インメモリープラットフォーム「SAP HANA」最新版SPS8新機能のご紹介


読者の皆様、こんにちは。SAPジャパンの松舘です。SAP HANAの最新版SPS8をリリースさせていただきましたので、今回は新機能や拡張点をご紹介したいと思います。SAPの今年のメッセージは「シンプル化」です。SAP HANAプラットフォームは、多様な機能を単一のプラットフォームで提供しており、複雑になりがちな企業のITシステムのシンプル化にも貢献します。

エコシステムの拡張

Corner of Soccer FieldSAP HANAは、Red Hat Enterprise LinuxやIntel Ivy Bridge E7v2プロセッサーファミリー搭載システムに対応し、VMWare vSphere 5.5での本番稼働をサポートするなど、テクノロジーの選択肢を拡大するとともに、複数のベンダーによるバックアップ&リカバリーソリューションのサポートも拡充しています。SAP HANAを利用できるクラウドサービスプロバイダーも増加し、Amazon Web Services(以下、AWS)に加えて、IBM SoftLayerやWindows Azureでも利用可能となります。AWSでは現在SuSe上でSAP HANAを提供していますが、RedHatでの提供も計画しています。このほか、地理空間情報ソリューション(例:ERSI ArcGIS)など、SAP HANAとの連携に対応したサードパーティーソリューションもサポートします。また、新たにMicrosoft ADO.NETをクライアントとしてサポートし、.NETに対応する開発言語からSAP HANAへのアクセスが可能になります。

(表)SAP HANA認定サードパーティーソリューション

カテゴリー 認定製品
BI (SQL) Microstrategy, Cognos, Information Builders
BI (MDX) Microsoft Excel
ETL Informatica, SAS (Access Interface), IBM Infosphere Information Server (DataStage)
バックアップ Symantec NetBackup, Tivoli Storage Manager, Commvault Simpana, HP Data Protector, EMC Data Domain Boost & Networker

プラットフォーム機能、予測解析機能、ビジネスインテリジェンス機能の強化

SAPアプリケーションとカスタムアプリケーションのいずれを使用する場合も、また、両者を組み合わせる場合も、SAP HANAは双方の迅速なイノベーションを実現します。

データ仮想化技術であるスマートデータアクセスに対応するデータソースとして、新たにIBM DB2 UDB v10.1、IBM Netezza v7をサポートします。また、SP7のアップデートにおいて、SAP Event Stream Processerのサポートも追加されました。

SAPアプリケーションは、SAP HANAデータベース内でより多くのビジネス機能やアルゴリズムを実行できるよう、機能強化が図られています。また、統合フレームワークApplication Function Library SDK を提供することによって、SASをはじめとするパートナー各社は今後、アルゴリズムを作成し、SAP HANA内で直接実行することで、分析パフォーマンスを大幅に向上しつつ、分析データの準備作業において、データソースからデータ抽出、加工、データロードを行い、データを重複して持つ必要性がなくなります。SPS8では、SASをランプアップパートナーの対象としています。

SAP HANAデータベース内の予測アルゴリズム Predictive Analysis Library(合計約50種類)は、アソシエーション分析のFP-Growth、時系列予測のARIMAモデルをはじめとして8つのアルゴリズムを新たに追加し、既存の7つのアルゴリズムを拡張しています。

SAP HANAプラットフォーム内でSAP Lumiraサーバーを実行することで、別途サーバーを必要とせずランドスケープのシンプル化に寄与します。なお、SAP Lumira サーバーはXSエンジン(SAP HANA Extended Application Services)上で稼働します。

(表)SPS8で追加されたPAL分析アルゴリズム

カテゴリー 分析アルゴリズム
クラスタリング K-Medoid クラスタリング
分類 ディシジョンツリー(CART)
アソシエーション FP-Growth
時系列 ARIMA
確率分布 Distribution Fit, Cumulative Distribution Function, Quantile Function
サンプリング ランダム分散サンプリング

システム管理機能の強化

SAPUI5で構築されたシステムモニタリングダッシュボードを新たに提供します。重要なKPIの監視機能と、無応答システムのインテリジェントな診断機能により、システムの管理作業がシンプルになっています。

SAP HANAでは、高可用性/ディザスタリカバリー(HA/DR)機能のネイティブサポートと同期リプリケーション機能も拡張されており、複数のホットスタンバイへも対応していることで、アップグレードと保守のダウンタイムをほぼゼロに抑えることが可能です。

開発環境の強化

SAP HANAによって、アプリケーション開発もシンプルになります。アーリーアダプション(早期導入)プログラムのもと、開発環境SAP Riverを提供しており、SAP HANAベースのアプリケーションの開発・導入作業を簡単に行うことができます。また、Webベースの強化版IDEと、SAPHANA Answers for IDEによる画期的なコンテキスト認識型ヘルプ機能を通じ、開発者はアプリケーションの開発プロセスを、よりシンプルに、そして迅速に遂行できます。さらに、対話型の学習教材であるSAP HANA Interactive Education(SHINE)では、地理空間情報シナリオ、CRUD (Create, Read, Update, Delete)に対応したODATAオペレーション、あいまい検索、全文テキスト検索、ビジネスルール、SAP Fiori Launch Pad、モバイルダッシュボードなどの分野で、サンプルの充実化が図られており、開発者やモデラー、管理者にとっては、これまでよりも大幅に短時間で学習成果が得られます。また、SAP HANA StudioのMac OS版を新たに提供します。

今回はSPS8の新機能と拡張点をご紹介しました。現在4年に一度のサッカーワールドカップ2014年ブラジル大会が開催されています。実は、SAPではSAP HANAを活用して、ドイツ代表サッカーチームを支援するシステムを提供しています。ドイツ代表の動向にもご注目ください。

参考記事:スポーツは25番目のインダストリー、スポーツでのデータ活用を他のインダストリーでも活用せよ

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