発想の転換とITの活用で、「Future of Work=未来の働き方」を実現する

作成者:SAP編集部 投稿日:2014年8月29日

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こんにちは、SAPブログ編集部です。7月11日に東京で開催されたSAP Forum Tokyoでは、「シンプル化」をテーマにしたさまざまなセッションが展開されました。複雑化したITをシンプル化するということは、従業員の働き方、つまりワークスタイルをも変える可能性を持った重要な課題です。そこで、今回はSAPジャパンの導入・実践例をもとに「最もイノベーティブ、しかしシンプルな働き方とは」と題して公開されたセッションの内容をご紹介します。

新しい時代のワークスタイル実現のカギとなる「シンプル化」

グローバル化やダイバーシティ=働き方の多様性が進む中で、私たちの仕事や働き方はどのように変わっていくのか。また、そのために複雑さを増す IT 環境をいかにシンプル化し、誰もがメリットを享受できるように再構築していくのか。近未来のワークスタイル創造は、企業とそのマネージメントに携わる人々にとって今もっとも関心の高いテーマです。

「それぞれ考え方が異なる海外の人々とどのようにコラボレーションし、コンプライアンスやセキュリティを守っていくのか。また正社員と派遣など非常勤のスタッフをどのように組織し、コミュニケーションしてゆくのか。そのためのIT活用のあり方は…。取り組むべき課題は枚挙にいとまがありません」と、SAPジャパン ソリューション&イノベーション統括本部 テクノロジーソリューション部長の林幹人は、今起こりつつあるワークスタイルの変化に言及します。

そして、この近未来のワークスタイルは同時に、複雑化した業務環境でもあると、林は指摘します。上で挙げた1つひとつの要素に対応していかなくてはならない上、そのためのコストや新しいソリューションを使いこなすための教育。また、従来の9時~5時といった勤務形態に収まらない働き方の制度設計など、あらゆる側面で複雑な、そして解決の難しい課題が立ち現れてくるというのです。

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図1:未来のワークスタイルでは複雑化の克服が課題となる

こうしたさまざまな課題が障壁となって、新たなワークスタイル創りに取り組みたいと考えながら、実行に移せないでいる企業は少なくありません。林は、「SAP が今回のフォーラムで提唱しているように、ここでも『Run Simple』~複雑化した業務をいかに簡単にこなしていくかが解決のキーワードとなるのです」と語ります。

社員のコラボレーション基盤となっているSAP Jamとは?

IMG_0674すでに現在SAPジャパンでは、林が示唆したような「複雑化した業務をシンプル化する」取り組みを社内にいち早く導入し、その実践を通じて今後お客様に提案していくべき「Future of Work=未来の働き方」を追求しています。その一例として、SAPジャパンのIVE&ソリューション本部 ソリューションスペシャリスト 片平 麻里は、みずからの1日の行動スケジュールを紹介しました。

片平がまず採り上げたのは、SAP Jam(図2)と呼ばれる、ビジネスプロセスにソーシャルな機能を融合させたセキュアな社内業務プラットフォームです。SAP ジャパンの従業員は、このプラットフォーム上に業務情報やコンテンツをセキュアに共有し、共同作業や問題解決を行うことができます。

SAP Jamでは、モバイル環境からもアクセスして社内からと同様に業務を行えるため、時間や場所の制限を受けることのない柔軟なワークスタイルが可能になります。具体的には、各人はSAP Jam上に設けられた製品や業務分野ごとのワークグループに所属し、そのグループごとに情報共有やコラボレーションを行う仕組みになっています。

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図2:社員のコラボレーション基盤となるSAP Jam

「私は直接担当するモバイルのプリセールスの業務以外にも、関連する約30のワークグループに所属しています。通勤途中などではSAP のSuccessFactorsのモバイルアプリケーションを使ってSAP Jamにアクセスして最新の情報を確認できるため、家の都合で早めに会社を出なくてはならない日なども、ふだんと変わらないペースで確認・連絡などが可能になっています」(片平)

グループの誰かが夕方にコンテンツをSAP Jamにアップロードしておけば、他のメンバーは帰りの通勤電車の中などでモバイル端末から確認・共有できます。またSAP Jamには営業コンテンツがアップデートされるたびに最新版が上げられるため、午後のお客様訪問に備えてその最新の営業コンテンツを、お昼休みの間にモバイルに同期させておくといった活用もされています。

