中堅・中小企業にとってイノベーションとは?【前編】~技術革新だけではないイノベーション~

一般的に「技術革新」と翻訳されることが多いイノベーション。しかし、イノベーションに含まれる意味合いは技術の革新のことだけではありません。今回は中堅・中小企業にとってのイノベーションとは何か、それがなぜ必要かという視点から、イノベーションを解説しています。

イノベーションとは日本語で「技術革新」と訳すことができ、これは企業が経済的な発展を遂げるために必要な要素といえます。特に中堅・中小企業にとっては、次のステージへとステップアップするための起爆剤となり得るものです。 しかし、イノベーションは技術的に新しいものだけを指すのではないことをご存じでしょうか? 今回は中堅・中小企業にとってのイノベーションが一体何を表すか、なぜ必要かといった点にスポットを当て、解説していきます。

中堅・中小企業にこそイノベーション

冒頭で述べたように、イノベーションは一般的に技術的な革新を指すものと思われがちです。確かにそれは間違っていませんし、翻訳的な意味合いからいっても正しいでしょう。しかしながら、こと経営の分野におけるイノベーションとは、技術的な革新以外の意味合いも含んでいるのです。例えば、顧客との向き合い方の見直し、組織の人員や役割をリフレッシュするといった、「事業運営自体の革新」を含んでいる概念といえます。移り変わりの早い昨今、中堅・中小企業は、時代の変化や自社の成長に応じて柔軟に組織の在り方を変えていくことが求められるでしょう。 そういった意味で、中堅・中小企業は常にイノベーションと隣り合わせであり、その必要に迫られているといえるのです。

不況期への対策として

当然のことながら、好況期と不況期で企業がとるべき対応は変化します。 しかし、長期的に考えると、経済は常に好況と不況を繰り返しています。 そこで企業に求められるものは、景気の浮き沈みを乗り越える体力と柔軟性といえるでしょう。 特に不況期はさまざまな試練が課されるとともにビジネスチャンスを含む時期でもあります。 この時期にこそ次の飛躍に向けたイノベーションが活きる可能性が高く、ライバル企業に差をつけたり、寡占化が進む市場で生き残ったりといった効果が現れるのです。 このようにイノベーションには、成長への布石となる攻めの側面とともに、いざというときの「転ばぬ先の杖」という守りの側面もあるといえます。

イノベーションへの投資は利益の向上にも直結

「イノベーションが利益をもたらすとは限らない」と考えている方がいらっしゃるとしたら、その考えは少し改めるべきかもしれません。イノベーションと利益率を結ぶ、興味深いデータが存在するからです。 経済産業省の「企業活動基本調査」によって、イノベーションへの投資と営業利益率には密接な関係がある、ということがわかっています。 具体的には、売上高に占める研究開発費の割合が2.5%以上の中堅・中小企業の場合、それ以下のグループよりも営業利益率が有意に高くなっている傾向があるのです。 つまりイノベーションを実現するための投資は、利益率の向上に対して一定の効果があることを物語っているといえるでしょう。 また、売上高に占める新製品の割合が高い企業(11%から20%超)ほど、増収傾向にあることも見逃せません。 イノベーションによって生み出された新製品が、市場で強い力を発揮し、企業へ利益をもたらしていると考えられます。

イノベーションは中堅・中小企業の「筋肉」となりうる

ここまで紹介した内容から、中堅・中小企業にとってイノベーションは成長し続けるための柱であり、まさに「筋肉」と呼ぶにふさわしいものだと解釈できるのではないでしょうか。 組織のリフレッシュによるフットワークの軽さ、新規顧客や販路開拓での営業力強化、そして新製品やサービスの開発。イノベーションによる付加価値は、市場の中で大手企業と対等以上に戦うための武器となるでしょう。 さらに、中堅・中小企業のイノベーションを補助するツールとして、ERPやCRMという仕組みが存在していることも事実です。こういったIT製品の力を借りつつ、効率的にイノベーションを進めてみてはいかがでしょうか。 イノベーションは、単に技術的な新しさを強調する言葉ではなく、成長と密接に関係した概念だと理解できます。 イノベーションへの投資は、中堅・中小企業の体力を強化するものであり、攻守両面において重要な企業活動といえるのです。 後編では、イノベーションを起こすために必要な中堅・中小企業ならではの3つの視点を解説します。

関連タグ