なぜ エクスペリエンスが重要なのか~Why Experience Matters?
なぜエクスペリエンスが重要なのか。人の体験から生まれる“想い”を価値にするにはどうすればよいのかをご説明いたします。

IT業界のみならずビジネスの現場においても、その重要性が活発に議論され始めてきたのが、ここ10年ぐらいのことでしょうか。
少子高齢化が加速する日本。これからの企業の行く手には、市場の縮小や労働人口の減少に加え、企業自体の高齢化によるナレッジ継承の問題など、さまざまな課題が立ちふさがっています。
これらの壁を乗り越え、企業活動を継続していくためには、新しい視点から生まれる変化が必要です。
そんな今、注目されているのが、顧客や従業員の体験、想いを根幹に据えて、サービスや製品を開発するという発想です。
”カスタマー”エクスペリエンスや”ユーザー”エクスペリエンスというキーワードで、商品やサービス自体の金銭的価値ではなく、それらの購入や利用過程とその体験を通じて、「消費者に対しポジティブな感覚的価値・体験をいかに提供できるか」が、競合との差別化施策として意識されるようになりました。
主にはB2Cとしての消費者にスポットがあたってきましたが、広義に捉えれば企業活動において優れた“感覚的価値や体験”を与えるべき対象としては顧客以外にもサプライヤーや従業員なども、ビジネスの成果を最大化するという観点から当然挙げられることができるでしょう。
また、“顧客”のエクスペリエンスについては、B2Cのみならず、B2B、B2B2Cを通して顧客の全てのタッチポイントとしてのカスタマーエクスペリエンス、ブランドに対する知名度や好意度といった観点からのエクスペリエンス、製品やサービスから直接得られるエクスペリエンスに細分化して考えた方が、より実態に即した適切なエクスペリエンスを提供できるかもしれません。
ここで、エクスペリエンスの優劣が経営に与えるインパクトをいくつかご紹介いたします。
<エクスペリエンスが経営に与えるインパクト>
1. 86% の消費者は、良いエクスペリエンスの結果、より多く購入をする傾向がある
→ 売上向上
2. 新製品開発に成功した96%の企業は製品コンセプトテストを実施しているが、その内約半数しか定期的に行っていない(プロダクトエクスペリエンスの把握不足)
→ 新製品開発の成功率の低下
3. 好きだったブランドでも、たった一度の悪い体験で1/3の顧客がそのブランドから離れていく
→ ブランド好意度、ロイヤルティの低下
4. 従業員満足度調査の結果を基に企業内プロセスや働き方に改善が見られた(良い従業員エクスペリエンス)と感じる従業員は、そうでない従業員と比べて、4倍離職率が低い
→ 優秀な人財の維持
ご覧いただいたように、エクスペリエンスの優劣が与える経営へのインパクトは決して小さいものではなく、優先度の高い戦略的取り組みだと言えます。
一方で、企業は売上や発生コストの状況、また生産やサービス提供活動の状況に応じて、様々な改善活動も常に行っています。つまり日々のオペレーションで発生する業務データ(= 何が起こったのか )に対する分析に基づいた改善策を実行しているのです。では、顧客/社員の声と業務データを結びつけて改善のオペレーションを日常的に行なっている企業はどれぐらいいらっしゃるでしょうか?
顧客/社員の声とは、それがポジティブなものであろうが、ネガティブであろうが、「なぜそう思ったのか」という生々しいデータと言えます。つまり、そこには”なぜ?“起こったのかという、改善策をたてるにあたって最も重要なヒントが隠されているのです。”なぜ?“を日々のオペレーションに取り込まずに改善策を模索しているのは、過去の成功体験または企業側の想像に基づくもので、人々の思考・行動に多様性や激しい変化が見られる現代においては、もはや成功確率がどんどん下がっていく非効率なやり方かもしれません。
これまで企業は、業務データ(Operational Data。以下Oデータ)を基にPDCA(Plan Do Check Act)サイクルをまわしてきましたが、その前段階として、エクスペリエンスデータ(Xperience Data。以下Xデータ)をつぶさに取り込むことが、改善の成功確率を高める最善策と考えられるのではないでしょうか。

Qualtrics社は、2019年1月の買収完了を経て、新たなSAPファミリーの一員となりました。
Qualtricsは、(1)顧客の声を収集し、(2)そこからインサイトを抽出・提示、(3)改善アクションを促すためのエクスペリエンスマネジメントプラットフォームを提供しています。(Qualtricsの詳細については、こちらをご参照ください)

