グローバル標準のプロセス変革を実現する製造業界向けテンプレートの短期導入のコツとは?


photo1こんにちは、SAPブログ編集部です。先行き不透明な経営環境の下で、製造業は海外の企業との激しい競争を生き抜かなくてはなりません。限られた経営資源を最大限に活用して効率性に優れた経営を実現するためには、グローバル規模での業務プロセスの標準化が不可欠です。SAPパートナーの中でも、特に製造業の領域において、この業務プロセス標準化を支援するノウハウを強みとしているのが、コベルコシステム株式会社です。2月19日(水)に開催された「事例に学ぶ、スピード経営を実現する“業務プロセス標準化” 事例セミナー~将来を見据えた経営情報基盤のあり方~」においても、テンプレート活用することで製造業の業務標準化を最短期間で実現するためのポイントが紹介されていました。

「グローバル化の必要性」と「どう取り組めばいいのか?」というジレンマ

日本の経済がようやく長い停滞期を抜け出しつつある現在ですが、コベルコシステム株式会社 コンサルティング部 部長 佐藤正樹氏は、製造業にとってはまだまだ楽観できる状況ではないと指摘します。輸出の伸び悩み、高齢化の進行、外国に比較して高い法人税といった国内的要因、さらに新興国の経済低迷や米国の景気回復の不透明感といった外的要因にはさまれて、日本の製造業はグローバル化のさらなる圧力にさらされています。

佐藤氏によれば、そこで生じる業務プロセスのグローバル化は、以下の4つの段階を経て進んでいくといいます。「各国ごとの最適化から、最終的には完全に統合された業務プロセスに移行し、グローバル本社を起点とした迅速かつ効率的なマネージメントを実行できることが最終目標です。そのために、グローバルでの業務プロセス標準が不可欠なのです」

  1. 海外進出:日本国内で成功したものづくり、品質、ブランドを海外に導入
  2. 現地化:製販機能を持つ現地法人の設立や現地の人々の雇用などを推進
  3. ローカライズ:より現地に合わせたものづくりやマーケティングの深化
  4. グローバル化:統合された業務プロセスへの移行とグローバル本社の設置

また、グローバル化に適合した業務プロセスの標準化を進める上では、上記の4つのステップを通じて以下の取り組みが必要だと指摘します。

  1. 各企業の規模や特徴、能力に応じたグローバル経営の基盤構築
  2. その中でグローバルビジネスを推進する基盤の整備や人材の育成
  3. それらの各ステージに応じた IT 基盤(基幹システム)の構築

「とはいうものの、日本企業の多くはまだローカライズの段階にとどまっており、最終段階であるグローバル化に達していないケースがほとんどです。言うまでもなくその理由は、上の3つの基盤構築に着手していない。または着手しようにも具体的な方法がわからないといったところにあります」(佐藤氏)

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製造業におけるグローバル化のステージ

製造業のプロセス標準化において欠かせないエキスパートの支援

佐藤氏は、製造業がグローバル化を進める上で必要な5つの要素を挙げ、これらを大きく「事業のイノベーション」と「業務の標準化」の2つに分類します。今回のセッションの焦点である「業務プロセスの標準化」は、もちろん後者の「業務の標準化」に相当します。

「『業務の標準化』に含まれるのは、いわゆるコアプロセス(基幹プロセス)、すなわち受注から製品を出荷するまでのすべてのプロセスです。さらに資材調達、財務、人事あるいは ITという点ではシェアードプロセスといった業務を対象に、標準化を進めることをここでは指しています」

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製造業に求められるグローバル化の5つの要素

では、そうした取り組みはわが国ではどれくらい進んでいるのでしょうか。佐藤氏は日本能率協会の2012年の調査データを挙げて、進捗が遅れている現状を指摘します。

「国内外の環境変化にどう迅速に適応していくか、組織変革はどうするのか、そもそもグローバルに適応する標準業務とは何かといった取り組み=業務効率改善に国内の約4割の企業が取り組んでいますが、実態としては3割くらいしか順調に進んでいません。必要性は痛感していながら、どう取り組めばよいかわからないからです。標準化のエキスパートによる支援が早急に必要です」(佐藤氏)

