上で超高速に実行できる点もSAP HANAの最大の特長の1つになっています。ふだんはわかりやすく「インメモリーデータベース」と呼んでいますが、SAP HANAの本来のあり方は「インメモリーのアプリケーションプラットフォーム」とお考えいただいた方が正しいと思います。

<導入事例>世界各地でSAP HANAのリアルタイムデータ活用が実現

あまり概念的なことばかりお話ししても、今ひとつイメージするのが難しいかもしれません。そこで、すでに世界の各地で実現しているSAP HANAならではのデータ活用のモデルを、お客様の事例でご覧いただきたいと思います。

●鉄道会社によるおもてなし:モントリオール交通局(カナダ)


1日120万人の乗客が利用するカナダの鉄道会社が提供しているアプリケーションです。乗客の電子マネーによる購入履歴などをもとに、駅周辺のキャンペーンやイベント情報、クーポンなどがリアルタイムで乗客のスマートフォンに提供されます。120万人の乗降客とキャンペーンを提供する数千の店舗や美術館との組み合わせを瞬時に計算し、マッチングした上でオファーするためのリアルタイム処理をSAP HANAが担っています。

●オンラインゲーマーへの福音:Bigpoint社(ドイツ)


この事例ではオンラインゲームを無料で利用しているユーザーに、ゲームの合間に「こんなアイテムを購入しては?」といったオファーを行っています。そうした試みによってゲームの利用度と、課金による収益を挙げていくのが狙いです。これも大量のユーザー数とゲーム上の行動をSAP HANAによってマッチングすることで、その人が欲しがりそうな、もしくは買ってくれそうなアイテムをオファーする仕組みです。

●F1レースの勝利の方程式:McLaren(イギリス)


F1レースの名門として知られるマクラーレンでは、レース本番中に車体のあらゆるデータを無線でSAP HANAに投入・解析しながら、数周先の燃料の残量予測やピットインのタイミングを決定して、もっとも有利なレース展開を探っています。またレースの合間には10年分、約3TBの過去のレースデータと最新のレース結果をあわせて再チューニングして、次のレースで活用するといった、ビッグデータ活用のサイクルを確立しています。

●近未来の倉庫管理:試験運用中


ある倉庫管理のシステムにSAP HANAや空間データ、そして Googleグラスのようなウエアラブルデバイスを組み合わせて、どのように次代の倉庫管理システムを構築していくかという、SAPの試みです。倉庫で集荷・梱包・発送に携わる作業員が装着したウエアラブルデバイスの眼鏡には、常時詳細な作業指示が表示されます。このため、熟練作業員が少ない現場でも効率的で高品質、しかも安全な倉庫作業が可能になります。

グローバルで、日本で着々と拡がるSAP HANAのユーザー環境

ここまでのお話で、SAP HANAがリリースから3年を経て、どのような成果を生み出し、どのような試みにチャレンジしているかが、少しお分かりいただけたかと思います。最後に、そうした現在のSAP HANAのモメンタムを数字でご覧ください。

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わずか3年で飛躍的な成長を遂げたSAP HANAのモメンタム

グローバルでは1,000社がアプリケーションを提供
スタートアップやISVの中で、SAPのパッケージもしくはカスタムアプリケーションを提供している企業は世界で約1,000社に及んでいます。

世界の850社がSAP HANA Oneを利用
SAP HANAのアプリケーションをクラウドで提供している企業の1つに、アマゾン ウェブ サービス(AWS)があります。AWSのSAP HANA版(SAP HANA One)は現在、世界の約850社で利用されています。

世界の2,280社、日本では100社がSAP HANAを購入済み
グローバル全体では、現在のSAP HANAの利用企業は2,280社。日本は100社に達しています。そのうちERP、CRMなどを含むSAP Business Suiteユーザーは世界で450社、日本ではすでに10社に上ります。

日本国内に350名のSAP HANA認定コンサルタント
350名というのは、試験を受けて認定されているコンサルタントの数です。この他にも実際にトレーニングを受けたり、現在トレーニングに参加中のエンジニアは5,000人を超えています。この認定コンサルタントは、国内はもちろんグローバルでも着々と増加中です。

いかがでしたか。SAP HANAが単なるデータベースを超えた多彩で広汎なデータ処理能力を提供する、リアルタイムビジネスのプラットフォームであることがおわかりいただけたでしょうか。より詳しい説明や資料をご希望の方は、ぜひお気軽にSAPジャパンまでお問い合わせください。

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