【JSUG Leaders Exchange Interview】 現場との密なコミュニケーションをもとに、BI活用のさらなる可能性を模索

作成者:JSUG Leaders Exchange 投稿日:2014年9月17日

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Businesswoman explaining research results「JSUG Leaders Exchange」(以下、JSUG LEX)の参加企業から、企業価値の向上に貢献する業界独自のデータ活用についてお話をうかがう連載企画。アンリツ株式会社の中島久美子氏へのインタビューの最後となる今回は、SAP ERPのデータを可視化して、ビジネスの意思決定につなげるBIツールの活用について、その実態をお聞きします(聞き手:SAPジャパン 濱本 秋紀)。

担当スタッフを配置し、現場の「見える化」に対する要望に対応

前回は「セルフサービスBI」についての質問をさせていただきましたが、アンリツさんでは現在、基本的にデータはIT部門で一元管理して、レポートツールもIT部門がユーザーに提供するという運用になっているのでしょうか?

中島 SAP ERPの運用は情報システム部の管理ですので、基本的なレポートは必然的に情報システム部が作成する形になっています。システムのセキュリティー要件については、重要性が高いので、各事業部門が情報システム部の統制が効かないところで、システム変更をすることを認めていません。ですから、情報システム部は各事業部が何をしているかを、概ね把握できていると思います。

─アンリツさんには、レポーティングの管理など、見える化に関係する専任のスタッフはいらっしゃるのでしょうか?

中島 営業系のシステムを中心にサポートしている社員が1名います。さすがに全てをサポートするのは難しいので、外部のソフトウェアベンダーも活用しています。

─ご担当の方はどのような業務をされているのですか?

中島 営業の現場サイドからは、経営会議の資料を作るのが大変なので、楽にして欲しいという要望がありました。その前段では、毎月の予算のローリング作業を簡単にやりたいという要望も寄せられていました。CRMには案件の確度が入っていますし、ERPには実績が入っているので、両方を出して作成することは可能です。当初はこうした資料を作る業務から始まり、冒頭の経営会議に向けた資料作成も視野に、担当者を置く体制としました。

─その他に現場の要望に対応することはありますか?

中島 そうですね。たとえば購買部門から「こういうデータが見たい」という要望が寄せられた場合には、情報システム部のメンバーがツールを作って提供することもあります。

─お話しを聞いていると、アンリツさんには現場からIT部門に気軽に相談が寄せられるような、風通しの良さがあるように感じます。

中島 そうありたいと思っています。現場を知らないと良いツールは作れないので、なるべく現場の話を聞いて理解して提案するようにしています。「現場と一緒にやらないとよい提案はできない」とJSUG LEXのミーティングでもよく採り上げられていますが、その通りだと思います。

現場との信頼関係から生まれるデータ活用のさらなる可能性

─経営ダッシュボードとしてBIツールはお使いですか?

中島 経営ダッシュボードはグローバルで用意しています。現状では、目標、フォーキャスト、実績などを参照しています。目標に達していない場合は赤、達していたら緑と、色で表示されるようになっています。国内営業用のダッシュボードも別に用意してありますので、進捗管理に役立っているのではないでしょうか。

─これまでのお話を聞いている限り、アンリツさんではBIツールを活用した「見える化」の姿は、基本的に実現されつつある印象です。

中島 パーフェクトかどうかはわかりませんが、「できるところまではやってみました」くらいのレベルではないしょうか。もっと別の見せ方があるのではと模索しています。

─最近はBIツールもいろいろ出ていて、WebのUIも以前より見やすくなっています。目的に合ったBIツールを使うことで、現場の人にも使いやすくなっていくと思います。

中島 確かにそうですね。ただ、SAP ERPのデータをBIツールに入れれば、大体は同じパターンで出すことはできますが、個別の要望に対応すると結局はツールをリリースするまでに時間がかかってしまいます。本来ならBIツールまで含めて同時提供できるほうが、基幹システムのみリリースするよりは良いはずです。SAP ERPだけでは現場はデータ入力作業に追われるだけになってしまいます。最終的に見えるところまでを一度に提供できれば、「ここまで便利になるのか」とイメージしやすくなるのだと思います。

─アンリツさんではSAP ERPにあるデータを見せることはできておられるので、業務担当者の個別ニーズを踏まえながら、今後もBI活用の可能性を伸ばしていける部分が多いように感じました。貴重なお話をありがとうございました。

■略歴

中島久美子(なかじま・くみこ)氏
アンリツ株式会社
経営情報システム部
BPR推進チーム
課長

photo_nakajima

 

日本大学を卒業後、アンリツ株式会社に入社
営業部門のアシスタント業務を経て、2002年より計測事業部門の基幹システムR/3導入プロジェクトに従事。
2006年4月に国内営業統括本部 営業支援部を経て、2011年4月より現職。

 

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