ERPの導入により業務フローはこう変わる!

部署間で扱うさまざまな伝票フォーマットや休暇などの申請業務のような「業務フロー」を可視化し、標準化することで、その業務におけるミスや遅滞などが解消できるようになります。そのうえでERPを導入すれば、業務の効率化だけでなく、デジタル化によるリアルタイムでの進捗管理、デジタルデータを活かした意思決定など、経営戦略にも役立てることが可能です。 将来的にグローバルで戦える強い企業へと成長するためには、ERPによる業務フローの全体最適化が欠かせません。

※ 本記事は2017年1月に掲載された記事を、加筆・修正したものです。

目次

ERP導入によって「全体最適」や「業務効率化」、「コストダウン」を実現したという話題を目にする経営幹部の方は多いでしょう。今回はこれらの事例をできるだけ具体的に掘り下げ、業務フローレベルでどういった変化があったのかを取り上げていきます。現場レベルの変革が、企業全体の効率化と生産性向上につながるのです。

業務フローとは

業務フローとは、組織内で行われる業務の判断・処理の方法について、業務の開始から完了までの一連の流れや手順のことで、「ワークフロー」とも呼ばれます。組織において、誰がどのような権限を持って、どう処理をするかといった業務に関わる人の役割を整理することができます。

シンプルに業務フローを理解するため、従業員が上長に休暇申請を提出し、承認されると人事部データが更新されるケースを例に挙げて考えてみます。
休暇申請業務を、おもに申請者の視点で見ると次のような流れが考えられます。

  • 休暇申請書を作成して申請
  • 上長の承認を待つ
  • 申請書に不備があり、申請が却下されたことを知る
  • 休暇申請書を修正して再申請する
  • 上長の承認を待つ
  • 申請が承認される(人事データに休暇が記録される)
業務の流れを挙げてみましたが、申請者だけの視点で見ると、その全体像がつかめません。業務は一方通行では進みませんし、当然多くの人が関わりますので、実際は各プロセスでさまざまな判断・処理が行われることになります。

例えば、休暇申請書が承認されず、また申請者によって更新・再申請されなかった場合の申請書をどう処分するかといった処理も必要になります。このように、業務が完了するまで、あらゆる判断・処理のあとに次の処理に移る流れを用意し、整理しておく必要があります。

先ほどの休暇申請の業務フローの図を見てみましょう。

 
図:ビジネスプロセスおよびワークフローの例


上長の処理の可否や、申請が拒絶されたあとの申請者のアクション、申請書を更新せず再提出しなかった場合の処理が示されています。組織内の誰が見ても、業務がどのように処理されるかがわかるはずです。このように、業務の開始から終了まで、想定されるあらゆる処理の内容や担当者を明確に定義しておくことが重要です。

業務フローによって、個々の業務を可視化・明確化することは、担当者が自身の役割を把握するだけでなく、拡張して部門を超えた連携をするなど、関係者との相互理解にも役立ちます。また業務フローを作成することは、それ自体が目的となってはいけません。業務を滞りなく進めるためのものですので、現在の業務フローにおいて不都合や問題が生じているところがあれば、随時見直しをし、業務改善に役立てていきましょう。

なお、業務フローを示すための記号や表記方法には、日本工業企画(JIS)の「情報処理用流れ図記号」やビジネスプロセスモデリング表記法(Business Process Model and Notation, BPMN)など、さまざまな手法があります。組織内で利用する場合は、書式やルールを統一しましょう。

業務フローレベルでのERP導入のメリット

業務を可視化できる業務フローは、デジタル化することでさらなる価値を生み出します。デジタル化によって、業務の進捗状況をリアルタイムに捉えることができるようになります。例えば、請求した金額が約束の日に入金確認できなかった場合、経理や財務の担当者だけでなく、請求した担当部門の関係者、ならびに経営陣が状況を同時に把握することといった運用も可能です。担当者は速やかに請求先に問い合わせし、状況を確認するなどの対処ができます。

