使い慣れたExcelインターフェースで、予算管理業務の効率化・高度化を支援するSAP Business Planning and Consolidation


Woman Looking over Documentsこんにちは、SAPジャパンの高橋です。予算編成、予実管理、そして予測・着地予想などのステップを含む予算管理業務は、ほとんどの企業が毎年実施する作業で、年初の今がまさに年度予算確定に奔走される時期ではないかと思います。一部にはトップダウンで予算を振り分けて終わる企業もありますが、それがあり得ない数字すぎて着地時点で大きくずれてしまうようなことがあっては意味がありませんので、多くの企業は振り分けた後に、現場からのボトムアップの積上げ予算と調整しながら、各部門の予算値確定をしています。

これらのデータは、売上や経費の実績データと異なり、日々の業務から自動的に蓄積されるデータではないので、現場から情報を集めて作成する必要がありますが、いまだにこれらの業務をExcelで非効率に行っている企業が多くあります。Excelでの運用は、現場担当者のデスクトップ上に属人的な形で情報が作成・蓄積されていくため、企業全体としての情報管理ができず、また苦労して情報をかき集めても、整合性が取れない、根拠が判らない、収集に時間がかかりデータが古い(数週間前)など、経営情報としては効果の薄いデータができ上がってしまいます。

制度会計の仕組みが一通り整備されつつある中、各社から課題認識として聞こえてくるのは、企業全体として整合性の取れた経営情報の管理を効率的に運用でき、真に経営に役立つ情報を適切なタイミングで入手、さまざまな分析シミュレーションが可能で、精度の高い将来予測や着地予想(フォーキャスティング)を行える仕組みの構築です。

これまで2回にわたり、2013年12月6日にSAPジャパン 本社セミナールームで開催された「UNDER ARMOUR と AOKIホールディングスに学ぶ、柔軟かつ高精度な予算策定・業績管理の仕組み」から、2社のお客様事例をご紹介してきましたが、今回は、両社が課題解決のために採用した「SAP Business Planning and Consolidation」の機能をベースに、多くの企業における予算管理の課題の対応策について解説します。

前回までの内容はこちら
「事業の多角化」や「市場環境の変化」に対応したAOKIホールディングスの新たな会計基盤
「計画精度」を向上し「収益」につなげたUNDER ARMOURのアナリティクス戦略

Microsoft Excelとの高い親和性、高度化・効率化のための優れた機能

SAP Business Planning and Consolidationは、業績管理における「予算」「計画」「フォーキャスト(着地予想)」の編成・策定作業を効率化し、分析・評価により多くの時間を割いていただくためのソリューションです。SAP ERPとは別製品であり、SAP ERPをお使いでない企業においても、独立して導入・使用することができます。

SAP Business Planning and Consolidationの主な機能

主な機能および特長 概要
データ整合性:
計画/実績/フォーキャストの一元管理
業績管理上必要な計画 / 実績 / 着地予測(フォーキャスト)の各データを一元管理するモデルを提供
実績とマスターデータは既存システムから自動連携
多次元データモデルによる多角的な分析環境を提供
ユーザービリティ:Microsoft Excelとの親和性 Excelシートから直接予算やフォーキャストを入力・更新
最新データとリンクした実績レポート / 予実比較レポートの参照
Excelテンプレート機能による生産性向上
運用効率化:
予算編成/計画策定プロセスコントロール
ビジネス・プロセス・フロー機能による手順標準化&ガイド
担当者の作業進捗状況・作業ステータス管理機能
IT部門ではなくユーザー部門でのマスターメンテ・利用拡張が可能

実績/計画/フォーキャストの一元管理において、大きな特長となるのが「多次元データモデル」を採用し、いわゆるDWH(データウェアハウス)と同じ構造で、データを保持している点です。このため経営管理に必要なデータの切り口、たとえば地域別、製品別、事業別、または実績や計画といったデータ種別、期間などの区分を切り替えて情報を管理、レポート作成や分析シミュレーションをそのままSAP Business Planning and Consolidation上で行うことができます。

使い勝手という面では、Microsoft Excelとの親和性を挙げることができます。Excelは一般の企業内の各種業務において、多くの業務ユーザーに利用され、慣れ親しまれています。しかし、一方でExcelを業務アプリケーションとして利用することに、多くの課題もあります。IT側から見た課題としては、Excelに習熟した一部の担当者が独自に細かな要件を作りこんでしまい、ほかの担当者が内容を理解できなくなったり、会社組織としてロジックを管理できなくなる点です。また、業務的な課題としては、人為的なミスが発生した場合に、それを追跡することが困難である点です。SAP Business Planning and Consolidationは、このExcelと連携することによって、使い慣れた操作性をユーザーに提供しつつ、同時にフォームやデータをデータベース上で管理することで、これら属人化による弊害を改善します。

