グローバル調査が示す、モバイルコマースへのニーズとトレンド


いま世界のモバイル市場はどのような状況にあり、モバイルショッピングなどのサービスやアプリケーションに対するニーズは地域によってどう違うか。2013年3~4月に世界の4つの主要地域・17カ国で実施された調査結果をもとに、モバイルユーザーの動向を解説します。

約半数のユーザーが「入力の煩わしさ」や「セキュリティ」に懸念

Young women using cell phones in restaurantまず、世界的なモバイル利用の実態です。調査結果では、モバイル端末の用途としては当然ながら携帯電話による通話(79%)、次いでメール(62%)が挙げられています。さらに全地域を通じて半数(50%)の人々が、日常的にインターネットにアクセスし、また32%はショッピングなどのサービスを利用した経験があると答えています。モバイル端末の用途が「電話とメール」そして「インターネットとモバイルコマース」というのは、今や世界中どこでも共通のトレンドと考えてよいでしょう。

モバイルによるコミュニケーションやショッピングの利便性が高いことは、モバイルの利用に対する回答が非常に好意的であることからもうかがえます。「いつでも好きなときにデバイスを使える(51%)」、「移動中でも使える(51%)」、「利便性(50%)」、「スピード(50%)」などを評価ポイントに挙げ、多くのユーザーがモバイル端末ならではの長所や機能を享受していることがわかります。

しかし一方では、不安材料もあります。モバイルショッピングなどのサービス利用においては、「個人情報を入力することを負担に感じている」(46%)、「セキュリティに懸念を感じている」(45%)といった回答が見られ、モバイルに大きな価値を見いだしている人々とほぼ同数が、その利用に不安や懸念を感じている事実が読み取れます。

82%がモバイルショッピングに高い関心

次に「市場の成長=拡がるスピードと方向性」についてはどうでしょうか? 今回の調査結果から、モバイルコマースなどに代表される「モバイルを利用した決済サービス」の利用がグローバル規模で着実に拡がりつつあることがわかりました。

とりわけ人々のモバイルショッピングへの関心は高く、調査対象の実に82%が「将来的にモバイル端末を通じて商品やサービスを購入したい」と回答。現状では過半数(53%)がいまだ購入経験がないものの、「将来的には使ってみたい」と前向きな姿勢を見せています。もちろん、すでにモバイルショッピングの経験を持つ29%の人々は、今後も利用を続けたいと答えています。

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8割以上のユーザーはモバイルショッピングに積極的

 モバイルコマースへの依存度は日本などモバイル先進国と新興市場で差

次にエリア別のニーズについて見てみましょう。モバイル市場はグローバル規模で急速に成長していますが、その変化のペースは地域や国ごとに異なります。今回の調査では、アフリカ、中国などの「新興市場」、スペイン、ロシアなどの「発展途上市場」、そして日本や米国、欧州からなる「成熟市場」の3つのグループに対象を分けて分析を行っていますが、変化のペースが最も速いのは新興市場です。

なかでも新興市場の大きな特長は、モバイルサービスへの欲求の強さと人々のライフスタイルへの影響の大きさです。ユーザーの実に96%が「将来的にモバイルで商品やサービスを購入したい」と考え、75%が「ライフスタイルの管理に携帯電話はなくてならないものになっている」と回答しています。

いわゆるモバイル先進国の回答と比較すると、この新興市場におけるモバイルへのニーズや期待感の高さがいっそう際立ちます。日本を始め米国、ドイツ、フランス、オーストラリア、英国といったモバイル成熟市場における回答は、前者「将来的なモバイルでの購入意欲」は59%、後者「ライフスタイル管理における重要度」は45%に過ぎません。これらのいわゆるモバイル先進国で数値が低い背景には、多種多様なインフラの存在があります。たとえば日本ならば、銀行サービス1つ取っても、コンビニATMの普及やインターネットバンキングの高い利用率などさまざまなインフラが普及しており、結果的にモバイルコマースへの依存度を下げていると考えられます。

ちなみに日本のユーザーの銀行取引におけるモバイルコマースの利用率を見てみると、世界全体ではほぼ50%超であるのに対し、日本は20~30%台にとどまっています。この傾向は小売りや通信でもほぼ同じ数値が見られます。

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新興国ほど携帯電話への依存度が高く市場としても有望

 モバイル市場の成長をとらえる5つのマーケティングポイントとは?

今回の調査では、モバイルユーザーがモバイル端末を通じて決済を行う用途のトップ3が、「エンターテインメントサービス(43%)」、「通信料金の支払(42%)」、そして「音楽のダウンロード購入(40%)」であることがわかっています。こうしたコンシューマー寄りのサービス利用が急速に増えたことが、モバイル端末の高度化を加速する要因となっていることは明らかです。

モバイル端末の進化とモバイルユーザー市場の拡大および多様化は、いわば車の両輪であり、お互いがその動きの相乗効果でさらに発展し合うという関係性を生み出しています。したがって、今後モバイルの利用を促進するマーケティング要因を評価し、対応していくことがモバイルの世界そのものを活性化させることにつながるといえるでしょう。

モバイル利用者へのサービスは、現在「ポイントカード」「現金」「調査ツール」「位置情報機能」「クレジットカード」といった多彩な要素との一層魅力的な組み合わせを目指す方向へ進みつつあります。モバイルを通じて顧客にさまざまなサービスを提供する企業にとって、こうした移行は大きなチャンスです。ここでは、このチャンスを成長につなげようと考えるマーケティング担当者の方に、5つの重要ポイントをご紹介しておきましょう。

  • 変化のペースを把握
    今回の調査では、モバイルユーザーの国際的なコミュニティは国や地域ごとに異なるスピードや成熟度を持つため、それぞれの変化のペースを正確に把握する必要があります。
  • ユーザーごとの利用促進要因に気を配る
    モバイルと一口に言っても、サービスによって求められる操作性も機能もそれぞれに細かく最適化されなくてはなりません。支払い方法の選択肢や注文ステータスの確認、その他インセンティブなどの利用促進要因に気を配りましょう。
  • 期待値を知る
    ユーザーはより高いレベルで、しかも簡単かつ効果的な操作でモバイルサービスを利用したいと考えています。その簡単さや効果のレベルをサービスごとに最適化し、ユーザーが利用したいと感じるきっかけを作りましょう。
  • 複雑性を避ける
    シンプルさこそは、ユーザーがモバイルを利用する上での基盤です。もちろんセキュリティを担保するための複雑さは避けられませんが、利便性をもたらすシンプルさこそが、ユーザーのモチベーションの基本であることを忘れてはなりません。
  • サービスの質に目を向ける
    デバイスの進化が一定のレベルに達すると、ユーザーはデバイスよりもサービスの質そのものを重視するようになってきます。そのニーズを満たすためには、これまで以上に顧客を的確に理解する=さらなるマーケティングが不可欠です。

SAPではこうしたモバイル市場の最新動向をいち早くとらえ、それらに対応した多彩なソリューションを提供しています。関心のお持ちの方は、お気軽にSAPジャパンまでお問い合わせください。

参考:モバイルユーザーの動向に関するグローバル調査レポート

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