リサーチに始まりリサーチに終わる、マーケティングの代表的手法をおさえよう

さまざまな手法でデータを収集し、それらのデータを可視化することでどんな事実や未来が見えるのでしょうか?また、マーケティングという言葉を聞いてどのようなイメージを持つでしょうか?今回は、マーケティングで用いられる代表的な調査手法を紹介します。

マーケティングという言葉を聞いてどのようなイメージを持つでしょうか? テレビのコマーシャル? ウェブ広告? 製品開発? マーケティングという言葉が持つ意味は、実はとても広いのです。また、すべてのマーケティング活動の土台となるのは「現状分析」、つまり、リサーチです。「ビッグデータ」という言葉も、もはやバズワード(定義や意味があいまいなキーワードの意)ではなくなり、すっかり定着しています。さまざまな手法でデータを収集し、可視化することでどんな事実や未来が見えるのでしょうか?

マーケティングでよく使われる調査手法

マーケティングで使われる調査手法として「定量調査」と「定性調査」があります。前者はアンケート調査などを用い、数値から導き出せるデータを取得するために実施するものです。一方、後者はユーザーの行動特性や好みなど、数値に表せないデータを取得するために実施します。より正確なデータを導くため、この2つを組み合わせて調査することも一般的です。以下に代表的な調査手法を挙げます。

  • アンケート調査
  • 紙面やウェブサイトなどを利用して、調査対象者から取り寄せた回答を集計して分析します。もっとも一般的な調査手法といえるでしょう。
  • パネル調査
  • 調査対象者を一定期間固定し、継続的に質問を投げかける調査です。一定条件の質問を投げ続けることで、回答時間の違いなどから、心境の変化などを読み取ります。
  • グループインタビュー
  • 複数のユーザーを集め、司会者が質問をする形式です。ユーザーから幅広い意見や傾向を収集できるほか、自由な会話のなかで新しいアイデアが生まれることもあります。
  • ソーシャルリスニング
  • SNSでの発言をもとに、ユーザーの声を分析する手法です。第三者に頼まれたものではない自由な意見を収集することができます。
  • データマイニング
「ビッグデータ」がここ数年話題になっていますが、コンピューターを用いて、未加工の大量のデータのなかから相関関係や傾向を読み解く分析手法のことです。

マーケティングデータを理解するために必要なこと

マーケティングリサーチで重要なのは、「何の目的で、ユーザーの何を理解するのか?」を明確にしておくことです。明確な目的をもとにデータ収集手法を選ばなければ、分析に失敗する場合があるからです。例えば、今はまだ出ていない画期的な製品やサービスを開発するためのヒントを得たいとき、「今」の事象を示すアンケートやアクセス解析をリサーチしても、ほしいデータが得られないかもしれません。
また、ユーザー調査としてよく利用されるアンケート調査は、調査対象の母集団によってかたよりが出る可能性があるため、特に注意が必要でしょう。

たとえば、「ホテル利用者の80%が、客室のシーツの質を気にしています」という調査結果があったとします。これだけ見ると、「思ったよりも多くの人が、ホテルに泊まるときにシーツの質をチェックしているんだな」という感想を抱くかもしれません。しかし、この数値にはからくりがあります。この場合、ホテルを利用したことがあるという人に「ホテルを選ぶときにどの点を重視するか」という事前アンケートをしておきます。そのなかから「シーツが気になる」という項目にチェックした人のみをサンプルとして抽出し、改めて「前回ホテルに宿泊したとき、シーツの質をチェックしたか」というアンケートを実施するケースもあるのです。もともとシーツに関心がある人を対象にしたアンケートなので、シーツへの意識が高いのは当然といえます。このように、アンケート対象者をふるいにかけておくことで、調査結果にバイアスをかけることも可能なのです。

オープンなはずのインターネット調査の結果にも要注意!?

本来はオープンな環境での回答であるはずのインターネットアンケートにも注意が必要です。最近は幅広い年代の人がインターネットを使いこなすようになりましたが、それでも積極的に利用している人は、各年代のなかでも比較的メディアリテラシーが高い層だといえます。また、インターネット調査に対して積極的に回答してみようという人は、もともとその話題に関心が高いということも考えられます。このように、まんべんなくさまざまなサンプルを集められそうなインターネット調査でも、実は属性が偏っていることがありえるのです。
また、統計的に「確からしさ」を得るために必要なサンプル数というものも決まっています。最近ではインターネット上で簡単に、アンケート調査などの集計や分析ができるツールもありますが、「使える」データを手に入れるには、ある程度統計の知識が必要になります。製品の需要調査のように、あらゆる人が潜在ユーザーになりえる場合、インターネット調査だけでなく、聞き取り調査や訪問調査など、異なる調査手法を組み合わせることが必要です。サンプルや調査手法の選定から報告まで、オーダーメイドで行われる調査を「アドホック調査」といいます。

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