日本企業の社員エンゲージメントは世界最低水準!改善による業績アップの実現方法を知る
世界有数の人事・組織戦略のコンサルティングファーム、コーン・フェリーによれば、業績アップの原動力である“社員エンゲージメント”について、日本の企業は世界最低水準にあるといいます。そのレベルを押し上げるための方法について、コーン・フェリーによる解説(*1)を交えながら、ご紹介します。

*1 本稿で参考にするコーン・フェリーの解説は、2019年10月に『コーン・フェリー&クアルトリクス パートナーシップ締結記念』として展開された、コーン・フェリーのクライアント・ディレクター、岡部雅仁氏による講演『エンゲージメントを高める本質的要因とHRテクノロジーの新しい活用方法』に基づいている。
こうした観点から、現在、企業が成長する力、あるいは発展する力を向上させるために、「社員エンゲージメント」を高めようとする動きが、日本でも活発化しつつあります。
社員エンゲージメントとは、会社のビジョンや業績目標の実現/達成に向けて、社員が自発的・能動的に貢献しようとする意欲を表しています。つまり、社員たちが、こうした能動的な貢献意欲をどれほど高く持っているか、あるいは、持ち続けることができるどうかで、会社の業績や将来が決定づけられるというわけです。
実際、人事・組織戦略のコンサルテーションを世界規模で展開しているコーン・フェリー社によれば、同社を含めた多くの企業・研究機関の実証実験によって、社員エンゲージメントと業績との間に正の相関性があることが証明されているといいます。
例えば、コーン・フェリーでは、複数の顧客企業(社員総数40 万人強)と共同で、社員エンゲージメントと3つの財務指標の数値(ROE、ROA、ROI)との関係性を2年間にわたって調査しました。その結果、社員エンゲージメントを高め、かつ、「社員を活かす環境づくり」を進展させ、「活躍社員」の構成比率をアップさせた企業は、いずれも2年間で財務数値を向上させたといいます。逆に、「活躍社員」の割合を増やせなかった企業は、ROE・ROA・ROIの数値を下落させたようです(図1)。

図1:「活躍社員」の比率とROE・ROA・ROIとの関係性
例えば、同社の『エンゲージメントサーベイ2018』の実績値によれば、『社員エンゲージメント』のスコアについて、日本企業の平均値は世界(調査対象国中)で最下位にランクされています(図2)。また、好業績企業においては、社員の過半数が『活躍社員』であるのに対して、日本企業の場合は25%程度に過ぎず、4人に1人しか『活躍社員』が存在しないといいます。その逆に、『あきらめ社員』の比率は50%近くに達しており(好業績企業の場合は25%弱)、日本企業では社員の2人に1人が、エンゲージメントとは程遠い状態あるようです。

図2:社員エンゲージメントの国別比較(出典:コーン・フェリー『エンゲージメントサーベイ2018実績値』より)
『間接的動機』で働く社員を、一人でも多く『直接的動機』で働く社員へと転換させ、それにより、『与えられた仕事以上の仕事』に取り組む社員の創造性を業績アップにつなげていく。
ここで言う『間接的動機で働く』とは、すなわち、自分の意志・意欲で働くのではなく、「惰性で働く」「お金や生活のためにしかたなく働く(=経済的な圧力によって働く)」「外部からの有言・無限の感情的な圧力によって働く」ことを指しています。
それに対して、『直接的動機で働く』とは、自分にとっての『楽しみ』『意義』『可能性』を動機としながら、自身の意志・意欲で働くことを意味しています。
そして、こうした『直接的動機』を喚起する施策、あるいは、喚起の阻害要因を排除する施策を展開することによって、初めて、社員エンゲージメントを高めていくことが可能になると、コーン・フェリーでは指摘しています。
コーン・フェリーでは、そのためのプロセスとして、社員に対するエンゲージメント調査を起点にしたPDCAサイクルを提示しています(図3)。

図3:社員エンゲージメント向上のPDCA(出典:コーン・フェリー)
図3に示したPDCAサイクルでは、調査は社員の状態を把握するための入口となり、のちの3つのプロセス『自組織の改善課題の抽出と合意』『改善活動の計画と実行』『(社員による)成果の実感』が、社員エンゲージメント向上の『本丸』であると、コーン・フェリーでは説明し、これら3プロセスの徹底度が成否を分けると強調しています。
そんなコーン・フェリーによると、社員の50%以上が、エンゲージメント調査後の対策に対して一定の効果を実感できているか否かが、社員エンゲージメントを向上させるうえでの分岐点になるといいます。
例えば、社員に対して、「エンゲージメント調査後の対策について、その効果をどう感じたか」といったアンケートを投じ、肯定的な回答率が 50 %を超える企業では 「社員エンゲージメント」が上向き、 50 %未満の組織では悪化するのが通常であるようです。こうしたことから、対策の効果を実感しやすい、小さな施策のクイックヒットを積み重ねることも、社員エンゲージメント向上の一手であると同社は付け加えています。

