【JSUG Leaders Exchange Interview】 1カ月で約10万件の受注情報と40万人分のゴルフ場予約情報をSAP ERPで管理


Businesspeople Using Laptops「JSUG Leaders Exchange」(以下、JSUG LEX)の参加企業から、企業価値の向上に貢献する独自のデータ活用についてお聞きする連載企画。前回は、ECビジネスを支えるIT部門のミッション、具体的な分析手法などについてお話を伺いました。最終回となる今回は、株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン(以下、GDO)の矢口未知彦氏に、多くのSAPユーザーにとっての課題であるSAP ERPのデータ活用と、矢口氏ご自身が参加されてきたJSUG LEXの活動についてお聞きします(聞き手:SAPジャパン 濱本 秋紀)。

SAP ERPのビッグバン導入で、ECビジネスの経営情報も見える化

─GDOさんではSAP ERPを採用し、財務会計、管理会計、販売管理、在庫購買管理のモジュールを2011年7月にビッグバン導入されています。1年半にわたるプロジェクトでは、やはりご苦労もあったと思います。

矢口 それは大変だったと聞いています。ただ、私はプロジェクトの途中の2011年入社ですので、会計領域(FI/CO)と予算管理(SAP BPC)の要件確認や機能改変から関わりました。

─ECビジネスは売買の量がB2Bのビジネスと比較し桁違いに多く、大量のトランザクションが発生されますよね

矢口 はい、そうです。それ故にカットオーバー後の検証作業は大変でした。特にECまわりは返品管理などイレギュラーな取引もあるだけに想定外のトラブルも出ました。その際はワークフローで修正依頼を上げてもらいながら、順次システムに組み込んでいきました。

─SAP ERPからDWHであるSAP IQへのデータの取り込みは、どのタイミングで行っているのですか。

矢口 前日分のデータを日次バッチでSAP IQに取り込んでいます。

─SAP IQに蓄積されていくデータは、1カ月でどの程度増えるか教えていただいてもいいですか。

矢口 現在は月間1.5億PV※程度で、SAP IQの8割がログデータですから、データ量もその程度になると思います。ちなみにSAP ERPだけで見ると、2014年10月31日現在で約700万件の会計伝票、伝票明細でいうと約1,900万レコードが2014年単年の明細ということになります。

─SAP ERPの明細検索はどのようにしていますか。

矢口 基本的に経理担当者はSAP ERPしか使わないので、明細はすべてSAP ERPの中にあり、ERPから直接検索します。期末などで、どうしても明細レポートが必要な場合などは、DWHのSAP IQのデータを私が集計して、経理担当者に渡すようにしています。ただし、経理部門が全明細を見る機会はほとんどなく、かつレポートを出すのも3カ月に1回程度なので、目立った問題はありません

─2011年7月にSAP ERPが本稼動してから、現在まで約3年が経ちましたが、データはSAP ERPのデータベースに蓄積されたままということですか。

矢口 そうです。特にアーカイブなどもしていません。経理担当者はいつでもERPの中のデータを見られるようになっています。

─GDOさんのサイトからの購買量は、月平均でどれくらいあるのでしょうか。

矢口 ECだと出荷ベースの受注が1カ月で10万件程度です。ゴルフ場の予約についてはプレー人数で手数料をもらっていますが、件数ベースでの実績が1カ月で10万件程度。1件の予約で4人のプレーヤーが行くと4人分になるので、プレー人数ベースで月間約40万件ということになりますね。

—私もゴルフが好きでGDOさんを利用させていただいています。ゴルファーの大量な売買の裏でSAP ERPが動いているのをお聞きすると大変うれしく思います。ありがとうございます。

IT部門のあり方について深く議論するJSUG LEXの知見

─矢口さんは昨年度、JSUG LEXに1年を通じて参加されました。動機は何だったのでしょうか。

矢口 GDOの前職がコンサルティング会社で、その時は社外のクライアントと話す機会が常にあったのですが、GDOの情報活用推進部ではその機会がありません。外の空気を吸うことも重要ですし、ITに関わっている最前線の方が今どのような課題を抱えていて、どのように立ち向かっているのかを知りたいと思って参加を決めました。

─参加してSAPユーザーとの接点が増えた感想はどうでしたか。

矢口 率直なところ、企業のIT部門は大変という思いが強くなりました。JSUG LEXに参加している企業とGDOでは、IT部門の位置付けが若干異なるようです。インターネットをメインとしているGDOの生きる道はデータ活用しかありませんので、周囲の部署からIT部門が厄介者のように見られることはありません。それに比べて、社内から管理部門やコストセンターとして見られがちな他の企業のIT部門の位置付けは、なかなか難しい面があると感じました。ただ、JSUG LEXに集まる人は、何とかしてその意識を変えていこうとする思いのある熱い方、やる気のある方が多かったので触発されました。

─JSUG LEXに関しては、IT専門というよりIT企画やIT運用を担当している参加者が多いので、ハードルも高くなかったのではと思います。

矢口 確かに経営に近いところで考えている方が多かったですね。最初はSAPマニアの人ばかりの集まりではないかと思っていましたが、逆に私のほうがSAPのテーブルやトラザクションにくわしいのではないかというくらいでした。ですから、参加者の問題意識はとてもよく理解できましたし、私の話も理解していただける。コミュニケーションも非常に活発で、その意味では活動している人たちから大いに刺激を受けることができて満足しています。

─貴重なお話、ありがとうございました。

■略歴
矢口未知彦(やぐち・みちひこ)氏
株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン
情報活用推進部
DB開発・行動分析チーム

download_20141114_1032572002年大学卒業後、国内独立系コンサルティングファームに入社。経営管理(財務会計・管理会計)、原価管理、生産管理、営業改革等のプロジェクトを実施。2011年に株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン入社後、情報活用推進部にてSAP ERP及びBPCの導入・運用を手掛け、現在は同部署にてKPI設計、データ分析、行動マーケティングに従事。

 

 

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