意外に見落とされがちな間接材のコストを最適化。バイヤーとサプライヤーのグローバルネットワークがもたらすメリットとは?


Hispanic carpenter using cell phone and digital tabletこんにちは、SAPジャパンの渋谷です。一般的に企業で使われている文具や家具、工場で使う軍手やヘルメット、電動機器、切削工具、補修材、研究所で使うビーカーや実験設備、試薬などの間接材は、直接材と比べて金額は小さく、商品の種類も多いため、小売店や販売代理店などから少しずつ・何回も購入するケースがよく見られます。そのため、間接材についてはコスト意識が薄くなり、購買ルートも透明性がなくなってしまいがちではないでしょうか。

SAPでは購買情報を誰でも見えるようにしてひとまとめにするソリューションとして、支出分析、調達、契約、カタログ、購買、請求・支払などの業務をクラウドベースで実現するAriba Commerce Cloud(アリバ・コマース・クラウド)を提供しています。世界中の155万社の企業とネットワークでつながっているAriba Commerce Cloudによって、バイヤー企業側には間接材の調達コストの削減、サプライヤー企業側には新しいビジネスの拡大というメリットをもたらします。

コスト削減、購買プロセスの改善、リスクの最小化を実現する購買ソリューション

Ariba Commerce Cloudは、買い手であるバイヤーと、売り手のサプライヤーの双方が利用できるクラウドベースのソリューションです。プラットフォームをバイヤーとサプライヤーのそれぞれに提供し、効果的なコスト削減をお手伝いします。以下で、いくつかピックアップしてご紹介します。

バイヤーのコスト削減に役に立つのが「e-調達ソリューション(Ariba Sourcing)」です。新しいサプライヤーの発見から契約交渉、落札条件の決定、コスト削減管理まで、調達業務に関するライフサイクルを支援します。また、世界で73万社以上ものサプライヤーと接続しているため、サプライヤー同士で価格競争が起こり、その中から高い品質でコストメリットの高いサプライヤーが、短い期間で見つけ出すことができます。バイヤーは、Aribaに蓄積された調達に関するノウハウを自社に取り込むことで、調達業務のプロセスを改善し、標準化・効率化を進めていくことができます。

間接材の購買においては、「P2Pソリューション(Ariba Procure-to-Pay)」を利用することで、申請書類の作成から支払い、請求照合まで、すべてのプロセスを同じインターフェースで管理することができます。バイヤーは、サプライヤーの電子カタログを見ながらオンライン上で発注処理を完了することができます。

調達コスト削減に役立つのが、支出分析の機能を備えた「支出分析ソリューション(Ariba Spend Visibility)」です。一般の家庭で使う「家計簿」と同じようなもので、どこで、誰が、何を、どれだけの数を買い、どれだけのお金を払っているかを分析するためのものです。これによってすべての支出を見える化し、コスト最適化の検討に役立ちます。支出の見える化によりコンプライアンス強化につながるため、リスクの最小化を実現します。また、注文書など支出に関するデータを集約し、Aribaネットワークに参加するサプライヤーが公表する価格などを分析・分類することで、購買コストを抑えます。

「資金管理」の機能として、注文書やインボイスをもとに請求を起こすことで請求のミスをなくして精度を向上させる「請求管理ソリューション」や、サプライヤーへの支払通知などが行える「支払管理ソリューション」も用意しています。そのほかにも、契約情報を一元管理する機能、サプライヤーを一元管理する機能などを備えたソリューションを用意して、調達コストを下げるお手伝いをします。

