「問題解決」のスキルについて教科書には載っていない、もっと重要なこと

「問題解決」に関して本を読んだりセミナーに参加したりしているのに、実際にはなかなか身につかない、解決にたどり着かないという悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。そうした場合、そもそも解決すべき「問題」がきちんと把握できていない可能性もあります。

「問題解決」に関して参考本を読んだりセミナーに参加したりしているのに、現実にはなかなか身につかない、解決にたどり着けないという悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。そうした場合、そもそも解決すべき「問題」がきちんと把握できていない可能性もあります。「解決すべき問題」を知るための方法論について紹介します。

“どう解決するか” よりも “何を解決するか”

問題解決に関して学ぼうとすると、ケーススタディが示されることも多いでしょう。もちろんケーススタディには問題解決のヒントが含まれていますが、注意すべきなのは「〇〇のような場合は、▲▲の方法で解決する(した)」という方法論ばかりに着目してしまうこと。つまり、ケーススタディの解決策をそのまま現実の問題にあてはめようとしても、うまくいかないことが多いのです。ケーススタディで示される成功例に固執しすぎると、問題の本質を見誤るおそれがあります。

現実に起きている問題を解決するには、ケーススタディに基づく方法論よりも、解決すべき問題や克服すべき課題を見つけ出し、優先順位をつけることが重要なのではないでしょうか。

課題を発見するために必要なスキルとは?

では、自社の問題を知るにはどうすればよいのでしょうか。キーとなるのは「As is/To be(アズイズ、トゥービー)」という言葉です。IT業界における要求分析において頻繁に使われる用語で、「As is」とは、現在の状態、「To be」とはこうあるべきという理想の状態を指します。最近では、「As is」(現状)、「To be」(理想)に対して、理想には届かないが、現実的な落としどころという意味合いで、「Can be」という言葉も使われます。

問題を知り、解決のための課題を発見するためには、「As is」と「To be」の間にあるギャップを見つけ、理想に近づけるための方策を考えることが必要です。

現状と理想のギャップを埋めるための「データ」と「想像力」

自社の現状を知るためには、分析ツールを活用した定量的なデータの収集が欠かせません。データ収集を行うツールとしてはまずExcelがありますが、Excelの分析だけで問題解決が図れるのでしょうか。

たしかに、Excelでデータを蓄積しグラフを描くことで、克服すべき課題が見えてくることもあります。データの可視化は、昨今のマーケティングでは定番手法となっています。しかし、注意すべきは「Excelのデータが示すのは、過去から現在までの状況のみ」であることです。

たとえば、iPhoneの初代モデルが2007年に発売される以前、スマートフォンが人々の生活やコミュニケーションのありかたにこれほどの影響力を持ち、あらゆるビジネスを巻き込む一大エコシステムを築き上げると想像していた人は少なかったでしょう。Excelのデータ分析だけでは、こうした未曽有の事象を予測するところまでは追いつかないのです。

現状分析した後、あるべき姿を導き出すのは、データではなく「想像力」です。1年後や5年後にどういう姿になっていたいか、どんな状況になっているべきかをイメージすることが重要といえます。想像力を持つことができるのは、現時点では人間だけの特権。AIが人間に追いついていない分野のひとつでもあります。

問題解決とは現状と理想のギャップを埋めること

ビジネスでは、学校の授業のように明確に「問題」が与えられるわけではありません。問題の解き方を知っていても、解決すべき問題がわからないことには解決策のいかしようがないでしょう。

まずは手元のデータを分析し、現状を知ること。そこからさらに一歩進め、あるべき姿をイメージし、理想と現状のギャップを知ること。その後、ギャップを埋めるべく、問題解決・課題克服に向けた方策を立てていく。方法論を知ることよりも、こうした一つひとつのステップが重要なのです。