図4:社員エンゲージメントのPDCAで押さえておくべきポイント(出典:コーン・フェリー)
実のところ、一般的な企業において、こうしたPDCAサイクルを回していく中核の組織は、人事部門、あるいは経営企画部門となる。どちらの部門にしても、人的リソースが十分に確保されているわけではありません。それゆえに、『健康診断』を高効率に行うためのITソリューションと、人材採用から入社計画、教育・研修、目標管理・評価、報酬管理、後継者管理・キャリア計画に至る一連のプロセスとデータを一元管理できる人事プラットフォームが必要とされるわけです。
その2つを実現するITソリューションとして、コーン・フェリーが推奨しているのが、「SAP Qualtrics」と「SAP SuccessFactors」です(図5)。

図5:社員エンゲージメント向上のPDCAサイクルをかたちづくるSAP QualtricsとSAP SuccessFactors(出典:コーン・フェリー)
このうち、SAP SuccessFactorsは、フルクラウドの統合型人事ソリューションで、その活用により一連の人事プロセスとデータの一元管理が可能になります。また、SAP Qualtricsは、体感管理(エクスペリエンス マネジメント)を実現するITソリューションです。その活用によって、例えば、社員アンケートの作成とフィードバックの収集・分析が簡単に行えるようになります。これにより、社員エンゲージメントの調査を行い、その状況を可視化したり、エンゲージメントの向上を阻害している原因を特定したりして、改善に向けた適切な施策の計画を立案する作業が効率化されるのです。 繰り返すようですが、社員エンゲージメントを高めることは、企業の成長・発展には欠かさない取り組みです。そのための第一歩を踏み出すためにも、SAP QualtricsとSAP SuccessFactorsの採用をご検討されることを、お勧めします。
社員エンゲージメント=企業成長・発展の原動力
企業のあらゆる活動は、人で成り立っています。イノベーションの動力も人であり、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するのも人です。ゆえに、人、すなわち社員の働くモチベーションの高低によって、企業の業績が左右され、成長・発展の力も上下することになります。こうした観点から、現在、企業が成長する力、あるいは発展する力を向上させるために、「社員エンゲージメント」を高めようとする動きが、日本でも活発化しつつあります。
社員エンゲージメントとは、会社のビジョンや業績目標の実現/達成に向けて、社員が自発的・能動的に貢献しようとする意欲を表しています。つまり、社員たちが、こうした能動的な貢献意欲をどれほど高く持っているか、あるいは、持ち続けることができるどうかで、会社の業績や将来が決定づけられるというわけです。
実際、人事・組織戦略のコンサルテーションを世界規模で展開しているコーン・フェリー社によれば、同社を含めた多くの企業・研究機関の実証実験によって、社員エンゲージメントと業績との間に正の相関性があることが証明されているといいます。
例えば、コーン・フェリーでは、複数の顧客企業(社員総数40 万人強)と共同で、社員エンゲージメントと3つの財務指標の数値(ROE、ROA、ROI)との関係性を2年間にわたって調査しました。その結果、社員エンゲージメントを高め、かつ、「社員を活かす環境づくり」を進展させ、「活躍社員」の構成比率をアップさせた企業は、いずれも2年間で財務数値を向上させたといいます。逆に、「活躍社員」の割合を増やせなかった企業は、ROE・ROA・ROIの数値を下落させたようです(図1)。

図1:「活躍社員」の比率とROE・ROA・ROIとの関係性
日本企業は『あきらめ社員』が2人に1人
以上のように、社員エンゲージメントは、企業の業績に直接ヒットするとても重要な要素です。ところが(本稿の序文でも触れましたが)社員エンゲージメントにおいては、日本は世界最低レベルにあるというのが、コーン・フェリーの評価です。例えば、同社の『エンゲージメントサーベイ2018』の実績値によれば、『社員エンゲージメント』のスコアについて、日本企業の平均値は世界(調査対象国中)で最下位にランクされています(図2)。また、好業績企業においては、社員の過半数が『活躍社員』であるのに対して、日本企業の場合は25%程度に過ぎず、4人に1人しか『活躍社員』が存在しないといいます。その逆に、『あきらめ社員』の比率は50%近くに達しており(好業績企業の場合は25%弱)、日本企業では社員の2人に1人が、エンゲージメントとは程遠い状態あるようです。

