期初に定めた中期経営計画、本当に達成の道筋は見えていますか?

中堅中小企業にとって、その後の自社の成長や経営方針を表明する「中期経営計画」はとても重要なものです。 “絵に描いた餅”にならない経営計画はデータに基づいた現状分析と情報の見える化がポイントになります。そして、そのカギはERPが握っているのです。

中期経営計画は、企業の成長や再建を現実的な視点で具体化したものです。しかし、中期経営計画をしっかりと達成できている企業は意外と少ないのではないでしょうか。中期経営計画を絵に描いた餅にしないためにも、精緻かつ正確なデータに基づいた中期経営計画の立案が求められるのです。もちろん、現実的な内容であることも重要です。では、これらを両立させるためには、どういった課題をクリアすべきなのでしょうか。

形骸化してしまいがちな中期経営計画

日本企業は、中期経営計画の策定が半ば習慣化しており、立案すること自体が目的となっているケースがあります。つまり、手段と目的が逆転してしまい、成長のための手段として重要性を失ってしまいがちなのです。 結果として、中期経営計画策定の労力に見合った成果を得られずに、計画は未達に終わってしまいます。ではなぜ、中期経営計画は失敗してしまうのでしょうか。その要因は「習慣化による前期踏襲」「データの正確性」「不十分な全体最適」の3つに集約されるといえるでしょう。そこで、それぞれの原因を掘り下げ、解決策を探っていきます。

習慣化によって単なる前期踏襲型の計画となる

中期経営計画が失敗する要因のひとつとして、「習慣化による前期踏襲型に落ち着く」というものがあります。 日本企業の多くは、中期経営計画の策定が半ば習慣化しています。習慣化によって、「年中行事のひとつ」としてこなすことに意義を見出してしまっては、実効性の低い中身となるリスクが大きくなるでしょう。 中期経営計画策定が前期踏襲型になってしまう要因として、「現場からの反発に対する警戒」があります。経営層はなるべく現場の意向を組んで中期経営計画を立案しようと苦心するものの、現場の主導権が強すぎると革新的な一手が出てこないという袋小路に迷い込んでしまうのです。トップダウン型の意思決定や経営者の強烈なリーダーシップがあだとなり、現場が停滞してしまうことを危惧するのは当然のことといえます。しかし、あくまでも企業の戦略的なかじ取りを行うのは経営層です。実効性のあるビジョンを掲げ、現場を説得するような革新性こそが、中期経営計画を実りのあるものへと進化させるヒントなのではないでしょうか。

データの正確性に問題がある

中期経営計画を策定するにあたり、その根拠となるデータを各部門に提出させることは多いでしょう。この行動自体は間違いではありません。しかし、問題は提出されるデータの精度と、データ同士の関連性です。データは集合と蓄積、関連付けによって因果関係がはっきりと浮かび上がり、重要な経営判断の材料となります。 こういったデータの正確性は、人の手によるアナログな仕組みでは担保されにくいというのが実情ではないでしょうか。各部門からあがってきたデータを逐一チェックしていくには、膨大な時間とコストを必要とするからです。しかし、ERPならば標準機能として厳格なデータの管理機能があり、これが正確性を担保します。さらに、一気通貫的に関連付けられた情報を半自動的に抽出可能です。また、これらのデータは常に更新され、会社の今を把握しやすくなります。

全体最適が不十分である

せっかく各部門から過去の実績データがあがってきても、各データの関連性を見出して最適化を実施し、経営判断の材料へと進化できなければ、中期経営計画策定の作業は徒労に終わってしまうでしょう。経験や勘による全体最適では、不確実で流動性の高い現代のビジネス環境に対応できない可能性があります。 一方、ERPでは必要なときに必要な情報を確実に得ることで、実現可能性の高い計画が立てられるのです。営業部門、製造部門、経理部門など各業務部門が連携し、それぞれの業務から生み出されるデータを関連付けることによって、全体最適は達成されます。 ERPはユーザーが使用できる機能を部門単位で限定しつつ、最終的にはそれらが「意思決定の材料」として意味を持つよう、半自動的に動き続けるのです。 ここまで、中期経営計画策に関する課題解決ツールとしてERPを紹介してきました。ERPという言葉から「導入コストの高さ」「導入プロジェクトの長期化」を想像する方も少なくないでしょう。しかし、SAPの「SAP Business ByDesign」であれば、クラウド化によって低コストかつ短納期の導入が可能です。 また、絵に描いた餅で終わらない中期経営計画策定の根拠を得るためには、正確に結合された社内外情報の活用がカギとなるでしょう。この点についてもSAPのクラウドERP「SAP Business ByDesign」ならば、データ収集、抽出、整理、分析を代行し、より現実的な中期経営計画の策定をサポートできます。実現性、実効性の高い真の「中期経営計画」を確立するためにも、SAP Business ByDesign の導入を検討してみてはいかがでしょうか。  

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