データ分析の相棒がExcelだけでは不十分な3つの理由

日常業務において、データ分析はExcelだけで十分なのかもしれません。しかし、Excelのみに頼りきりになると、見るべきものが見えなくなるという落とし穴にはまることも……。「使えるデータ」を得るためのポイントを3点説明します。

データ分析の専門職でもない限り、日常業務においてデータ分析はExcelだけで十分なのかもしれません。無機質な数値の羅列も、グラフや表で「見える化」することで、新しい発見があります。しかし、Excelのみに頼りきりになってしまうと、見るべきものが見えなくなるという落とし穴にはまることも……。それを踏まえたうえで「使えるデータ」を得るためのポイントも説明します。

落とし穴その1:Excelの数字は過去のデータである

世の中にはさまざまな統計の解析方法があり、Excelを使った分析もそのひとつです。しかし、忘れてはならないのは、Excel上に現れる数値とは、過去のデータを積み上げたものだということ。統計データを分析することにばかり固執していると、新たに生まれた事象を見落とすこともあります。大事なのは、データを分析する行為そのものではなく、さまざまなデータを統合して「情報」にすることなのです。

落とし穴その2:大事なのは「仮説」を立てること

Excelで集計した数値に、なにか気になる事象が生まれたとします。ここで、「統計上の確率でいうと誤差の範囲だ」とすべて切り捨ててしまってはどうでしょうか。もしかしたら、過去にはありえなかった新しいきざしを見過ごしてしまうかもしれません。大事なのは、「どうしてこのようなデータが現れたのか」と仮説を立てること。仮説を立てることによって、表面上に出ている数値以上に、深い洞察を得られる可能性があるのです。

落とし穴その3:Excelでチャートを描いて終わり!ではない

日々のレポート作成業務に追われていると、つい一つひとつの数値や事象について突きつめて考える時間がなくなり、Excelで数値を集計し、それをチャート化することがひとつのゴールになってしまいがちです。しかし、数字をチャート(グラフ)にして「見える化」することが、「データ分析のゴール」ではありません。上述したように、チャートの数字はあくまで過去のデータ。ビジネス戦略の策定には「未来」を見ることが必要なのです。

ツールの活用で 過去のデータから未来を可視化する

Excelが高性能なツールであることは間違いありませんが、上記3つの理由から、未来を描くための分析ツールとしては不向きな面もあります。そうした分析ニーズに応えるためのツールとして、SAPが提案するのが、SaaS型BIソリューションサービス「SAP Analytics Cloud」です。SAP Analytics Cloudの特徴は、以下の3つの機能です。

  • 「Planning(計画機能)」
  • 「Predictive Analytics(予測・分析機能)」
  • 「Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス(BI)機能) 」

  • SAP Analytics Cloudでは、ダッシュボード上に、洗練されたデザインのチャートを簡単に作成することができ、レポート作成に大いに役立っています。今回はさらに一歩進んで、未来を描くための機能であるデータ分析ツール「予測分析機能」にスポットをあててみましょう。

    Predictive Analyticsとは、時系列データの予測分析ができる機能です。今ある過去のデータをもとに、時系列を選択するだけで予測分析が出力されます。予測分析をするには、従来は、データを用意する→ロジックを考える→過去データのチャートをつくる→過去データのチャートにうまくつながるように予測分析のチャートを描画する……というように、多くの手間が必要でした。しかし、SAP Analytics CloudのPredictive Analytics機能を使うことで、こうした苦労もなく数十秒もしないうちに未来のデータを予測できてしまうのです。

    データの分析は手段であって目的ではありません。まずは、何のためにデータを分析し、どのような解を見つけたいのかをイメージすることが大切です。そして未来を見つめるデータ分析のために、Excelでのチャートづくりから一歩進めてみてはいかがでしょうか。

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