人事の“攻めと守り”を強くする次世代システム──統合人事クラウド「SAP SuccessFactors」が選ばれる理由
人事部門の「守り」と「攻め」を強化する一手として、多くのお客さまが活用しているフルクラウドサービス「SAP SuccessFactors」─。なぜ、このサービスが選ばれるのか。その理由を、SAPジャパンが展開中のWebセミナー『「攻めと守りの人事」を実現する次世代型の人事システムの選び方』の内容を踏まえながら、ご紹介します。

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ところが、人材の確保や有効活用を担うべき人事部門は、その多くが、法改正への対応や労務管理、さらには給与の計算・支払いといった定型業務に追われ、人材活用といった「攻め」の施策にまで手が回らない状況が続いています。
そうした人事部門が直面している課題を、本稿冒頭で紹介したWebセミナー『「攻めと守りの人事」を実現する次世代型の人事システムの選び方』(以下、「セミナー」と略す)では、以下の6つに集約しています。
(1)タレントマネジメントの不在:社内のどの部門・部署・拠点に、どのようなスキル・経験・才能を持った人材がいるかが把握できていない。
(2)場当たり的な人事考課:人事考課が場当たり的で、かつ公正・公平・経年での人事評価が行えていない。
(3)確立された人材開発手法の不在:技術者や専門知識を持つ社員のスキル管理、能力開発/育成の方法が確立されていない。
(4)非効率な業務プロセス:紙や表計算ソフト(Excel)中心のオペレーションによって、データの多重入力など、手間がかかり非効率な業務を多く発生させている。
(5)業務の属人化:業務プロセスが属人化し、人の異動・退職による業務の混乱が発生しがちになっている。
(6)法改正対応コストの高止まり:法改正にシステム側が柔軟に対応できず、対応コストが高止まりしている。
言うまでもなく、これら6つの課題を抜本的に解決しないかぎり、人事の「攻め」と「守り」を強化することはまず不可能です。
では、どうすればこれらの課題を一挙に解決できるのでしょうか。以下、セミナーで示した解決策のエッセンスを紹介しましょう。
したがって、人事にかかわるあらゆる業務プロセス/データをワンプラットフォーム上で一体化させることが問題解決のカギとなります。また、そうすることで、定型業務の効率化という“守り”の強化と、人材の戦略的な育成/活用という“攻め”の強化が可能になるのです。
実際、SAPの、あるお客さまは、業務単位でバラバラだった人事のシステムを、すべてSAPのクラウドサービス「SAP SuccessFactors」に集約しました(図1)。

図1:人事における攻守のシステムを一つにまとめ上げた例
この変更により、人・組織にかかわる情報を、人事部門が一元的に管理しながら、さまざまな切り口で経営陣・現業部門のリーダー・一般社員と共有することが可能になり、人材活用の戦略性が高まっています。また、人事システムの利便性も向上し、社員の目標管理や、社員による各種申告手続き(住所変更・年末調整などの申告手続き)の合理化・ペーパレス化も実現しています。加えて、給与計算から人材情報管理(タレントマネジメント)に至るまで、人事にかかわるあらゆる業務が効率化されたといいます(図2)。

