ビフォー・アフターで考えるERP導入効果。現状維持か効率向上か
ITシステムの導入は費用対効果の面から見ても慎重になりがちです。業務効率向上やコスト削減などメリットがあるとは聞くが……と投資をためらう経営者も多いことでしょう。そこで本稿では、中堅・中小企業向けにERP導入の効果をビフォー・アフターで解説します。業務効率化、リードタイムや調達コスト削減、海外進出サポートなどさまざまなメリットを提供できるのがERPです。

中堅・中小企業がITシステムへの投資をためらう最大の理由は「具体的な効果が不透明だ」という点に尽きるでしょう。確かにほかの設備投資とは異なり、目に見える効果が測りづらいのがIT投資。しかし、ITシステムは今後の成長に欠かすことのできない要素であることに、お気づきの方も多いはずです。そこでITシステム導入後の具体的な「ビフォー・アフター」を紹介していきます。
ITシステムによる業務の効率化の実現
業務効率化は常に企業の重要課題であり続ける一方劇的な改革がしにくい分野でもあります。 それは「既存の業務シナリオを変えるための負担」が大きく、変えたあとの具体的な効率向上が見えにくいからです。しかしITシステム、特にERPパッケージを活用した業務効率化は、事前に効果が測定しやすいという特徴を持っています。パッケージの機能によって一元化される部分と、自動化される部分が明確なことがその理由です。 例えば、ある中堅・中小企業では、それまで従業員各自のローカルPCで作成していた各種伝票を、ERPパッケージによって一元化しました。これにより、人を介した伝票情報のやり取りや不整合の解消にかかる手間が削減でき、人的リソースに余裕ができたとのことです。
原材料調達のリードタイム短縮を実現
製造業を営むある中堅・中小企業では、製・販・在の連携がうまくいっておらず、受注から集荷までのリードタイムが問題になっていました。特に営業部門が顧客から受注情報を受け取り、技術部門と調達部門を経て原材料を発注するまでに、数日間を要していたといいます。また、在庫調整にも手間がかかり、倉庫保管費用が経営上の重荷になっていました。 しかしERPパッケージを導入後は、受注から購買発注までのプロセスが半自動化され、ERPを通じて担当者のスムーズな連携が可能になったのです。結果的に出荷までのリードタイムが大幅に短縮され、CS(顧客満足)向上につながり、業績は上向きに転じたとのことです。
調達コストの削減に効果あり
在庫調整と調達コストの問題は、常に経営者の悩みの種ではないでしょうか。人的リソースに頼った施策には限界があり、精度を上げるためには人件費がかかる、というジレンマに陥りがちだからです。とある中堅・中小企業では、こういった在庫調整と調達コスト対策としてERPパッケージの機能を活用しています。ERPの導入後は、リアルタイムで複数物件の調達状況や過去の購入履歴を確認し、半自動化された在庫調整が可能になったのです。また、過去データがERPによって管理されることでデータ精度が向上し、原価データが一元化されました。このことが各部署・各担当者の要求に対していつも正確なデータを瞬時に提供できるというメリットを生み出しています。結果的に調達コストの無駄が減り、全体的なコストダウンを達成したとのことです。
海外進出にも効果あり!IT基盤構築を迅速かつ低コストに
中堅・中小企業であっても、海外進出によってより高い成長率を達成しようという動きが活発になっています。このときに課題となるのが、「拠点間における環境の差異」です。特にIT環境の統合はコストがかかり、海外進出の重荷になることも珍しくありません。こういった国境をまたいだ拠点間のIT環境統合に強みを発揮するのがERPです。ERPは、海外進出時の「多言語、多通貨対応」や「業務プロセス統合」「拠点のブラックボックス化防止」に対応できるため、グローバル化達成の心強いパートナーとなるでしょう。ERPが海外進出の際にどのように機能するのか?こちらの記事もご覧ください。
グローバル化には“内助の功”が必要!海外進出をサポートするERPの強み現状維持からの脱却を目指すならSAPの「SAP Business ByDesign」
SAPのクラウドERP「SAP Business ByDesign」は、中堅・中小企業のIT投資を最適化します。世界規模で経営のベストプラクティスを結集したERPとしての機能をベースに、クラウドによる低コスト・高可用性を併せ持つパッケージです。製造業、サービス業を問わずさまざまな業務コストを削減し、経営判断のリアルタイム化に役立ちます。現状に満足せず、一歩先のビジネス展開を望むのであれば、SAP Business ByDesignがそのベースとなる可能性は非常に高いといえるでしょう。