中堅・中小企業にこそ「パブリッククラウド型ERP」がオススメ。DX実現のポイントは「Fit to Standard」にあり
近年、データドリブン経営やビジネスモデルの変革のために、IT投資へ積極的に取り組む中堅・中小企業が増えています。なかでもERPへの関心が高まっていますが、依然として導入時のコスト負担や不足しているIT人材などが障壁となり、導入に踏み切れない企業も存在しています。そのような課題を解決する手段として、SAPは「中堅・中小企業をDXへと導く道標となるのがパブリッククラウド型ERPである」と訴えます。その理由について、長年SAP認定パートナーとして多くの導入実績を有するNTTデータ グローバルソリューションズの担当者と対談しました。

記事を読む
目次
中堅・中小企業のデータ経営を支えるERP
データドリブン経営の実現やサプライチェーン最適化など、従来のビジネスを変革し、自社の競争力を高めるためにはDXが必要不可欠です。業務プロセスを可能な限りデータ化し、統合的な管理や分析をすることで、初めてビジネスの変革が可能になります。近年、ビジネスの好不調に関わらずデジタル投資に前向きな姿勢を見せる中堅・中小企業が増加しています。経営の中枢にデータやデジタルを据え、個別の経営判断に活用するだけではなく、デジタルの力でビジネスモデルや企業風土そのものを変革しようという意欲的な企業が数多く現れているのです。
リアルなデータの統合管理により企業のデジタル変革を可能とするERPに注目が高まっていますが、中堅・中小企業にとっては導入にかかる多額の予算、IT人材の不足等が原因で導入そのものの敷居が高いのも事実です。
では、この壁をどう乗り越えればいいのでしょうか。SAPジャパンとそのインテグレータである株式会社NTTデータ グローバルソリューションズ(以下、NTTデータGSL)は、中堅・中小企業こそパブリッククラウド型ERPを導入するべきであると推奨しています。
【対談記事】中堅・中小企業にこそ求められるデジタル変革-パブリッククラウド型ERPで実現する成長の礎
記事を読む
なぜ中堅・中小企業には「パブリッククラウド」なのか
では、そもそも「パブリッククラウド」とは何なのでしょうか。それを理解するためには、「オンプレミス」と「プライベートクラウド」についても知る必要があります。これらはすべてシステムを運用するためのインフラ環境のことを指します。
オンプレミスとは、サーバーなどを自社内に構築してシステムを運用する方法。一方で、プライベートクラウドは、自社専用のクラウド環境を構築しシステムを運用する方法のことです。この2つはサーバーとクラウドの違いはあるものの、「自社専用のインフラ環境を構築する」という点では共通しています。しかしパブリッククラウドは、この点で両者と異なります。
パブリッククラウドとは、外部の企業が構築したクラウド環境を他の利用者と共有して、システムを運用する方法のことです。近年、急速に普及しているSaaSはパブリッククラウドで提供されているサービスです。そのほかにも、パブリッククラウドでITサービスを提供する企業は増えつつあり、利用する企業も急速に増加しています。
昨今、パブリッククラウドが普及する理由はどこにあるのでしょうか。それは、オンプレミスやパブリッククラウドに比べて、導入や運用にかかるコストが圧倒的に少ないという点にあります。パブリッククラウドは、サービス提供者がクラウドの構築や保守管理を行うため、ユーザー企業はインフラ環境のメンテナンスなどを行う必要がありません。さらに、パブリッククラウド型のITサービスはWEBを通じて申し込むだけで利用を開始できるため、導入にかかる手間も大幅に削減することができます。
中堅・中小企業の抱えるIT投資の課題として、「予算とノウハウの不足」、そして「人材の不足」をよく耳にします。特に、ERPのような大規模なシステムの導入には、多大な予算と人材が求められるため慎重にならざるを得ず、導入に踏み切ることが難しいのが実情です。しかし、クラウドのメンテナンスや導入時の手間を削減できるパブリッククラウド型ERPであれば、こうした壁を乗り越えることができます。
中堅・中小企業の課題に対応し、DXを実現可能にするのがパブリッククラウドなのです。
低予算・短納期での導入を可能にする「Fit to Standard」
