SAP Business ByDesignによるシンプルな損益管理―最短4週間、初期導入費用160万円で実現

SAP Business ByDesignは中堅・中小企業および大企業の子会社でのご利用に適しているSaaS型のクラウドERPです。SAP Business ByDesignの得意領域にプロジェクト管理があります。「プロジェクト」マスターを使用して案件予実を多面的に管理することができ、非常に高性能ではありますが、リッチな機能に比例してオペレーション負荷が高くなる傾向があります。 スタートアップ・発展企業がまずは会計のみでシンプルに財務会計記帳と損益管理を行いたい場合はどのようにしたらよいのでしょうか。

シンプルな損益管理

SAP® Business ByDesignは中堅・中小企業および大企業の子会社でのご利用に適しているSaaS型のクラウドERPです。ERPとしての機能を網羅的に備えた上、世界の成功企業の業務ノウハウ(ベストプラクティス)がテンプレートとして豊富に用意されています。

そんなSAP Business ByDesignの得意領域にプロジェクト管理があります。「プロジェクト」マスターを使用して案件予実を多面的に管理することができ、非常に高性能ではありますが、リッチな機能に比例してオペレーション負荷が高くなる傾向があります。

スタートアップ・発展企業がまずは会計のみでシンプルに財務会計記帳と損益管理を行いたい場合はどのようにしたらよいのでしょうか、というお問い合わせをよくいただきます。
当ブログでは、その問いにお答えすべく、シンプルな損益管理ソリューションをご紹介します。
SAP Business ByDesignを使った会計テンプレートを最短4週間、初期導入費用160万円でご提供しているパッケージソリューションもあります。

システムで損益管理を行うためには何が必要?

そもそもシステムで損益管理を行うために必要なものは何でしょうか?

その答えは、損益管理を行いたい単位で収益・費用を計上することができる「箱」です。
その箱に売上・原価・経費を直課させる、もしくは配賦させた結果「売上 - (売上原価+経費) 」が利益となります。
その箱が部門単位である場合は部門別損益管理ができ、案件単位である場合は案件別損益管理となります。

図1:損益管理イメージ


SAP Business ByDesignでは案件別損益管理を実現する手段の1つとして「プロジェクト」と呼ばれるマスターが用意されています。

プロジェクト

SAP Business ByDesignの「プロジェクト」は単なる損益管理の箱としてだけでなく、様々な機能(※)を有しています。 非常にリッチな機能を持つ反面、使いこなすためには高いスキルやオペレーション負荷などが求められ、少ない人員でシンプルに業務を行っていきたい会社にとってはToo Muchな機能とも言えます。

そこでよりシンプルに損益管理を行うために今回ご紹介したいのがSAP Business ByDesignの「フリー原価対象」です。

フリー原価対象

「フリー原価対象」というのはSAP Business ByDesign特有の用語でユーザが自由に定義できる原価コレクタ(費用・原価を収集することができる)マスターです。

原価コレクタなので基本的には原価収集の為のマスターなのですが、会計領域のみを使用する場合は制約付きで収益も収集できるので、うまく使えば損益管理が可能になります。

計画登録ができないというウィークポイントはありますが、それを補ってあまりあるほど、冒頭に紹介したプロジェクトよりもはるかにシンプルなマスターです。

フリー原価対象マスターは1分もあれば登録が可能で、通常は損益を管理したい単位(案件など)でマスター登録します。

フリー原価対象マスターには、主管する責任部門を割り当てるので、フリー原価対象に収益・費用を割り当てて計上すると、同時に該当責任部門にも収益・費用が計上されます。
つまり、1つの仕訳でフリー原価対象を割り当てれば、部門別PLと案件別PLの出力が可能となるのです。

フリー原価対象を使った伝票登録

会計領域のみを使用する場合でも、債権・債務管理を行うためには伝票登録画面はいくつかに分かれ、それぞれの伝票登録時にフリー原価対象を割り当てる(直課させる)ことが必要になります。

以下参考までに売上と仕入計上時のフリー原価対象割当の画面と損益レポートの画面をご紹介します。

下図のように売上明細にてフリー原価(項目名は「原価計算対象ID」)に直課させます。


図2:売上計上時の割当


下図のように仕入原価明細にてフリー原価(項目名は「原価計算対象ID」)に直課させます。


図3:仕入計上時の割当


売上、仕入、経費などがフリー原価対象に収集(=直課)・管理されることにより、損益の把握が可能になります。
フリー原価対象毎に表示されている結果(小計行)が利益を示しています。


図4:SAP Business ByDesignのフリー原価対象別損益確認レポート


最後に

SAP Business ByDesignは従業員十数名のスタートアップから従業員1,000名を超える中堅・中小企業までの幅広い層の会社をカバーすることができるERPソリューションです。

損益管理を行いたいという企業の要望に対して画一的に「プロジェクト」を使ったソリューションを提案し、SAP Business ByDesignは難し過ぎるという結論になってしまうのはとても残念な話です。

SAPゴールドパートナーであるスターコンサルティング株式会社が提供するSAP Business ByDesignを使ったSAP認定の会計テンプレートではシンプルな会計システムを指向し、フリー原価対象を使った損益管理が可能です。
勘定コード、プロセスフロー、操作マニュアル、一括伝票登録機能などを標準装備したオールインワンの会計システムを最短4週間、160万円でご提供します。

情報提供:スターコンサルティング株式会社



脚注
※ SAP Business ByDesignでプロジェクトが持つ様々な機能(一部)
日程計画管理、リソース(要員)の稼働計画管理、マイルストーン管理、進捗状況管理、作業日数管理、リソース負荷調整、販売管理領域との連携、購買管理領域との連携、財務会計領域との連携、プロジェクトタイムレコーディングによる稼働実績・実績原価の計上、工事進行基準による売上・原価計上、各種状況が確認できるフレキシブルレポートなど

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