では具体的にどのように業務が変革するのか、カスタマーサービス業務を例にとってご紹介したいと思います。下記の動画をご覧ください。
ご覧いただいた動画では、Dosch社のカスタマーサービス担当であるマシューが取ったアクションをそれぞれで関連するXデータ (Qualtricsのデータ) とOデータ (SAP Service Cloud のデータ)に分類して整理すると下記のようになります。
なぜ? を示すXデータと何が?を示すOデータを、マシューのように組み合わせることで、問題の真の根本原因の特定から、それを改善するためのアクションまで淀みない一気通貫のプロセスを実行することが可能になります。
ビジネスで発生する様々なデータを企業経営に活用するという意味において、時代は新たな差別化要素をもたらすための次の段階に来ていると言っていいでしょう。顧客/社員のなぜ?(Xデータ)の声はもちろんのこと、何が起こっているのか? (Oデータ)という情報さえも、非タイムリーで相当な労力をかけて入手できるのがやっとという状態では、グローバルビジネスの戦場においては、相当なハンデを背負って戦っているのかも知れません。
人の感情は、人それぞれのためたくさんの種類があります。人のエクスペリエンスは、その人の“想い”につながります。その“想い”を価値に変えていく。それをSAPは“体感価値マネジメント”と提言っています。
SAP の体感価値マネジメントソリューションで、そのすべてをかなえる未来へ、SAPと共に歩みだしませんか。
前述のXデータの収集はQualtricsで、そして、組み合わせるOデータについては、以下のSAPのソリューションが実現を叶えます。
SAPのクラウドERPは、生産や販売、売上コスト、サプライチェーン等ビジネスのあらゆる情報を一元管理し、リアルタイムに経営情報を可視化。企業の戦略に欠かせない経営基盤により、ビジネスの成功を支援します。
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よりよいサービスや製品を顧客に提供するためには、社員の満足度が大切です。SAP SuccessFactorsは社員ひとりひとりが輝ける職場になるよう、社員のエクスペリエンス向上を支援します。
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SAP Concur では、座席や機内食、お部屋の好みなども把握し、出張の移動から宿泊まで、満足いくエクスペリエンスを社員に提供します。さらに、帰ってきた後の経費精算も自動化。快適な出張体験を提供します。
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SAP Customer Experience は、企業内に存在する様々な顧客接点を連携してカスタマーエクスペリエンスを強化し、「顧客」から「ファン」になってもらえるよう支援するスイートソリューションを提供しています。
より詳しいご相談などは窓口にお寄せください。
※ 本記事はこちらのSAP Japan Blog 記事をまとめ直したものです。元記事には、ジェットブルー航空の事例も紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
少子高齢化が加速する日本。これからの企業の行く手には、市場の縮小や労働人口の減少に加え、企業自体の高齢化によるナレッジ継承の問題など、さまざまな課題が立ちふさがっています。
これらの壁を乗り越え、企業活動を継続していくためには、新しい視点から生まれる変化が必要です。
そんな今、注目されているのが、顧客や従業員の体験、想いを根幹に据えて、サービスや製品を開発するという発想です。
”カスタマー”エクスペリエンスや”ユーザー”エクスペリエンスというキーワードで、商品やサービス自体の金銭的価値ではなく、それらの購入や利用過程とその体験を通じて、「消費者に対しポジティブな感覚的価値・体験をいかに提供できるか」が、競合との差別化施策として意識されるようになりました。
主にはB2Cとしての消費者にスポットがあたってきましたが、広義に捉えれば企業活動において優れた“感覚的価値や体験”を与えるべき対象としては顧客以外にもサプライヤーや従業員なども、ビジネスの成果を最大化するという観点から当然挙げられることができるでしょう。
また、“顧客”のエクスペリエンスについては、B2Cのみならず、B2B、B2B2Cを通して顧客の全てのタッチポイントとしてのカスタマーエクスペリエンス、ブランドに対する知名度や好意度といった観点からのエクスペリエンス、製品やサービスから直接得られるエクスペリエンスに細分化して考えた方が、より実態に即した適切なエクスペリエンスを提供できるかもしれません。
ここで、エクスペリエンスの優劣が経営に与えるインパクトをいくつかご紹介いたします。
<エクスペリエンスが経営に与えるインパクト>
1. 86% の消費者は、良いエクスペリエンスの結果、より多く購入をする傾向がある
→ 売上向上
2. 新製品開発に成功した96%の企業は製品コンセプトテストを実施しているが、その内約半数しか定期的に行っていない(プロダクトエクスペリエンスの把握不足)
→ 新製品開発の成功率の低下
3. 好きだったブランドでも、たった一度の悪い体験で1/3の顧客がそのブランドから離れていく
→ ブランド好意度、ロイヤルティの低下
4. 従業員満足度調査の結果を基に企業内プロセスや働き方に改善が見られた(良い従業員エクスペリエンス)と感じる従業員は、そうでない従業員と比べて、4倍離職率が低い
→ 優秀な人財の維持
ご覧いただいたように、エクスペリエンスの優劣が与える経営へのインパクトは決して小さいものではなく、優先度の高い戦略的取り組みだと言えます。
“なぜ”起こったのか ビジネスの現場で理解できていますか?
製品やサービスのモニター調査や製品コンセプトテスト、また従業員満足度調査などを通じて、我々も企業に頻繁に声を届けています。それら声を軽視する企業など、現代ビジネスの世界においてほとんど存在しないでしょう。きちんと耳を傾ける企業ばかりだと思います。一方で、企業は売上や発生コストの状況、また生産やサービス提供活動の状況に応じて、様々な改善活動も常に行っています。つまり日々のオペレーションで発生する業務データ(= 何が起こったのか )に対する分析に基づいた改善策を実行しているのです。では、顧客/社員の声と業務データを結びつけて改善のオペレーションを日常的に行なっている企業はどれぐらいいらっしゃるでしょうか?
顧客/社員の声とは、それがポジティブなものであろうが、ネガティブであろうが、「なぜそう思ったのか」という生々しいデータと言えます。つまり、そこには”なぜ?“起こったのかという、改善策をたてるにあたって最も重要なヒントが隠されているのです。”なぜ?“を日々のオペレーションに取り込まずに改善策を模索しているのは、過去の成功体験または企業側の想像に基づくもので、人々の思考・行動に多様性や激しい変化が見られる現代においては、もはや成功確率がどんどん下がっていく非効率なやり方かもしれません。
これまで企業は、業務データ(Operational Data。以下Oデータ)を基にPDCA(Plan Do Check Act)サイクルをまわしてきましたが、その前段階として、エクスペリエンスデータ(Xperience Data。以下Xデータ)をつぶさに取り込むことが、改善の成功確率を高める最善策と考えられるのではないでしょうか。
Qualtricsを活用したエクスペリエンス革命