見落とされがちなサービス商材のコスト削減とコンプライアンスの徹底

間接材の調達というと、まず文房具、工具、家具などの消耗品を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。物品関係の購買点数はたくさんあり過ぎて、管理の手間もそれなりにかかります。中でもコスト的に大きなウェイトを占めている間接材がサービス商材です。サービス商材には人材派遣会社に払うお金のほか、リース、コンサルティング、マーケティング、印刷サービス、通信、交通費・出張費なども含まれます。これらに関しては、担当する部門が社内の購買・調達部門ではなかったり、総務部門などが片手間で管理していたりすることが多くあります。実際、その裏では見えないコストが発生していたり、別の部署で知らずに管理していたりするため、サービスごとに価格のばらつきが生まれていることがよくあります。さらにサービス商材は、一般的な競争原理が働きにくく、慣習による随意契約が続いていたり、不正や癒着を招いていたりするケースもあります。コンプライアンスを守る意味でも、サービス商材に応じた購買規定をプロセスに適用しておきたいところです。

とりわけ人材派遣は、サービス商材の中でも最も大きなコストを占める購買商材のひとつです。人材派遣サービスは、各部門で利用するケースが多く、同じサービスを利用していながらも調達コストにばらつきがあることがよくあります。こうした場合も、コストの平準化を図ったり、別の人材派遣会社を探してみたりすることで、コストの最適化が図れるかもしれません。

ハリケーン・サンディ発生時、救援物資を素早く調達したアメリカ赤十字

実際、Ariba Commerce Cloudを使って成果を上げた例は、国内外のさまざまな業種から報告されています。ここでは、効率的なサプライチェーン管理を実現し、災害支援に貢献したアメリカ赤十字社を紹介しましょう。

赤十字のサプライチェーンの大きな特徴は「先だって計画・予測することはできない」という点にあります。2012年10月に発生したハリケーン・サンディのような大災害もあれば、1軒の火事のようなものもあります。しかし、ハリケーンがどのくらいの被害をもたらすか、いつどこで発生するかは誰にもわかりません。そのため、災害発生時にすぐ対応できる特殊なサプライチェーンが必要なのです。赤十字はAriba Commerce Cloudを採用し、調達と配達の両方ですべての発注、カタログ、サプライヤー管理、契約管理を行っています。

アメリカ赤十字では、創立以来130年以上にわたって紙と電話を使い、手作業で調達を行ってきました。それがAribaを導入したことで、これまで取引がなかったサプライヤーを含めて、全米のあらゆるサプライヤーに一斉にコンタクトできるようになり、スピーディーかつ低コストでの調達が可能になりました。Aribaは、アメリカ赤十字のように予測ができない、または予測が難しいサプライチェーンも支援します。あらかじめ多くのサプライヤーとカタログを登録しておくだけで、災害が発生した際に支援物資・サービスを供給できるサプライヤーをピックアップし、できるだけ多くの数量を、いつまでに、どこまで届けるかをネットワーク上で指定していくだけですぐに発注ができます。

2012年のハリケーン・サンディでは、ハリケーンが上陸してから72時間の間にトラック471台分の物資を被災地域にある倉庫に運び込み、また515枚もの発注書をAriba経由で発行しました。そして、避難宿泊所にのべ8万1,000泊、食事や軽食1,700万食、衣類や毛布などの「応急パック」を700万セット、そしてボランティアと社員をのべ1万7,000人も動員しています。しかも、これらすべての輸送がオンラインでたった数時間のうちに把握できました。

非常事態にも対応するサプライチェーンを運用管理する立場からみると、何を、どこへ、いくつ発送したか、それがどこまで届いているのか、を把握することが非常に重要です。ITスタッフはAribaの画面からその物資を手配したサプライヤーを確認して、トラック運転手の携帯電話に連絡を入れて、配送状況を確認しながら指示を出すことでスピーディーな手配も実現しました。

以上、今回は主にAriba Commerce Cloudによってもたらされるバイヤー側のメリットを中心にご紹介しました。次回はサプライヤー側のメリットにフォーカスしてみたいと思います。

 参考記事:「予測不可能なサプライチェーン」をアリバ・ネットワークで構築、被災者支援に即応するアメリカ赤十字

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