図2:人事システムの統合化で、お客さまが手にした効果の例

図3:SAP SuccessFactorsの機能構成
この図に示すとおり、SAP SuccessFactorsは、人事の定型管理業務と戦略業務に必要な機能を網羅的に提供するクラウドサービスです。人材に関する多岐にわたる情報を一元管理する人材情報データベースを中心にしながら、コアの人事業務や要員計画/要因分析を支援するサービスを提供しています。
それらのサービスを使うことで、人事部門は、必ず遂行すべき管理業務と戦略的なタレントマネジメントの双方を単一のクラウドプラットフォーム上で行えるようになります。しかも、SAP SuccessFactorsでは、段階的にサービスを追加していくことが可能です。そのため、人事関連システムの統合化とクラウドへの移行を、自社の状況やニーズに合わせて徐々に段階的に進めていくことができるのです。
まず、SAP SuccessFactorsは、人事部門だけが利用するシステムではなく、全社員が利用する人事システムです。扱う情報の中には、個人のパーソナルデータ(住所・家族)や給与明細など、本人とその上司・人事部門にしかオープンにできないような情報も含まれます。そのため、参照・編集できる情報や使えるサービスは、部門・部署・職位・職務などによって厳格にコントロールされます。
SAP SuccessFactorsは、こうした統制の中で、人事担当者を含む企業の全社員が、自分たちに必要な人事の情報/サービスにアクセスし、人事・人材にかかわる業務を高効率に回せる仕組みを実現するのです。
例えば、画面1は、ある営業部門のマネジャー(部門長)が、SAP SuccessFactorsにログインした際の初期画面例です。

画面1:営業部門長に向けたSAP SuccessFactorsのトップページ例

この画面は、当該マネジャーの「マイページ」でもあり、そのマネジャーが自分の組織を率いていくうえで必要な人事・人材の情報/サービスが、タイル形式でビジュアルに表示されます。
このタイルの中から、例えば、「組織図」を選択するとします。すると、画面2のような組織チャートが表示されます。
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画面2:SAP SuccessFactorsの組織チャートの例
このチャートは、自分の上司や、直下の部下、さらには、その部下の部下たちを直感的にとらえられるようにする仕組みです。ここから各人材のさまざまな情報を確認していくことができます。また、このページでは、人の名前をキーにして、別事業部の人材を検索することも可能になっています。
SAP SuccessFactorsのマイページからは、自分の情報にアクセスして住所変更などのデータ更新を行うことも可能であり、情報を変更した時点で、そのまま会社に対する住所変更の申告や承認申請を出すことができます。また、自分の給与明細や源泉徴収票も確認できるほか、扶養控除などの申告もペーパレスで行えます(画面3)。

画面3:SAP SuccessFactorsでの給与明細の確認画面例
社員の給与計算で手間のかかる作業の一つは、毎年のように行われる法改正への対応です。SAPでは、お客様による法改正対応の負担を可能なかぎり低減するために、人事制度の専門家に法改正の動きとその中身をキャッチアップさせ、法改正をSAP SuccessFactorsに即座に取り込む体制を敷いています。
これにより、お客様が法改正に対応する手間/コストは大きく低減されます。
また、SAP SuccessFactorsの人材情報データベースでは、社員ごとの社会保険や住民税、さらにはマイナンバーの管理が一元的に行えるほか、データベースの情報から直接的に給与を自動計算する仕組みになっています。
実のところ、国産の人事・給与パッケージでは、多くの場合、人事情報のデータベースから給与計算に必要なデータを取り出して、給与計算用のマスタや中間テーブルを別途作る設計になっています。SAP SuccessFactorsを活用することで、そうした中間テーブル作成の手間も不要にでき、かつ設定に煩わされることもなくなるわけです。さらに、給与計算後の銀行振り込みや社会保険の政府機関への届出もSAP SuccessFactors上で済ませられるようになっています。
このほか、給与計算の業務では、計算ミスのチェックも入念に行う必要がありますが、SAP SuccessFactorsでは、給与計算の実行段階でミスをチェックし、ミスの発見時にはそれを担当者に通知する機能も備えています。
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では、SAP SuccessFactorsによるタレントマネジメントとは、実際にどのようなものなのでしょうか。
言うまでもなく、SAP SuccessFactorsにおけるタレントマネジメントの土台は、人材情報データベースです。
先にも述べたとおり、このデータベースでは人材に関する多岐にわたる情報が管理され、それを基に人事部門や現場のマネジャーは、社員/部下の経歴、資格、入社時の評価、コミュニケーション能力、モチベーション、スキル、目標・業績などを一挙に把握し、人材育成や活用の戦略に活かしていくことができます。

