SAPで実現する設備管理(Enterprise Asset Management)


こんにちは。SAPジャパンの大池です。SAPジャパンでは主に設備管理、設備保全といった業務領域を中心にEnterprise Asset Management:設備管理(以下:EAM)と呼ばれるソリューションの提案活動を担当しています。

EAMとSAPソリューション

EAMとは企業全体で資産を管理する手法の総称で、EAMシステムとはその管理手法を実現するためのツールです。具体的には、資産=設備を中心に作業情報、故障情報、資材情報などのデータを蓄積・活用し、いつ・どのような保全をすべきかよりよい作業計画を立て、資産としての価値を最大化することを狙ったツールです。

SAPのEAMシステムではERPの設備保全機能を核として予算管理、在庫購買管理、プロジェクト管理などERP周辺機能と連携した業務の管理、図面や文書データの電子化、工事のスケジュール、安全管理、モバイル端末を用いた現場からのデータ登録、溜まったデータの高速処理を行い分析改善につなげるなど設備管理業務全般を支援します。

その中でもSAP EAMの最大の特徴はSAP ERPと同一基盤上に構築されていることです。SAP ERPユーザーがSAP EAMを使用する場合、設備側と基幹側(会計、購買など)の無駄なインターフェースを構築する必要がありません。

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EAMシステムって使われてるの? 

世界中のさまざまな業種のお客様が設備資産を管理するために当たり前のようにEAMシステムを使用しています。SAP EAMに特化しても世界でその数は万に上ります。管理対象となる設備もさまざまです。

たとえば

  • 製造現場の設備
  • 社会基盤設備(電気、水道、ガス、道路など)
  • 飛行機、鉄道、船
  • サーバーなどのIT資産
  • 不動産

一方、国内におけるSAP EAMのお客様は海外に比べるとまだまだ少ないのが実情です。利用されているお客様も石油、化学、鉄鋼、電力、航空など設備トラブルが起こった場合は経済的損失が大きく、危険を伴う可能性が高い大規模装置系産業のお客様が中心です。

今後の日本でのEAMの需要

海外に比べて日本でEAMシステムの導入数が少ない原因として、これまでの日本では経験・知識あるベテランの匠の技で現場が十分にまわっていたことあげられます。私自身、前職で石化プラントのオペレーターをしていましたが、当時のベテランの方々は設備の音を聞いただけで故障を予知し、重大なトラブルを未然に防止したりすることもありました。しかし現在の日本の現場では下記のような問題が発生しています。

  • 経験・知識あるベテランの減少により、作業の質が落ちている。
  • 設備の複雑化、老朽化で保全業務が難しくなっている。
  • トラブルが減らず同じような設備不具合が発生し工場での生産停止がよく起こる
  • 保全費用が減らない。

これらの問題を解決し、安全安定を前提とした操業行い、現場のナレッジを蓄積しながら保全費用を削減していくためには設備管理業務のシステム化、EAMの導入は避けて通れないように思われます。実際、EAMに関する引き合いもここ数年で飛躍的に伸びています。業種に関しても装置系産業のみならず組み立て製造業やIT資産、施設、テーマパークのアトラクションなど、多岐に渡ります。海外のように日本でもEAMが当たり前のように使わる日が近いかもしれません。

次回のブログではEAMで具体的に何が管理できるかについて書けたらと思っています。