サプライチェーン戦略のエキスパートに聞いた「需要関連データ」から価値を引き出すためのヒント


Warehouse Worker Scanning Barcodes消費財を扱うメーカーの多くは、将来の需要予測に多くの悩みを抱えています。ソーシャルメディアやオンライン取引などを通じて消費者と直接的なつながりを持ち、新しい商品の開発やサービス環境の改善につなげる必要があります。こうした取り組みに成功している企業に共通しているのは、「消費者は何を求めているのか?」「消費者はそれをいつ、どこで欲しているのか?」といったあらゆる需要関連データを活用し、複数の視点を組み合わせながら需要管理を進めていることです。そこで、サプライチェーン戦略のエキスパートに「需要関連データ」から価値を引き出すためのヒントとなる5つの質問を行いました。

Q1 需要管理に関して消費財メーカーが直面している課題とは?

A 最大の課題は、需要を完全に予測することはできないことです。どの消費財メーカーも「予測精度を高めたい」と思いながら日々の努力を続けています。しかし、どれだけ頑張ったところで、変化する需要を完全に把握するのは無理な話です。ここ最近、需要動向が捉えにくくなっている要因の1つとして、消費者が豊富な情報を活用できるようになったことが挙げられます。さらに、現在は販売チャネルが実店舗からオンラインまで多岐にわたり、消費者の購買行動は大きく変化しています。

これまでも小売業者は、こうした動向に対応する努力は続けてきました。できるだけのことは、すでにやってきたのです。予測精度の向上はプレッシャーであることに変わりはありませんが、それ以外にも課題が多いことは理解しておいてよいでしょう。

Q2 「需要感知」と「需要管理」の違いとは?

A 「需要感知」とは実際の需要動向をモニターする機能です。正しい需要予測をするためには、需要動向のモニタリングが欠かせません。成功しているメーカーでは、消費者の需要について、①「すでに起こっていること(過去)」、②「今まさに起こりつつあること(現在)」、③「これから起こるであろうこと(未来)」というように、過去から未来にわたる全体像を捉えることに注力しています。つまり「需要感知」とは、全体像を正確に描くことにほかなりません。

IT的な側面から見ると、①「新しいデータソース」、②「需要と関連性の高いデータ」、③「最新のビッグデータテクノロジー」の3つを活用していく必要があります。ソーシャルメディアや位置情報と連動したPOSデータなどは、新しいデータソースの一例です。ビッグデータテクノロジーも、過去から未来の需要を予測するうえで重要な役割を果たします。

Q3 「需要感知」による改善効果を測定する方法とは?

A 売上と利益が継続的に増加しているといったようなコア財務指標を用いれば、「需要感知による改善効果があった」と判断してもよいでしょう。メーカーは消費者の行動を理解していることに確信を持つことで、あらゆる種類の意思決定が改善されるはずです。その結果、情報の活用力が高まり、売上目標の達成につながっていきます。それを現実にするためには、ビッグデータテクノロジーの導入が欠かせません。ビッグデータを使って消費者に支出を促している要因を分析し、詳細なニュアンスで理解することで的確な評価体制が確立され、財務面での改善が実現していきます。

Q4 メーカーと小売業のコラボレーションによって需要予測は改善できるか? また、その方法とは?

A 需要予測の改善は可能です。トップレベルの企業では、需要予測を高めるための取り組みとして、メーカーと小売業のコラボレーションに注目しています。そのメリットは、①消費者に関する情報が蓄積される下流のトランザクションデータから多くの知見が得られることと、②オンラインの消費者行動をキャッチできることの2つです。

コラボレーションと聞くと「データの共有」が真っ先に頭に浮かびますが、それはあくまでもスタート地点。受注に対して大きな責任を負うメーカーでは、トランザクションデータから消費者のタイプ、好み、潜在的市場まで読み取ろうとしています。今後は、メーカーや小売業者が管理するオンラインサイトやコミュニティにおける、訪問経路、Webログ、ソーシャルネットワーキングのデータなどに注目するコラボレーションが増加していくことは間違いありません。

Q5 「需要感知」と「需要管理」は、今後数年間でどの程度進展するか?

A 「需要感知」と「需要管理」に関するイノベーションは、ビッグデータテクノロジーとともに今後ますます進展すると考えられます。現在、ビッグデータテクノロジーの市場規模は急速に成長を続けており、2010年から2015年までの年間平均成長率は、世界市場で40%近くが見込まれています。

意思決定のスピード化を追究しているメーカーが増えていることも、需要感知と需要管理が重要視されている要因の1つです。さらに需要感知と需要管理は、生産性の向上をサポートするためのものであることを考えると、ツールの提供ばかりでなく、情報収集コストの削減や複数の視点を駆使した照合・調整が求められます。こうしたことが実現すれば、メーカーは多くの施策において効果が実感でき、消費者の需要動向を確実に把握することが可能になります。

参考:【IDCレポート】サプライチェーン戦略のエキスパートに聞いた「需要関連データ」から価値を引き出すためのヒント

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