画面4:上司による部下のタレントマネジメント画面例
また、SAP SuccessFactorsを使うことで、部下の目標設定/評価(人事考課)のプロセスもシンプルになり、管理も容易になります。
今日、こうした人事考課のプロセスを、Excelなどの表計算ソフトを使って回している企業が依然として多く見受けられます。
例えば、人事部門が、Excelを用いて人事考課票のフォームを作り、各部門・部署のマネジャーにメールで配布する。それを受け取ったマネジャーが、そのフォームを用いて部下たちの目標設定や評価を行う、といったかたちです。
もちろん、目標設定/評価を終えたマネジャーは、部下たちの人事考課票を集めて人事部門にメールで送り、人事部門がその内容をチェックして、管理していくことになります。仮に、従業員1,000人の企業であれば、人事部門は1,000個のExcelファイルを厳重に管理していく必要があるということです。
このような人事考課のプロセスは非常に煩雑で、ファイルのハンドリングだけで、現場のマネジャーと人事部門の双方に相応の負荷をかけます。また、ファイルによって個々人の目標や評価を管理していると、例えば、マネジャーが、部下の目標/評価を必要に応じて取り出して確認するのにも手間がかかり、部下の評価を時系列でとらえようとすると、その手間はさらに膨らみます。加えて言えば、目標の達成度合いを確認するのも容易ではないはずです。
それに対し、SAP SuccessFactorsによる人事考課では、Excelファイルの送受のような手間のかかる作業を行う必要はありません。オンライン上のページを使って目標の設定や評価を行い、結果はすべて人材情報データベースによって一元管理されます(画面5/6)。そのため、各現場のマネジャーや人事部門は、部下/社員たちの目標を適宜参照しながら、目標達成の進捗度を確認したり、部下/社員のこれまでの評価がどうだったのか、どのような成果を上げてきたのかを時系列でとらえたりするのが簡単になるのです。
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画面5:SAP SuccessFactorsの目標管理画面例

画面6:SAP SuccessFactorsによる人事評価画面例
SAP SuccessFactorsでは、タレントマネジメントの機能の一つとして、「後継者管理」と呼ばれる機能を提供しています。これは例えば、部門・部署のマネジャーが、自分の後継者として誰が適任かを検討したり、後継者にしようとしている人材に足りていないスキルや能力を明らかにし、育成のプランを描いたりするための仕組みです。
この機能を使うことで、現場のマネジャーは、自分の職務や役割をこれから担うのに適した人材をシステム(SAP SuccessFactors)に探させることができます。また、自分で絞り込んだ候補を、横並びで評価するのも簡単です(画面7)。