「オーダーメイド型」と「既製服型」、自社のニーズに合わせて支援サービスを選ぶ

コベルコシステムは主要顧客の60%以上が製造業を占め、流通業と合わせると70%を超えるという、製造およびロジスティクス分野に多くの実績を持つシステムインテグレーターです。同社では、製造業の業務標準化を支援する活動として、「業務変革支援サービス」と「HI-KORT(ハイコート:組立製造業向けSAP統合業務テンプレート)」と呼ばれる2つのサービスを提供しています。

「業務変革支援サービス」は、お客様の事業特性や製品特性あるいは地域特性にフォーカスして、それ以外の部分を業務標準化していくというものです。すべてを均一に標準化するのではなく、お客様の強みを生かしつつ業務標準化していくといった特徴があります。もう1つの「HI-KORT(組立製造業向けSAP統合業務テンプレート)は、あらかじめ製造業向けに最適化されたテンプレートが用意されており、それを活用して業務の標準化を進めるというサービスです。

「洋服にたとえれば前者はオーダーメイド型、後者は既製服型と言えるでしょうか。お客様のご要望や規模、予算に合わせて最適のものをお勧めした上で、私たちの実績とノウハウをもとに、標準化の取り組みを支援していくことになります」(佐藤氏)

成功のカギは「ビジネス設計」「IT」、そして「業務テンプレート」

業務変革支援サービスでは、下の3段階のアプローチを経て業務プロセスの標準化を実施します。

  1. 現行業務の棚卸・点検:業務機能分析シートを使って約3カ月をかけて実施
  2. 変革後の業務の具体化:新しい業務プロセスの業務適合項目が実際の業務にどれくらい適合しているかを確認・検討
  3. プロセスの定着化:新しい業務プロセスを実際に適用しながら、検証・改善を回しつつ実際の業務への定着を推進

「業務機能分析シートでは、属人的業務を発見し、集約化、共通業務化することで無駄をなくしていきます。この属人的業務の排除が、標準化では大きなポイントになります。こうした取り組みを重ねながら業務のスリム化と IT 基盤の共通化を進めていくのです」(佐藤氏)

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業務変革支援サービスの概要

HI-KORTには、SAPをベースにした「製造業向け汎用テンプレート」をはじめ、「見込み生産型業務」、「個別受注生産型業務」「設備工事=エンジニアリング系業務」の5つのテンプレートが用意されています。HI-KORTの特徴としては、あらかじめ業務フローのマニュアルや業務シナリオなどが用意されているため、お客様はそれを参照しながら組織構造や基本となる考え方、プロセスの運用の仕方、さらにデータ構造といった項目の検討を具体的に進めていくことが可能です。このため、コンサルティング開始から開発導入まで最短で10カ月前後の短期間導入が可能な点は、テンプレートならではの大きなアドバンテージです。

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HI-KORT業務標準化サービスにおけるアプローチ

いずれにしても、市場環境は依然として激しく動き続けています。従来は月次オペレーションだったのが2週間、1週間、そして日次オペレーションへと移行しつつあります。そうした変化への迅速な対応を可能にするのが、最適化・標準化された業務テンプレートです。業務プロセスやIT、組織構造を1つのセットとして考え、可能な限り標準化していくことで、日本国内はもちろんグローバル展開した際にもプロセスの透明性を担保することが可能になります。

「そのための業務プロセスの標準化であり、整流化されたビジネス設計、無駄のない IT 構造と業務テンプレート。この3つをいかに構築していくかが成功のポイントであることをご理解いただきたいと思います」とセッションを締めくくった佐藤氏。業務プロセスの標準化に真剣に取り組もうと考える製造業の皆様には、大きなヒントとなるのではないでしょうか。

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