SAP Jamの利用環境を強化する2つのSAP ソリューション

片平をはじめとする社員がSAP Jamを利用する際に利用している主なソリューションには、SAP Mobile DocumentsとSAP Extended Enterprise Contents Management by OpenText(xECM)の2つがあります(図3)。

SAP Mobile Documentsはモバイルコンテンツ管理ソフトウェアで、複数のモバイル端末間でファイルを同期することが可能です。また、特定のグループ内でのファイル共有も容易に行えます。もちろんユーザー、利用期間、パスワードなどのセキュリティポリシーの細かな設定も可能になっています。

「私は、訪問先でお客様に資料をモバイルでお見せすることが多いので、いつも最新の営業コンテンツのデータをMobile Documentsで同期しています」(片平)

もう1つのxECMは、強力な検索機能に加え、文書更新に合わせて自動的にバージョン管理や配布・通知を実行したり、必要に応じたカテゴリー設定やWindows Exploreなどのクライアントアプリケーションとの連携といった、さまざまな形式の文書を管理できるソリューションです。SAP ERPやSAP CRMといったバックエンドシステムから横断的にデータを収集して蓄積しておけるため、社内のあらゆるリソースから自分の担当業務に最適なドキュメントを迅速に探し出して活用することが可能です。

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図3:2つのソリューションで社内の情報リソースを横断的に収集・活用

Future of Workの実現におけるマネージメントの役割

SAP Jamの紹介が終わり再度登壇した林は、前章で見てきたようなFuture of Workがさらに発展し、あらゆる企業に浸透したときこそ、マネージメントの役割が重要になってくると指摘します。

「モバイルで社員がどこでも仕事ができるようになると、オフィスにはマネージャーである自分1人きりになることもありえます。そのように、グローバル化やダイバーシティ=働き方の多様化が進む中、マネージャーはどのような役割を果たしてゆけばよいのか。その答えの1つが、人材活用のイノベーションです」

たとえば「社員の中でデータベースに精通した人材が欲しい」となれば、IT部門に相談してみるといった発想が浮かびます。しかし、「お客様のマネージメント層にリレーションをつくれる営業スタッフ」となるとどうでしょう。自分が管理している部署の社員の記憶を掘り起こして、その中からかろうじて合致する人材をピックアップし、それでも足りなければ外部のパートナーに頼むというくらいが精一杯でした。

「しかし、タレントマネージメントのツールを使って隠れた人材情報を『見える化』できるようになれば、社内の全人材から要件に合った人をすぐに集めて来ることが可能になります。それまでの『自分が知っている範囲での人材ありきのチーム』ではなく、ビジネス要件に最適化されたチーミングが全社規模で、しかも最速で実現できるのです。」(林)

コミュニケーションの見える化がイノベーションを加速する

また、「ソーシャル技術を応用してコミュニケーションを見える化する」ことも、Future of Workを促進する上では効果的です。たとえばあるプロジェクトで提案書を作成する際、SAP Jamのようなソーシャルプラットフォーム上にワークグループを置けば、そこに必要な全リソースを集中できるだけでなく、その最新資料を基にした会議=コミュニケーションが自然発生的に始まります。

「この会議の閲覧情報は随時アップデートされるので、リアルタイムで参加できなかった場合も、後からその議事録でディスカッションの内容を共有できます。従来の紙の議事録のようなタイムラグもなく、ソーシャルプラットフォームをベースにした、ほぼリアルタイムのコミュニケーション&コラボレーションが可能になるのです」(林)

最後に林は、「こうしたFuture of Workのためのデジタルコミュニケーションの仕組みが広がれば広がるほど、マネージャーはフェイストゥフェイスでスタッフとコミニュケーションすることが大事な任務になる」と強調します。IT の発達で実現できる可能性があれば、実際にその仕組みを構築してチャレンジする。みずからが発想を転換し、新しいやり方によって社内の隠れた才能や意欲を持つ人々を巻き込んでリレーションを作っていく。それがFuture of Workに求められるマネージメントなのです。

「すでに SAP は自社の中で次々にそうした試みを実践しており、そこでの成果をご活用いただくことで、皆様それぞれのワークスタイルにおけるイノベーションを実現していただきたいと願っています」と林は語り、セッションを締めくくりました。

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