図7:SAP SuccessFactorsによる後継者候補の横並び評価の画面例
こうした評価を進める中では、自分の後継候補や一層のキャリアップを目指して欲しい人材に、どのようなスキル/能力が足りていないかも明確に見えてきます。それによって、目的を持った人材育成・開発のプランを立てることが可能になるのです。
以上のように、SAP SuccessFactorsには、人事部門の定型業務の効率化と戦略的な人材活用のために必要な機能がそろっています。人事の攻めと守りを一挙に強化するにはこうした仕組みが必要であり、それを使うことが、人材のパワーを、企業の次の成長・発展へと結び付ける早道と言えるのではないでしょうか。
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人事部門が直面する課題
企業の成長・発展の原動力は人材です。“優秀な人材”がいて、その能力をいかんなく発揮している企業が“優秀な企業”と呼ばれ、強さを発揮しています。その意味で、人材戦略は経営戦略そのものといえ、優秀な人材の有効活用や獲得に成功することは、企業の成功と同義と見なせます。ところが、人材の確保や有効活用を担うべき人事部門は、その多くが、法改正への対応や労務管理、さらには給与の計算・支払いといった定型業務に追われ、人材活用といった「攻め」の施策にまで手が回らない状況が続いています。
そうした人事部門が直面している課題を、本稿冒頭で紹介したWebセミナー『「攻めと守りの人事」を実現する次世代型の人事システムの選び方』(以下、「セミナー」と略す)では、以下の6つに集約しています。
(1)タレントマネジメントの不在:社内のどの部門・部署・拠点に、どのようなスキル・経験・才能を持った人材がいるかが把握できていない。
(2)場当たり的な人事考課:人事考課が場当たり的で、かつ公正・公平・経年での人事評価が行えていない。
(3)確立された人材開発手法の不在:技術者や専門知識を持つ社員のスキル管理、能力開発/育成の方法が確立されていない。
(4)非効率な業務プロセス:紙や表計算ソフト(Excel)中心のオペレーションによって、データの多重入力など、手間がかかり非効率な業務を多く発生させている。
(5)業務の属人化:業務プロセスが属人化し、人の異動・退職による業務の混乱が発生しがちになっている。
(6)法改正対応コストの高止まり:法改正にシステム側が柔軟に対応できず、対応コストが高止まりしている。
言うまでもなく、これら6つの課題を抜本的に解決しないかぎり、人事の「攻め」と「守り」を強化することはまず不可能です。
では、どうすればこれらの課題を一挙に解決できるのでしょうか。以下、セミナーで示した解決策のエッセンスを紹介しましょう。
攻守一体型のシステムに切り替える
先に示した6つの課題は、大多数が人事におけるシステム化の遅れ、あるいはシステム上の不備に起因した問題と見なすことができます。より具体的に言えば、人事(人事情報管理)・組織・給与・評価・・研修・採用など、人事の業務プロセスごとにバラバラのシステム/ツールが使われていて、業務単位でデータが分断していることに問題の原因があると言えます。したがって、人事にかかわるあらゆる業務プロセス/データをワンプラットフォーム上で一体化させることが問題解決のカギとなります。また、そうすることで、定型業務の効率化という“守り”の強化と、人材の戦略的な育成/活用という“攻め”の強化が可能になるのです。
実際、SAPの、あるお客さまは、業務単位でバラバラだった人事のシステムを、すべてSAPのクラウドサービス「SAP SuccessFactors」に集約しました(図1)。

図1:人事における攻守のシステムを一つにまとめ上げた例
この変更により、人・組織にかかわる情報を、人事部門が一元的に管理しながら、さまざまな切り口で経営陣・現業部門のリーダー・一般社員と共有することが可能になり、人材活用の戦略性が高まっています。また、人事システムの利便性も向上し、社員の目標管理や、社員による各種申告手続き(住所変更・年末調整などの申告手続き)の合理化・ペーパレス化も実現しています。加えて、給与計算から人材情報管理(タレントマネジメント)に至るまで、人事にかかわるあらゆる業務が効率化されたといいます(図2)。

図2:人事システムの統合化で、お客さまが手にした効果の例
SAP SuccessFactorsが提供する機能
では、上述したようなお客様の成功を生んだ、SAP SuccessFactorsとは具体的にどのような仕組みなのでしょうか。その全体概要を示したのが図3です。
図3:SAP SuccessFactorsの機能構成
この図に示すとおり、SAP SuccessFactorsは、人事の定型管理業務と戦略業務に必要な機能を網羅的に提供するクラウドサービスです。人材に関する多岐にわたる情報を一元管理する人材情報データベースを中心にしながら、コアの人事業務や要員計画/要因分析を支援するサービスを提供しています。
それらのサービスを使うことで、人事部門は、必ず遂行すべき管理業務と戦略的なタレントマネジメントの双方を単一のクラウドプラットフォーム上で行えるようになります。しかも、SAP SuccessFactorsでは、段階的にサービスを追加していくことが可能です。そのため、人事関連システムの統合化とクラウドへの移行を、自社の状況やニーズに合わせて徐々に段階的に進めていくことができるのです。
SAP SuccessFactorsの実際
SAP SuccessFactorsの全体像をご理解いただいたところで、このシステムが実際にどのように動くかの例をご覧いただくことにしましょう。まず、SAP SuccessFactorsは、人事部門だけが利用するシステムではなく、全社員が利用する人事システムです。扱う情報の中には、個人のパーソナルデータ(住所・家族)や給与明細など、本人とその上司・人事部門にしかオープンにできないような情報も含まれます。そのため、参照・編集できる情報や使えるサービスは、部門・部署・職位・職務などによって厳格にコントロールされます。
SAP SuccessFactorsは、こうした統制の中で、人事担当者を含む企業の全社員が、自分たちに必要な人事の情報/サービスにアクセスし、人事・人材にかかわる業務を高効率に回せる仕組みを実現するのです。
例えば、画面1は、ある営業部門のマネジャー(部門長)が、SAP SuccessFactorsにログインした際の初期画面例です。

