エンタープライズモバイルアプリの活用で、ビジネスチャンスの拡大に成功した大阪の繊維専門商社

作成者:井口 和弘投稿日:2013年12月26日

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Businesswoman Hurrying Through Officeこんにちは、SAPジャパンの井口です。内勤がメインのオフィスワーカーとは異なり、社外で業務をする担当者にとって、最新の業務情報の参照やデータ入力作業は、決して容易ではありません。ビジネスのスピードが加速する中、こうした現場と企業を繋ぐ一貫した情報共有が、より重要なものとなってきています。現場からいつでも必要に応じて業務データを参照し、更新された情報がすぐにバックエンドシステムに反映される、そんな仕組みが求められているのです。

今回は、展示会場で見込み顧客がピックアップしたサンプル生地の情報を、素早く企業のバックエンドシステムと連携することで、ケアレスミスの排除や新たな商談の創出に成功した、瀧定大阪株式会社のSAP Mobile Platformの活用事例をご紹介させていただきます。

発送時間の短縮、ケアレスミスの排除、社内での情報共有が課題に

大阪に本社を構え、各種繊維製品の元卸売ならびに一般輸出入のビジネスを展開する瀧定大阪は、日本のアパレル業界を牽引する繊維専門商社として、世界中のブランドにテキスタイル(生地)やアパレル製品などを提供しています。同社のビジネスにおいて、世界各地で開催されるアパレル展示会は非常に大きな意味を持っています。展示会で見込み顧客がピックアップしたサンプル生地を発送することで、新たな商談が創出されるからです。

このような展示会における対応で同社が課題としていたのは、サンプル発送にかかる時間と、ケアレスミスの発生、さらに社内での情報共有でした。従来は、展示会場でピックアップされるサンプル品番情報を手書き伝票で管理しており、顧客が希望する生地の品番を営業員が手入力で記載した後、集計した伝票は展示会後にリスト化していたのです。そのため、展示会後のサンプル発送に時間がかかるほか、手書き文字の読み取りミス、転記ミスなども発生していました。

これらの課題を解決するため、同社ではサンプル生地に付加したバーコードをiPhoneのカメラで読み取るモバイルシステムを導入し、情報収集の効率化を図るための一歩を踏み出しました。

電波の繋がらない展示会場でも使える、オフライン対応のモバイル環境として、SAP Mobile Platformを選択

新システムのモックアップを作成後、モバイルアプリケーションとバックエンドシステムの開発をスタート。開発にあたっては、将来的な拡張を考えERPとの連携を前提に設計が行われました。また、オフラインでのデータ蓄積も要件に盛り込まれました。これは、展示会場によっては通信環境が不安定なケースがあるため、現場ではオフラインでデータを蓄積し、展示会後に安全かつ確実なデータの同期が必要となるからです。これらの要件を整理すると、新システムによる施策は以下の内容となります。

  • ž iPhoneを利用したサンプル生地情報の読取システムの導入
  • ž サンプル発注データの蓄積と管理の効率化
  • ž バックエンドシステムとモバイルアプリケーションのオフライン同期

また、バックエンドのERPとの連携による情報参照機能が多発するため、「開発における生産性の向上」も重要なテーマとして位置付けられました。このような要件に対応するプラットフォームとして、同社が選択したのがSAP Mobile Platformです。

SAP Mobile Platformは、モバイルワーカーがいつでも、どんなデバイスからでもビジネスデータに接続できるアプリケーションを短期間で構築でき、単一のコンソールから、企業データを利用するアプリとデバイスの管理、セキュリティの保護、導入展開の一元管理を可能にします。さらにモバイルメッセージングの相互運用サービスからモバイルコマースサービスまで、広範なサービスを利用することができます。

このようなSAP Mobile Platformが提供する優れた開発基盤により、瀧定大阪では、モバイルシステムを短期間で構築。開発プロジェクトは、2013年3月のキックオフからわずか5カ月後の9月には、本番運用をスタートしています。

商談化に至るリードタイムの短縮とサービス向上

42-29558126iPhoneを使った同社のピックアップサンプル管理システムは現在、パリで開催される服飾用テキスタイル見本市「プルミエール・ヴィジョン」など多くの展示会で利用されています。展示会は最大のビジネスチャンスであり、モバイルアプリケーションの活用によって、その場で得たリードや見込客の情報をダイレクトに収集することが可能になりました。

具体的には、顧客名に紐づけた入力画面で、サンプルのバーコードにiPhoneのカメラをかざしてサンプル生地の情報を読み取り、データをiPhone本体に蓄積した後、通信が可能な場所からボタン操作でバックエンドシステムに送り、一元管理します。顧客に渡すリストの控えはPDF化されるため、その場で印刷して渡したり、メールで送信することもできます。

同社の開発におけるアプローチのユニークさは、最初から仕組みありきではなく、モバイルアプリケーションのユーザビリティを徹底的に追求した戦略にあります。使った部門から出された追加リクエストが随時反映され、営業員にとっての使いやすさがさらに向上。その便利さが口コミで広まり、新たに使いたいと手を上げた部門に順次解放していったことで、導入後の活用と情報の共有がスムーズに進んでいきました。特筆すべきは、このような柔軟で迅速なシステム開発において、SAP Mobile Platformが大きな貢献を果たしている点です。

この結果、社内用の情報集計ばかりでなく、顧客にサンプルを発送するまでの期間も短縮され、情報入力の自動化によって発送ミスも激減。これまで逃してきた可能性のある見込顧客にも確実に対応できるようになりました。さらに、展示会や商談の情報などを部門内で共有できるようになり、さまざまな拠点での顧客対応を標準化できたことも成果の1つといえます。

今回のシステム化におけるSAP Mobile Platformの導入効果のうち、代表的なものを以下に示します。

本プロジェクトにおけるSAP Mobile Platformの導入効果

顧客へのサンプル送付にかかる日数 7日    →   即日
サンプル未着・不備の問い合わせ削減 30%   →   0〜1%
システム導入期間(スクラッチ開発した場合の約50%) 約5カ月

同社では今後、システムの操作性改善とともに利用範囲をアパレル部門に拡大し、サンプルの提供効率と見込顧客の獲得精度を高めていく方針です。さらに、蓄積した情報をマーケティングに反映させていくことや、ERPの品目マスタと連動することも計画しています。

今後ますます拡大するビジネスの現場でのモバイル活用。さらに、それらのモバイルデバイスからリアルタイムで企業内の情報へのアクセスが激増する状況下では、これらのモバイル環境の一貫した管理、セキュリティの確保、さらに迅速かつ容易なシステム開発が不可欠となります。SAP Mobile Platformは、こうした要件に応える最適なソリューションとなるでしょう。

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