経営にもスピード感を。『朝令暮改』の経営判断が求められる時代に

「判断がすぐに変わる上司(社長)」というのはいつの時代でも部下の話のネタになっていることでしょう。しかし、外部環境・内部環境が可視化され、素早い状況判断が求められる現代においては『朝令暮改型判断』はむしろ支持される傾向にあるといえます。スピード感がある経営のために必要なものとは?

「朝決めたことを夕方には覆す」という意味を持つ朝令暮改は、ビジネスマンからポジティブなイメージを持たれにくいようです。しかし、移り変わりの早い現代のビジネス環境では、朝令暮改型の判断が企業の成長を促すとも考えられます。今回は、朝令暮改型の経営判断とERPの関連性についてご紹介します。

『朝令暮改型』経営判断は善か悪か?

かつて朝令暮改という言葉は、「あてにならない判断」というニュアンスとして使われていました。 一度決めた方針を軽々しく覆すことは、部下と現場に混乱を招き、ビジネスの進行を阻害すると考えられていたからです。なぜこういったイメージが定着してしまったのでしょうか。
ITがビジネスシーンに浸透していなかった時代、意思決定にかかわる主なツールは「紙」であり、何段階もの稟議を経て承認されていました。こういったアナログなビジネス環境では、一度決められた方針を覆すことがコミュニケーションコストの肥大化を招きます。
また、「変化しないこと」「安定していること」が求められた時代でもあり、朝令暮改=悪と断じられても致し方ない環境だったといえます。
しかし、ITがビジネス環境に浸透しきっている現代では、いささか状況が異なります。ネットワークを通じて大量の情報が高速に飛び交うなか、企業は柔軟かつ迅速な判断を求められるようになりました。つまり現代では、朝令暮改型判断=悪と断じることはできず、状況によってはむしろ推奨されると考えられるのです。

スピードが重視される経営判断において『朝令朝改』であることのメリット

例えば製造業においては、「在庫調整」が経営上の重要な課題となることが多いでしょう。在庫の維持コストは、そのまま中間経費の肥大化につながり、経営を圧迫するからです。逆に市場の動きにすばやく対応し、過剰在庫を避けて倉庫保管料を削減できれば、それだけ訴求力の高い価格設定が可能になります。
在庫調整の課題は、ITの発達により市場状況の移行速度が速まったことで、時間当たりの損得の振れ幅が大きくなっているため、従来よりも重要度が高まっているといえるでしょう。
できるだけ損を減らし、得の総量を大きくするためには「朝令暮改」どころか「朝令昼改」ともいえる判断の切り替えが必要になります。さらに、その判断には高度な正確性と根拠が求められるでしょう。これは経験や勘に頼っていては、実現が難しいものです。つまり、ITによって市場と生産現場の状況を随時把握し、リアルタイムに調整を行うことが企業の利益最大化につながるといえます。
ERPはこのリアルタイム性を担保するものとして期待され、急速に導入が進みました。一元化された情報と、スピーディーなデータ更新で、すばやく的確な経営判断を可能にしたのです。

スピード感あふれる経営判断の根拠としてのERP

リアルタイム性と柔軟性、そして正確さをすべて兼ね備えた「朝令暮改型判断」に必要なものは何でしょうか。それは「強烈なリーダーシップ」と、それを支える「一元化されたデータ」、「データから導かれる検証結果」といえます。朝令暮改型判断は、現場にもスピード感と柔軟性を求めるでしょう。このとき、一度切った舵を方向転換するには、強烈なリーダーシップが必要になります。また、そのリーダーシップを支え、部下と現場を納得させる根拠も必要です。その根拠は、客観的かつ精緻でなくては、現場の了解を得られません。
こういった朝令暮改型判断の下支えとなるのがERPなのです。「高度に一元化されたデータ」、「データを用いた分析」、「企業の資源をリアルタイムに反映」といったERPに備わる特性が、朝令暮改型判断の礎となるでしょう。

中堅・中小企業の朝令暮改型判断を支えるSAP Business ByDesign

SAPの中堅・中小企業向けクラウドERP「SAP Business ByDesign」は、クラウドERPのコストパフォーマンスと、SAPが結集した経営のベストプラクティスを併せ持つERPパッケージです。朝令暮改型判断にも十分に耐えうる柔軟性と速度、高度な分析機能を有しています。
また、SAPの用意したベストプラクティスを業務シナリオとしてそのまま利用でき、導入から運用にいたるまでのコストを大幅に削減しました。
低コストで迅速かつ柔軟な導入が可能なSAP Business ByDesignは、朝令暮改型判断のメリットを最大限に引き出し、企業の成長を促す決定打となり得るのです。

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