画面1:営業部門長に向けたSAP SuccessFactorsのトップページ例

この画面は、当該マネジャーの「マイページ」でもあり、そのマネジャーが自分の組織を率いていくうえで必要な人事・人材の情報/サービスが、タイル形式でビジュアルに表示されます。
このタイルの中から、例えば、「組織図」を選択するとします。すると、画面2のような組織チャートが表示されます。
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画面2:SAP SuccessFactorsの組織チャートの例
このチャートは、自分の上司や、直下の部下、さらには、その部下の部下たちを直感的にとらえられるようにする仕組みです。ここから各人材のさまざまな情報を確認していくことができます。また、このページでは、人の名前をキーにして、別事業部の人材を検索することも可能になっています。
SAP SuccessFactorsのマイページからは、自分の情報にアクセスして住所変更などのデータ更新を行うことも可能であり、情報を変更した時点で、そのまま会社に対する住所変更の申告や承認申請を出すことができます。また、自分の給与明細や源泉徴収票も確認できるほか、扶養控除などの申告もペーパレスで行えます(画面3)。

画面3:SAP SuccessFactorsでの給与明細の確認画面例
SAP SuccessFactorsによる給与計算の実際
SAP SuccessFactorsでは、人事担当者による社員の給与管理・計算の業務も合理化します。社員の給与計算で手間のかかる作業の一つは、毎年のように行われる法改正への対応です。SAPでは、お客様による法改正対応の負担を可能なかぎり低減するために、人事制度の専門家に法改正の動きとその中身をキャッチアップさせ、法改正をSAP SuccessFactorsに即座に取り込む体制を敷いています。
これにより、お客様が法改正に対応する手間/コストは大きく低減されます。
また、SAP SuccessFactorsの人材情報データベースでは、社員ごとの社会保険や住民税、さらにはマイナンバーの管理が一元的に行えるほか、データベースの情報から直接的に給与を自動計算する仕組みになっています。
実のところ、国産の人事・給与パッケージでは、多くの場合、人事情報のデータベースから給与計算に必要なデータを取り出して、給与計算用のマスタや中間テーブルを別途作る設計になっています。SAP SuccessFactorsを活用することで、そうした中間テーブル作成の手間も不要にでき、かつ設定に煩わされることもなくなるわけです。さらに、給与計算後の銀行振り込みや社会保険の政府機関への届出もSAP SuccessFactors上で済ませられるようになっています。
このほか、給与計算の業務では、計算ミスのチェックも入念に行う必要がありますが、SAP SuccessFactorsでは、給与計算の実行段階でミスをチェックし、ミスの発見時にはそれを担当者に通知する機能も備えています。
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SAP SuccessFactorsによるタレントマネジメントの実際
以上のように、SAP SuccessFactorsの働きによって、人事部門の定型業務は大幅に効率化され、それによって、タレントマネジメントなどの戦略的な業務、つまりは“攻め”の人事により多くの人的・時間的リソースを投入することが可能になります。では、SAP SuccessFactorsによるタレントマネジメントとは、実際にどのようなものなのでしょうか。
言うまでもなく、SAP SuccessFactorsにおけるタレントマネジメントの土台は、人材情報データベースです。
先にも述べたとおり、このデータベースでは人材に関する多岐にわたる情報が管理され、それを基に人事部門や現場のマネジャーは、社員/部下の経歴、資格、入社時の評価、コミュニケーション能力、モチベーション、スキル、目標・業績などを一挙に把握し、人材育成や活用の戦略に活かしていくことができます。