属人化するExcel運用のもう一つの課題が効率的なコラボレーションです。予算編成/計画策定プロセスは、さまざまな部門の担当者が参画し、共同作業の上で完成していきます。しかし属人化されたExcelフォームは他人には簡単には理解しがたいですし、データがサマリーされていると数値根拠を知るのもやり取りの手間がかかります。SAP Business Planning and Consolidationでは、これらのプロセスを効率的に進められるよう、複数の機能を提供し、担当者間の工数削減とデータ収集時間の短縮を支援します。

オペミスリスクを排除し、同時に効率化も実現するExcelとのリアルタイム連携

Microsoft Excelとの親和性について、もう少し詳しくご紹介します。下記に示すのは、SAP Business Planning and Consolidationと連携したExcel画面です。SAP Business Planning and Consolidationと連携するためのEPM Add-inというモジュールをインストールすることで、Excel上のリボンにEPM(Enterprise Performance Management)と記載されたタブが追加されます。これによりSAP Business Planning and Consolidationサーバーと連携することができます。

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企業データへのアクセス管理を行うため、SAP Business Planning and Consolidation上のデータやフォームにアクセスする際はIDとパスワードを使用したログオンが必要になります。上記はログオン後に「前期実績確認レポート」をSAP Business Planning and Consolidationサーバーより呼び出している画面ですが、呼び出したExcelシート自体はローカルに存在しているので、Excelが持つ基本機能(セルの色付けや関数など)はそのまま使用することができます。通常のスタンドアロンのExcelと異なるのは、サーバー側にあるデータとシームレスに連携している点です。レポートフォームがサーバーに登録してあるのに加え、呼び出したフォームは最新のマスター情報やデータなどが反映されたものが表示されます。同じ原理で予算などの入力フォームも常に最新の科目や組織マスターが反映された状態のものを表示し、昨年の実績データを参照しながら、今年の予算や今期の見通しなどを入力、サーバー側へデータ送信することができます。

サーバーへ「送信」されたデータは、「リアルタイム」に計算が行われます。事前に定義された組織階層マスターに沿った集計や、事前定義した按分や掛け合わせなどの計算ロジックが実行されます(通貨換算など)。サーバー側での計算は手作業を介さずに自動で計算されるので、利用者のケアレスミスによる計算間違いなどのリスクや、勝手に更新された数式のチェックといった無駄な作業を排除することができます。

このほかSAP Business Planning and ConsolidationのExcel連携では、コメント情報の付与・記録機能を提供しています。予算数値の立案根拠や予実差異理由などの定性情報をコメントとして数値情報に付与・記録し、SAP Business Planning and Consolidationサーバーで集中管理が可能です。これにより各担当者に都度確認する手間が省け、経営判断のためのデータ分析スピードを速めます。

問合せや手戻りなどの無駄な作業を削減するプロセスコントロール機能

前述したとおり、予算編成、計画策定、フォーキャスティングの各プロセスにおいては、多くの作業や担当者が介在します。たとえば、月初には予実差異結果を見ながら差異理由を入力し、月中には上旬の実績ベースで月末の売上見込み・経費配分を見直し、月末に至る前にはさらに来月の売上見込みを見直すといった作業が発生するとします。このような状況において、従来のExcelファイル+メールベースのやり取りでは伝達不備、手順間違いによる手戻りや問合せへの対応で管理部門は大わらわ、加えて送付されてきたExcelファイルの管理やチェック、マージ作業は煩雑で、おそらく上記の運用には耐えられません。

これに対しSAP Business Planning and ConsolidationではBPF(ビジネス プロセス フロー)機能を提供しています。BPF機能では管理部門がプロセス(手順)を設定、各プロセスで行うべきタスクと、そのタスクで必要となる入力シートや確認レポートを紐付け、そのプロセスを各ユーザーに割り当てることで、ユーザーはログインし割り当てられた手順に従って順番にプロセスをクリックしていくことで、必要なシートを表示させ、手戻りや作業漏れを発生させることなく、一連のプロセスを進めていくことが可能となります。

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また、プロセスコントロール機能としては他に以下のような機能も提供しています。

  • 作業進捗管理(提出と承認)
    作業の進捗を管理する「作業ステータス」機能を提供しています。たとえば、予算入力担当者が予算案入力後に「提出」を行い、管理者がその予算案を確認したあと、「承認」や「却下」に変更するプロセスを組むことで、作業の進捗管理を行うことが可能となります。各拠点の進捗状況は、問い合わせずとも中央で一覧することができるので、必要に応じてRemindなど早目の対応策をとることで、プロセスを滞りなく進めることができます。
  • ユーザー権限管理
    各階層、場合によっては異なる法人から権限が異なるさまざまな担当者が関与する予算編成/計画策定プロセスにおいては、適切な情報の共有と共に、必要以上の情報へのアクセス管理や参照・更新などの権限管理が必要になります。SAP Business Planning and Consolidationでは、特定機能への権限コントロール、特定データへのアクセスコントロールが可能です。

以上、SAP Business Planning and Consolidationで提供される機能をベースに業績管理業務における課題への対応策についてご紹介しましたが、イメージいただけたでしょうか?実際の画面での動きや、事例企業からのコメントなど、Youtube上に公開している動画もありますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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