図2:社員エンゲージメントの国別比較(出典:コーン・フェリー『エンゲージメントサーベイ2018実績値』より)
現状打開の具体策
当然のことながら、会社の成長・発展を望むのであれば、以上のような状況を是が非でも変えていかなければなりません。そのための具体策として、コーン・フェリーが掲げているのは次のような施策です。『間接的動機』で働く社員を、一人でも多く『直接的動機』で働く社員へと転換させ、それにより、『与えられた仕事以上の仕事』に取り組む社員の創造性を業績アップにつなげていく。
ここで言う『間接的動機で働く』とは、すなわち、自分の意志・意欲で働くのではなく、「惰性で働く」「お金や生活のためにしかたなく働く(=経済的な圧力によって働く)」「外部からの有言・無限の感情的な圧力によって働く」ことを指しています。
それに対して、『直接的動機で働く』とは、自分にとっての『楽しみ』『意義』『可能性』を動機としながら、自身の意志・意欲で働くことを意味しています。
そして、こうした『直接的動機』を喚起する施策、あるいは、喚起の阻害要因を排除する施策を展開することによって、初めて、社員エンゲージメントを高めていくことが可能になると、コーン・フェリーでは指摘しています。
社員エンゲージメントを高めるPDCA
では、具体的に何を、どのようにすれば、『直接的動機』を喚起したり、喚起の阻害要因を排除したりして、自社の社員のエンゲージメントを向上させていくことができるのでしょうか。コーン・フェリーでは、そのためのプロセスとして、社員に対するエンゲージメント調査を起点にしたPDCAサイクルを提示しています(図3)。

図3:社員エンゲージメント向上のPDCA(出典:コーン・フェリー)
図3に示したPDCAサイクルでは、調査は社員の状態を把握するための入口となり、のちの3つのプロセス『自組織の改善課題の抽出と合意』『改善活動の計画と実行』『(社員による)成果の実感』が、社員エンゲージメント向上の『本丸』であると、コーン・フェリーでは説明し、これら3プロセスの徹底度が成否を分けると強調しています。
そんなコーン・フェリーによると、社員の50%以上が、エンゲージメント調査後の対策に対して一定の効果を実感できているか否かが、社員エンゲージメントを向上させるうえでの分岐点になるといいます。
例えば、社員に対して、「エンゲージメント調査後の対策について、その効果をどう感じたか」といったアンケートを投じ、肯定的な回答率が 50 %を超える企業では 「社員エンゲージメント」が上向き、 50 %未満の組織では悪化するのが通常であるようです。こうしたことから、対策の効果を実感しやすい、小さな施策のクイックヒットを積み重ねることも、社員エンゲージメント向上の一手であると同社は付け加えています。
ITソリューションの有効活用
以上の観点を踏まえながら、コーン・フェリーでは、社員エンゲージメント向上のPDCAを回してくうえで、以下の4点も重要です。- 社内の『健康診断』(=社員エンゲージメントの状態の可視化)を行った際の課題抽出と、課題解決の施策の効果測定をしっかりと接合させながら、PDCAを回していく。
- 社内の『健康診断』は年1回程度の頻度で実施し、施策の効果測定は、施策のタイプによって都度測定ポイントを定める。
- 組織開発と人材開発の取り組みは区別する。なかでも、中間管理職層を育成する取り組みと、組織開発の取り組みとを混同してはならない。
- 社員エンゲージメント向上に向けた施策の効果検証は、施策ごとに行い、人事プロセスや社員個別のエクスペリエンスとも接合する。

図4:社員エンゲージメントのPDCAで押さえておくべきポイント(出典:コーン・フェリー)
実のところ、一般的な企業において、こうしたPDCAサイクルを回していく中核の組織は、人事部門、あるいは経営企画部門となる。どちらの部門にしても、人的リソースが十分に確保されているわけではありません。それゆえに、『健康診断』を高効率に行うためのITソリューションと、人材採用から入社計画、教育・研修、目標管理・評価、報酬管理、後継者管理・キャリア計画に至る一連のプロセスとデータを一元管理できる人事プラットフォームが必要とされるわけです。
その2つを実現するITソリューションとして、コーン・フェリーが推奨しているのが、「SAP Qualtrics」と「SAP SuccessFactors」です(図5)。

図5:社員エンゲージメント向上のPDCAサイクルをかたちづくるSAP QualtricsとSAP SuccessFactors(出典:コーン・フェリー)
このうち、SAP SuccessFactorsは、フルクラウドの統合型人事ソリューションで、その活用により一連の人事プロセスとデータの一元管理が可能になります。また、SAP Qualtricsは、体感管理(エクスペリエンス マネジメント)を実現するITソリューションです。その活用によって、例えば、社員アンケートの作成とフィードバックの収集・分析が簡単に行えるようになります。これにより、社員エンゲージメントの調査を行い、その状況を可視化したり、エンゲージメントの向上を阻害している原因を特定したりして、改善に向けた適切な施策の計画を立案する作業が効率化されるのです。 繰り返すようですが、社員エンゲージメントを高めることは、企業の成長・発展には欠かさない取り組みです。そのための第一歩を踏み出すためにも、SAP QualtricsとSAP SuccessFactorsの採用をご検討されることを、お勧めします。