Qualtrics社は、2019年1月の買収完了を経て、新たなSAPファミリーの一員となりました。
Qualtricsは、(1)顧客の声を収集し、(2)そこからインサイトを抽出・提示、(3)改善アクションを促すためのエクスペリエンスマネジメントプラットフォームを提供しています。(Qualtricsの詳細については、こちらをご参照ください)

Xデータ + Oデータ がもたらすビジネス革新
SAP S/4HANAをコアとしたSAPソリューション群は、企業のEnd to Endのビジネスプロセスをカバーし、そこで発生するOデータを一元的に管理しビジネスに活用いただくことにこれまで強みを持ってきました。今回のQualtricsの買収により、Xデータをビジネスプロセスに日常的に取り込み、Oデータと組み合わせたPDCAサイクルをまわすことで、改善の成功確率を高める最善策をうてる包括的なビジネス基盤をSAPはご提供できるようになったと言えます。では具体的にどのように業務が変革するのか、カスタマーサービス業務を例にとってご紹介したいと思います。下記の動画をご覧ください。
ご覧いただいた動画では、Dosch社のカスタマーサービス担当であるマシューが取ったアクションをそれぞれで関連するXデータ (Qualtricsのデータ) とOデータ (SAP Service Cloud のデータ)に分類して整理すると下記のようになります。

なぜ? を示すXデータと何が?を示すOデータを、マシューのように組み合わせることで、問題の真の根本原因の特定から、それを改善するためのアクションまで淀みない一気通貫のプロセスを実行することが可能になります。
ビジネスで発生する様々なデータを企業経営に活用するという意味において、時代は新たな差別化要素をもたらすための次の段階に来ていると言っていいでしょう。顧客/社員のなぜ?(Xデータ)の声はもちろんのこと、何が起こっているのか? (Oデータ)という情報さえも、非タイムリーで相当な労力をかけて入手できるのがやっとという状態では、グローバルビジネスの戦場においては、相当なハンデを背負って戦っているのかも知れません。
体感価値マネジメント、SAPと始めませんか。~SAPの体感価値マネジメント ソリューション
お客様を熱狂的なファンに。製品を虜になるものに。従業員をアンバサダーに。ブランドを憧れに。人の感情は、人それぞれのためたくさんの種類があります。人のエクスペリエンスは、その人の“想い”につながります。その“想い”を価値に変えていく。それをSAPは“体感価値マネジメント”と提言っています。
SAP の体感価値マネジメントソリューションで、そのすべてをかなえる未来へ、SAPと共に歩みだしませんか。
前述のXデータの収集はQualtricsで、そして、組み合わせるOデータについては、以下のSAPのソリューションが実現を叶えます。
基幹情報マネジメント

SAPのクラウドERPは、生産や販売、売上コスト、サプライチェーン等ビジネスのあらゆる情報を一元管理し、リアルタイムに経営情報を可視化。企業の戦略に欠かせない経営基盤により、ビジネスの成功を支援します。
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社員エクスペリエンス

よりよいサービスや製品を顧客に提供するためには、社員の満足度が大切です。SAP SuccessFactorsは社員ひとりひとりが輝ける職場になるよう、社員のエクスペリエンス向上を支援します。
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トラベル エクスペリエンス

SAP Concur では、座席や機内食、お部屋の好みなども把握し、出張の移動から宿泊まで、満足いくエクスペリエンスを社員に提供します。さらに、帰ってきた後の経費精算も自動化。快適な出張体験を提供します。
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カスタマーエクスペリエンス

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※ 本記事はこちらのSAP Japan Blog 記事をまとめ直したものです。元記事には、ジェットブルー航空の事例も紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。