「集計」と「分析」の違いがわかると見えてくるデータの「意味」を発見するプロセスとは?

データの「集計」と「分析」は毎日行う作業かもしれませんが、この2つの関係を意識することは少ないでしょう。「集計」と「分析」の関係をふり返ると、データの「意味」を発見するプロセスが明らかになります。本記事では、このプロセスを容易にするデータ分析専門ツールも紹介します。

ほとんどの企業では、売り上げや出荷実績などのデータを集めて比較する作業が日々行われていることでしょう。しかし、データを集めることと調べることの関係を意識する機会は案外少ないかもしれません。データを集める「集計」とデータを調べる「分析」の違いと関係を確認したうえで、データの「意味」を発見するプロセスについて見ていきます。また、一連の作業を簡単に実行できるデータ分析専用ツールを紹介します。

「集計」に疑問をもつことが「分析」のはじまり

「集計」と「分析」の違いを明らかにするため、改めてそれぞれの言葉の意味をあたってみましょう。デジタル大辞泉によると、言葉の意味は以下の通りです。

  • 集計:数を寄せ集めて合計すること。また、その合計した数 。
  • 分析:複雑な事柄を一つひとつの要素や成分に分け、その構成などを明らかにすること 。

辞書的な意味では、「集計」はただ集めるだけなのに対して、「分析」は「構成などを明らかにする」とあり、より高度な行為を伴う印象を受けます。しかし、辞書の意味を「集めた」だけでは「集計」と「分析」の関係を知ることはできません。

「集計」と「分析」の違いを知るために、データを業務に活用するという具体的な状況に即して考えてみましょう。たとえば、商品A、B、Cという3つのアイテムの今年の売り上げに関するデータがあるとします。それぞれの売り上げを比較することはすぐに可能であり、大小関係がわかります。こうしたアイテムごとの売り上げの比較が可能なのは、そもそも「売上」というデータを「集めた」からです。

3つのアイテムの売り上げを見ていると、そのデータからだけではわからないが知りたいことが生じます。たとえば、3つのアイテムの売り上げの平均値はいくらか、売り上げ全体に占めるアイテムごとの割合はどのくらいか、というような疑問です。答えを得るには、集めたデータになんらかの加工を施して、データの特徴を引き出す必要があります。上記の例における商品の売り上げデータを集めることを「集計」、集計したデータを加工して平均値のような新たな情報を導き出すことが「分析」なのです。

「集計」は食材、「分析」は調理

3つのアイテムの売り上げの平均値は、全体の売り上げをデータの個数(3)で割って算出します。アイテムごとの売り上げの売り上げ全体に占める割合を知るには、各アイテムの売上データに加え、「全体の売上」データが必要です。このように「分析」を進めるうち、新たなデータの集計が必要になることもしばしば起こりえます。

「集計」と「分析」の関係は、料理における「食材」と「調理」に置き換えると理解しやすいかもしれません。何か料理をつくるには、まず「食材」が必要です。食材のなかにはそのままで食べられるものもありますが、献立によっては焼いたり煮たりといった「調理」が必要です。また、新たな食材を追加する場合もあるでしょう。

集計と分析の関係において、分析の際に新たなデータ集計が求められるほかに、注目すべき特徴がもうひとつあります。それは、分析結果が集計したデータに新たな「意味」を付加すること。上記の例でいえば、売り上げ全体に占める各アイテムの売り上げの割合を算出した結果、商品Aがもっとも大きな割合を占めていた場合、「商品Aは主力商品である」という新たな意味が生じるのです。

データを理解するうえで、「集計」と「分析」はいわばコインの表と裏です。「集計」したデータがなければ「分析」ははじまりませんし、「分析」しなければ「集計」したデータの意味がわかりません。データの理解とは、「集計」と「分析」を行き来しながら深まっていくのです。

クールなシステムキッチンであるデータ分析専用ツール

データの集計に使うツールでもっとも知られているのは、いうまでもなくExcelでしょう。Excelではデータ集計に加え、基本的なデータ分析も可能です。しかし、Excelが快適に集計できるデータ量には限界があります。また、高度な分析にも対応していません。Excelは、一通りひととおり機能はそろっているものの、本格的な集計・分析の実行にはやや力不足が否めない、いわば「ユニットキッチン」なのです。

ビッグデータの集計が可能で、なおかつ高度なデータ分析にも対応する機能が必要な場合は、データ分析専用ツールを用意するのが得策です。すでに数多くの専用ツールが開発・リリースされていますが、その多くがExcelより大規模かつ高度な「集計」と「分析」の機能を実装しています。Excelが「ユニットキッチン」ならば、データ分析専用ツールは本格的な料理が可能な「システムキッチン」と呼べるでしょう。

こうしたデータ分析専用ツールで定評のあるSAP Analytics Cloudは、豊富な「集計」と「分析」機能を備えているのはもちろんのこと、それらの機能を専門家でなくても直観的に使えるように設計されています。さらに、アクセス権限を簡単に管理できるようになっており、適切なデータ・セキュリティ体制を簡単に構築することができます。

データを理解するとは、データを集める「集計」と集めたデータの「分析」を行き来するプロセスであると定義できます。身近なツールであるExcelでも、集計と分析の往復をすぐ可能にする機能が実装されています。しかし、集計と分析を本格的に行うには、データ分析専用ツールの利用が必要になるでしょう。