分析エキスパートの不在で使いこなせないBI。実は「ユーザビリティ」がボトルネックに。


読者の皆様、お元気ですか? SAPジャパンの瀬尾です。
前回は「情報活用に求められる4つの視点」ということで、SAPのアナリティクスソリューションの4つの視点について概要をご紹介しましたが、今回はこの中から、「高いユーザビリティ」「オペレーショナルBIの実現」の2つについて、もう少し詳しくお話したいと思います。

高いユーザビリティ:簡単、高速、業務用語での情報検索

ここでいう“ユーザビリティ”とは、モバイルデバイスやアプリケーションの“使い勝手”という話よりも、さらに広い意味を含んでいます。たとえば、会議の場で「北米市場でのPCの売上はどうなっている?」と聞かれたとしましょう。よくある光景として、「次回までに調べておきます」と答え、ミーティングの後に「このデータは“地域別製品別 2011年売上レポート”にのっていたかなぁ?」などと考えながら大量のBIレポートから探すというようなことを行っていませんか? パソコンやモバイルデバイスからGoogle検索の感覚でキーワードを入力し、該当する情報を即座に確認。さらに該当する情報をクリックするだけの単純な操作で、店舗別やメーカー別といった追加の視点で売上を見たりーこうした直感的な“ユーザビリティ”は、まさにビジネスの意思決定を左右する重要な要素です。

また、情報検索の際に業務の用語をそのまま使用できる点も非常に重要です。通常、企業システム内に格納されるデータの項目名は、顧客を表す言葉としてCustomer Nameと入っていたり、顧客番号がCustomer IDとなっていたり、もしくはシステムによってまったく異なる表現で項目名が定義されていたりと、ビジネスユーザーに優しくない格納のされかたをしていることがよくあります。SAPではBIプラットフォームの中で、システムで使う用語を業務用語に置き換える特許技術を持っています。社内に存在するさまざまなデータソースをBIプラットフォームで一元的に統合することで、一意性のあるデータを元に業務用語を使ったデータ活用を促進し、システムユーザーだけでなく、システム管理者の生産性も向上させます。これによってSAP BusinessObjects BIは、日本国内においても類を見ない規模の導入実績を持ち、その中にはユーザーが数万人におよぶ事例もあります。

オペレーショナルBIの実現:ERPへの最適なアクセスによる日々の業務の最適化

これまでのBIは、担当者であるアナリスト(もしくは情報システム部門)がBIツールやカスタムのアプリケーションを使って作成したレポートを、エグゼクティブが確認するという流れが中心でした。よく経営ダッシュボードと呼ばれるものがこれに該当します。しかし一方で、業務の現場に対しては、こうしたBIのニーズがあっても仕組みが提供されていないケースがほとんどでした。これは業務のオペレーション品質の向上という観点からも大きな課題です。たとえば、あるお客様の債権回収日数(DSO)が45日と設定されていたとします。これまでのBIではしきい値として設定された45日を超えたタイミングで初めて、回収リスクがある顧客一覧リストがアラートとして発信されます。これがもし特定顧客の回収日数が35日→40日…と段階的に遅延していく傾向をオペレーションレベルでキャッチできれば、債権の未回収リスクを未然に回避することができるかも知れません。このような“気付き”を業務の現場の方に提供することができれば、オペレーションの質そのものを大きく向上、最適化することができます。

SAPのアナリティクスソリューションは、ERPへの最適なアクセス手段により、この例にあるような優れたオペレーショナルBIを実現します。エンべデッドアナリティクス(Embedded Analytics)というソリューションで2つのアプローチがあります。1つ目のアプローチは、ERP内に事前定義されたダッシュボードや定型レポートを提供するものです。SAPをご利用のお客様は、SAP BusinessObjects BIを導入していただくだけで、その瞬間からERPの中に組み込まれたベストプラクティスに基づいたコンテンツを利用し、業務オペレーションの最適化を図ることができます。

図 : ERPに埋め込む1つ目のアプローチ

また、2つ目のアプローチは、ERP導入時に個別に開発した各種問合せ画面などの業務データを、簡単な設定のみ(特別な開発は不要です)でSAP BusinessObjects BIに出力するというものです。これまで日常的に行っていたERPから個別にデータを出力し、RDBに格納してから帳票ツールでレポートを作成するといった煩雑な作業は一切必要ありません。すでにSAP ERPを導入いただいているお客様は、事前定義済みのBIコンテンツを即座に利用することも、また独自の要件に合わせて、開発コストを抑えながらSAPデータを最大限に活用するも可能となります(対応バージョンに関しては個別にお問合せください)。SAPのすべてのお客様が、現場でのオペレーションの質を大きく向上する仕組みを、簡単かつ確実に享受することができるのです。

今回は、情報活用に求められる4つの視点の中から「高いユーザビリティ」「オペレーショナルBIの実現」についてご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか?次回は、「モバイルアナリティクス」「インメモリーによる高速処理」について、それぞれご紹介していこうと考えています。ご期待ください!

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