さらに、導入時のコストを削減する手法に「Fit to Standard」があります。Fit to Standard(標準に合わせる)とは、ERPに備わっている標準機能を活かし、追加開発を行わずに導入する手法のことです。多くの場合、ERPの導入コストを引き上げる要因は追加開発にあります。既存業務のフローや帳票を維持し、それに合わせてシステムを作り替えるため開発が長期化し、結果として費用が高額になってしまうのです。
Fit to Standardは、それとは逆の手法をとります。既存業務のフローや帳票をシステムの標準機能に合わせることで短期間での導入を可能にし、費用を低減します。
例えば、SAPのパブリッククラウド型ERP「SAP® S/4HANA Cloud」は、Fit to Standardを前提として開発されています。この時、Fit to Standardを後押しするのがビジネスシナリオです。ビジネスシナリオとは、ERPが備えている特定業種向けのテンプレートを指します。特定業種における標準的な業務フローや帳票が当初から備わっているため、ユーザーはそれらに合わせて既存業務を変更するだけで導入を進めることができます。
SAP S/4HANA Cloudでは、約650種類の豊富なビジネスシナリオが用意されているため、組立製造、自動車、化学、食品、流通、サービスなど、幅広い業種に柔軟に対応した導入が可能です。
さらに、パブリッククラウドの強みを活かし、最新の機能を利用できる点もSAP S/4HANA Cloudの特徴です。SAP S/4HANA Cloudでは、クラウドを通じて年2回のアップデートが実施されるため、セキュリティや法改正への対応を常に最新に保つことができます。
2022年、SAPはSAP S/4HANA Cloudの最新版の提供を開始しました。開発言語ABAPによるクラウド上での追加開発も可能にしています。これにより、特定顧客に固有の要件など、標準機能ではカバーできない機能も柔軟に開発できるようになりました。
SAP認定パートナーとしてのノウハウと実績で支援するNTTデータGSL
スムーズかつ低コストでの導入が可能なパブリッククラウド型ERPは、予算や人員に制限のある中堅・中小企業にとってはまさに最適の製品と言えます。しかし、容易に導入できるパブリッククラウド型ERPであったとしても、ITパートナーによる導入支援は欠かせません。中堅・中小企業はどのようなITパートナーに導入支援を受けるべきでしょうか。
ITパートナーを選定する際に参考となるのが過去の支援実績です。中堅・中小企業は、ビジネスの環境や組織構成など、大企業とは異なる点が少なくありません。そのため、中堅・中小企業へのERP導入に精通したITパートナーを選ぶのがよいでしょう。
例えば、NTTデータグループに属するNTTデータGSLは2012年の設立からSAPの認定パートナーで、お客様の経営課題やITに関する課題の解決に向けたコンサルティングやシステム設計・構築・運用保守までを一気通貫で提供しており、中堅・中小企業へのSAP ソリューション導入の多彩な実績を有しています。SAPパートナー向けのアワードである「SAP AWARD OF EXCELLENCE」を11年連続で受賞し、2023年には某化学メーカーへのSAP S/4HANA Cloud, private editionの導入プロジェクトが「Excellent Project Driveプロジェクト・アワード部門」の優秀賞を受賞しています。
中堅・中小企業のビジネス変革を支えるパブリッククラウド型ERP
今回、SAPジャパンのバイスプレジデントエンタープライズビジネス統括本部 統括本部長の藤井善豪とNTTデータGSLのゼネラルビジネス事業部 事業部長の藤本勝則氏が、デジタル変革による中堅・中小企業の成長の礎として「パブリッククラウド型ERP」を取り上げ対談しています。(1)パブリッククラウド型ERPを導入するメリットとは、(2)パブリッククラウド型ERPにより中堅・中小企業はどう変わるのか、(3)導入時に注意すべきポイントとは、などをERP導入について豊富な経験と深い知見を有する両者が意見を交わしています。
ご興味のある方は下記リンクよりDLしてぜひご一読ください。
【対談記事】中堅・中小企業にこそ求められるデジタル変革-パブリッククラウド型ERPで実現する成長の礎
記事を読む