画面4:上司による部下のタレントマネジメント画面例
また、SAP SuccessFactorsを使うことで、部下の目標設定/評価(人事考課)のプロセスもシンプルになり、管理も容易になります。
今日、こうした人事考課のプロセスを、Excelなどの表計算ソフトを使って回している企業が依然として多く見受けられます。
例えば、人事部門が、Excelを用いて人事考課票のフォームを作り、各部門・部署のマネジャーにメールで配布する。それを受け取ったマネジャーが、そのフォームを用いて部下たちの目標設定や評価を行う、といったかたちです。
もちろん、目標設定/評価を終えたマネジャーは、部下たちの人事考課票を集めて人事部門にメールで送り、人事部門がその内容をチェックして、管理していくことになります。仮に、従業員1,000人の企業であれば、人事部門は1,000個のExcelファイルを厳重に管理していく必要があるということです。
このような人事考課のプロセスは非常に煩雑で、ファイルのハンドリングだけで、現場のマネジャーと人事部門の双方に相応の負荷をかけます。また、ファイルによって個々人の目標や評価を管理していると、例えば、マネジャーが、部下の目標/評価を必要に応じて取り出して確認するのにも手間がかかり、部下の評価を時系列でとらえようとすると、その手間はさらに膨らみます。加えて言えば、目標の達成度合いを確認するのも容易ではないはずです。
それに対し、SAP SuccessFactorsによる人事考課では、Excelファイルの送受のような手間のかかる作業を行う必要はありません。オンライン上のページを使って目標の設定や評価を行い、結果はすべて人材情報データベースによって一元管理されます(画面5/6)。そのため、各現場のマネジャーや人事部門は、部下/社員たちの目標を適宜参照しながら、目標達成の進捗度を確認したり、部下/社員のこれまでの評価がどうだったのか、どのような成果を上げてきたのかを時系列でとらえたりするのが簡単になるのです。
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画面5:SAP SuccessFactorsの目標管理画面例

画面6:SAP SuccessFactorsによる人事評価画面例
SAP SuccessFactorsでは、タレントマネジメントの機能の一つとして、「後継者管理」と呼ばれる機能を提供しています。これは例えば、部門・部署のマネジャーが、自分の後継者として誰が適任かを検討したり、後継者にしようとしている人材に足りていないスキルや能力を明らかにし、育成のプランを描いたりするための仕組みです。
この機能を使うことで、現場のマネジャーは、自分の職務や役割をこれから担うのに適した人材をシステム(SAP SuccessFactors)に探させることができます。また、自分で絞り込んだ候補を、横並びで評価するのも簡単です(画面7)。

図7:SAP SuccessFactorsによる後継者候補の横並び評価の画面例
こうした評価を進める中では、自分の後継候補や一層のキャリアップを目指して欲しい人材に、どのようなスキル/能力が足りていないかも明確に見えてきます。それによって、目的を持った人材育成・開発のプランを立てることが可能になるのです。
以上のように、SAP SuccessFactorsには、人事部門の定型業務の効率化と戦略的な人材活用のために必要な機能がそろっています。人事の攻めと守りを一挙に強化するにはこうした仕組みが必要であり、それを使うことが、人材のパワーを、企業の次の成長・発展へと結び付ける早道と言えるのではないでしょうか。
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