話題のBIって何?正確に意味を知ればその利用シーンが見えてくる
自社の現状を客観的なデータに基づいて把握したうえで、なんらかのビジネス上の決定を下す行為はBI(Business Intelligence)と呼ばれます。本記事は、有益なBIとはどんなものであるかを確かめたうえで、BIを正しく効率的に実行するBI専用ツールについて紹介します。

自社の各種データを参照して意思決定するという行為は、企業経営者はもちろんのこと、営業担当者や管理部門責任者といった、さまざまな立場の社員が毎日行っていることです。意思決定を正しく行うためには、根拠や証拠となりうるデータを適切な形で参照することが求められます。適切な情報に基づいた意思決定としてのBI(ビジネス・インテリジェンス)と、その判断を支援するBIツールの役割について見ていきます。
BIの意味とその実行環境
自社のデータに基づいて何らかのビジネス上の意思決定を行うことは、一般にビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence)、略してBIと呼ばれています。現在広く使われている意味でのBIを定義したのは、アメリカの大手調査会社ガートナーのハワード・ドレスナー氏で、「企業内外の事実に基づくデータを組織的かつ系統的に蓄積・分類・検索・分析・加工して、ビジネス上の各種の意思決定に有用な知識や洞察を生み出すこと」と述べています。 BIは企業経営者だけではなく、営業担当者や管理部門責任者にも求められます。経営判断の場面だけではなく営業活動においても、顧客に提案する製品の選定や、必要な備品の購入判断など、情報を基にした意思決定としてのBIが必要になるからです。このように多様な立場の相手から求められるBIを正しく実行するためには、以下の2つの要件が必要です。
- データの参照が必要になったとき、だれでもデータにアクセスできること
- アクセスしたデータを意思決定に役立つ形式に加工して、データの本質を理解しやすくすること
BIツールの必要性と効果
上記2つの要件を満たすためには、人間の経験と勘に頼るのではなく、BI支援のために設計された専用ツールを活用するほうが効率的です。 BI専用ツールを活用すると、データ間の比較が簡単に可視化できます。これはデータの本質を理解する第一歩といえるでしょう。データ比較の手法としては、類似のカテゴリーに属したデータを比較する「相互比較」、期間ごとで比較する「期間比較」、基準値と比較する「標準比較」といったものがあります。「相互比較」や「期間比較」を実行することによって、他社と比べた自社の強みや弱みが直観的に理解できるようになります。また、「標準比較」を行えば、売上が他の月に比べて著しく高い(あるいは低い)月といった「異常値」を容易に見つけることが可能です。 比較のほかにはデータの「分類」や「要約」が知られており、BI専用ツールを活用しながらこれらの手法を実行することで、BIに有益な情報を得ることができるのです。
BIツールの選び方
現在、多数のBI専用ツールが開発・リリースされていますが、実際に導入を検討する場合は、以下の観点から選定するとよいでしょう。
- 複雑な操作がなくとも各種データ加工がスムーズに実行できること
- データへのアクセスがスムーズで直感的であること
- 企業規模や利用人数に応じてアカウント数やアクセス権限を適宜変更できること
これらの観点を満たしているBI専用ツールのひとつに「SAP Analytics Cloud」があります。このツールは、データ分析をわずか数クリックの操作で実行できるように設計されており、複数のユーザがコラボレーションして使用することにも対応しています。さらに、分析対象となるデータの規模は、ビッグデータから小規模なものまで想定されているので、幅広い規模の企業が導入できるようになっているのです。 「自社のデータに基づいたビジネス上の意思決定」と定義できるBIに関しては、企業に属する全員が適切に実行できる環境をととのえるのが望ましいでしょう。また、正しくBIを行う環境づくりの方法として、BI専用ツールを導入することは非常に有益なのです。