The Era of Customer Engagement 〜顧客エンゲージメント中心の新時代〜


10月7日に開催された「SAP All Cloud Connect 業務部門がリードする経営改革フォーラム」。マーケティング部門トラックでは、ネスレネスプレッソとハイブリスジャパンによるオムニチャネルの展開をテーマとした講演が行われました。今回は「The Era of Customer Engagement ~顧客エンゲージメント中心の新時代~」と題した、ハイブリスジャパン株式会社の代表取締役社長の堀裕の講演をレポートしたいと思います。

前年度比の売上は75%、従業員数は2年で3倍以上に

_A8A99721997年にドイツで設立され、コマースプラットフォームベンダーのリーディングカンパニーであるハイブリスソフトウェア(以下ハイブリス)。BtoB、BtoCを問わず「技術的に優れたコマースソリューションを作る」という理念の基、中央ヨーロッパを拠点に世界16カ国にプラットフォームを拡大しています。ハイブリスの日本法人であるハイブリスジャパンは2012年から本格始動し、国内顧客に向け企業のオムニチャネル戦略実現を支援するソリューションを提供しています。

昨今、生活のあらゆるシーンでモバイルやタブレットなどが不可欠となっています。調査会社フォレスター・リサーチが行ったアンケートで、店内でスマートフォンを使用している割合は68%と、商品選びもモバイル片手に行っていることが明らかとなりました。

講演のオープニングでは、オムニチャネルの実例としてビデオを上映しました。主人公が見ているテレビのシーンで紹介されている商品に合わせ、セカンドディスプレーのスマートフォンやタブレットなど手元のモバイル画面の商品も変わります。テレビで気になる商品が映った際、スマートフォンのアプリでその商品をウィッシュリストや買い物かごに入れその場で購入することができるというVTRを流し、さまざまなチャネルを融合したオムニチャネルの可能性について紹介しました。ハイブリスジャパン株式会社の代表取締役社長の堀裕は、「米国の調査会社ニールセンが実施したアンケートによると、小売業の役員の63%が単一のビジネスロジックをPOSやモバイル、Eコマースなどにも実装したいと感じています。こうしたニーズに応えるオムニコマースを提供するのが、わたしたちの役割です」と続けました。

Eコマースに限らずコマース全般を支援するプラットフォームベンダーを目指す同社は、2013年8月にSAP傘下入りを果たしました。約2年前には1,000人に満たない従業員数も現在は3,000名以上、前年度比の売上は75%、新規顧客は53%上昇。こうした急成長を裏付けるように、世界最大の調査会社ガートナーが9月29日に発表した成長市場で競合している企業を位置づけするマジック・クアドラントでは、デジタルコマース分野で、IBMやオラクルに匹敵するリーダー・クアドラントにランクしました。

さまざまなチャネルを介した購買活動が拡大

2008年頃からインターネットが普及し、2011年にはさまざまなサービスがモバイル特化され、現在は完全にデバイス同士が電子的につながる時代に入りました。オムニコマース拡大の要因について「消費者は自分が欲しいと思った商品の購入前にモバイルを使い商品のレビューや口コミを確認し、購入時にはコールセンターや実店舗に足を運びます。購入後はSNSなどで感想を広め、そのコメントを見た人が商品購入を検討する。このように、さまざまなチャネルを介した購買活動の流れが広がっています」と堀は説明します。

さまざまなチャネルを介した購買活動堀は、今後は商品の宣伝から購入の決定を促すためのさまざまなツールを消費者のニーズに合わせて訴求することが求められるといいます。ここで消費者の購買活動をサポートするコマースのプロモーションビデオが上映されました。女性が街中を歩いていると、アパレルショップのデジタルサイネージで気に入った洋服を見つけます。この情報をICタグで読み取り、スマートフォンに保存。すると後日アラートで、女性のいる現在地から一番近い店舗でその洋服がセールになったというお知らせが届くといったストーリーです。このVTRで紹介されたシステムを実現化するには、販売期間や在庫情報の管理からICタグが正しくモバイルデバイスにダウンロードできる仕組みなどが必要になります。「あらゆるサービスをチャネルに依存せずシームレスに提供できるかたちが、オムニコマースの最終目標といえるでしょう」(堀)

続けてもう1本コンセプトビデオが上映され、先ほどまでのコンシューマー向けのB2Cのオムニチャネルだけでなく、B2Bでも活用できる例が紹介されました。舞台は街の工事現場、部材や建材を現場からモバイルを介し注文するとすぐさま承認決済者にアラートが届きます。その後、直接メーカーから現場担当者に注文数や在庫確認、配送日の連絡が入るという流れで、消費者が商品をオーダーするプロセスとビジネスでの物資調達は、手配までのフローは違えど必要な機能は同じであるというメッセージが込められていました。「こうしたシステムをつくることで、在庫の余剰を防ぎ必要なタイミングで必要な数量を提供できるプラットフォームが確立します」と堀は同社のコマースの特徴を示しました。

SAP HANAの新たなソリューションを提供

ハイブリスがSAPの一員となったことで、ERP(企業の財務・人事などの総合業務ソフト)を中心に既存のインフラをさらにリアルタイム化させ、顧客サービスの向上を図っていきたいと堀は力を込めます。「従来のシステムを顧客に提供するインサイドアウトのスタイルを、今後は顧客が望む情報に対しシステムを構築するアウトサイドインのモードに転換する必要があります。当社の持つコマースが下支えとなり、SAPのCRM関連のマーケティングやサービス、セールスのソリューションをさらに強化できるよう体制を整えます」(堀)

Omni-Channel具体的な強化内容としては、SAPの持つインメモリープラットフォーム「SAP HANA」を活用し、顧客や在庫情報のリアルタイム化、分析・解析の高速化を図ります。マーケティングにおいては、収集したデータを分析・解析し、顧客の望むかたちで迅速に提供できるアジャイルマーケティングの実現を目指すといいます。セールス面では、顧客属性と売上状況のパフォーマンスなどを「見える化」させ、営業の効果や弱点などを見つける流れをつくり、これに対しマネジメント担当者が方向性を示せるようなツールやダッシュボードも合わせて提供していくと堀は説明しました。

SAP HANAのプラットフォーム上で、LOBをはじめマーケティングやコマース、セールスなどをひとまとめに、新たなソリューション「Customer Engagement & Commerce (CEC)」をつくるハイブリス。商品ラインナップも増強し、顧客やユーザーに付加価値の高いサービスの提供を目指す堀の意気込みが感じられました。

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【SAP All Cloud Connect レポート】最高の顧客体験を実現するオムニチャネル戦略

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