業務フローをデジタル化するには、ERP(Enterprise Resource Planning 企業資源計画)の導入がおすすめです。ERPによって、デジタルデータを活用し、営業や販売、在庫管理、調達管理、財務・経理、経営といった組織活動の基本となる要素を統合・管理して意思決定をスピーディーに行えます。

EPRでは、部門間でフォーマットの異なる伝票のデータを標準化したり、権限の明確化による透明性の担保、物理的距離の離れた拠点間での情報の共有したりするのにも役立ちます。全体の業務を見直すことで、自動化処理を組み込んで省力化、あるいはコストダウンする改善や、データを集約して分析して経営戦略に役立てることもできるのです。

フォーマットの統一でミスが減少

ERPは一元的かつ首尾一貫してデータを管理する特性上、部門間で異なる伝票フォーマットの統一に効果的です。例えば、営業、販売を担当している部署と、在庫管理を担当している部署で伝票のフォーマットが異なれば、伝票上の情報に差異が出てしまいますよね。また、同じデータを指す言葉であっても、部署をまたいだときにその意味が正確に伝わらず、業務上のミスや業務の遅滞を招くこともあるでしょう。フォーマットの違いによる情報伝達の損失は、業務の効率を落とすことにつながります。

ERPでは異なる伝票フォーマットを一元化し、受注伝票や出荷伝票、請求伝票と購買発注伝票などの整合性を担保しています。そのため、ケアレスミスや連絡不備による遅滞を防ぐことができるうえ、業務フローの自動化にも貢献します。

申請・承認業務の透明化と効率化

ERPは、厳密かつ詳細な権限管理を行う機能を持っています。ERPを使用するユーザー情報に基づいた適切な権限を付与することで、細かな業務上の職務権限をERP側から管理できるのです。ERPでは、一般社員が実行可能な機能と、上長・幹部社員が実行可能な機能を明確に区別することが可能です。

こういった権限管理機能の充実は、企業内で発生する各種申請、承認業務の透明化と効率化につながるでしょう。予算や経費の不正な承認、取引先との不透明な取引を行うことは不可能になるうえ、紙ベースで申請から承認までの業務を進めた場合に比べ、リードタイムも短縮可能です。

拠点間で異なる業務を標準化

国内はもちろん、海外にも営業・販売・生産などの拠点を持つ企業は多いでしょう。拠点同士の物理的距離が原因で、拠点間の業務フローにズレが生じてしまったり、業務自体が標準化されていなかったりという悩みを抱えていませんか?

ERPでは、販売管理、在庫管理、財務会計、人事給与管理など各業務のシステム化と標準化が可能です。これにより、拠点間で扱う情報の食い違いがなくなるだけでなく、業務レベルで国内ノウハウの海外展開、海外ノウハウの国内取り込みを柔軟に実行できる環境が整います。拠点間での差異を減らして全体最適を実現しつつ、業務ノウハウの共有が可能になるのです。

労力を減らしつつ企業力を強化

企業規模が大きくなることだけが、企業の成長とは限りません。規模は中堅・中小企業であっても、強くて収益率の高い事業を展開することが重要です。グローバルで活躍する企業のなかにも、小規模ながら革新的な技術で知名度と顧客を獲得している例があります。このような「Small but Global(スモールバットグローバル)」は、ニッチな分野で活躍し続ける中堅・中小企業が目指す到達点の1つではないでしょうか。このSmall but Globalを実現するための方法として、ERPの導入が挙げられます。企業規模はそのままに、業務プロセスの効率化と全体最適によってコストダウンとリアルタイム性を獲得できれば、事業は強さを増していくでしょう。

今回紹介したようにERPの導入効果は、グローバル化や業務改善の観点からも確認できます。新潟に本社を構える「ナミックス株式会社」様では、Small but Globalの観点からSAPのERPを導入。グローバル化や業務効率化を目指し、明確な「As is/To be」(現状と理想)があるのなら、それを解決し実現する最も効率的な手段のひとつとしてERPの導入をおすすめします。詳細はこちらの動画もご覧ください。

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