Vol.20:テレワーク中の部下の評価ってどうしていますか?

【お悩み相談No.201120-1】
新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)流行による緊急事態宣言下、当社でもテレワークを実施したのですが、中間管理職者(ミドルマネージャー)から「部下たちの働きぶりが見えなくてマネジメントがしにくい」「評価がしにくい」といった声が上がり、緊急事態宣言の解除後は、多くの部署でコロナ以前の働き方に戻りつつあります。私自身は、コロナ終息後もテレワークを推進すべきだと考えていますし、それを望む社員も多いのでそうしたいのですが、現場のリーダーたちの意見も無下にはできず……。SAPさんは確か、全社員のテレワークを長く実施されていますよね。ミドルマネージャーの方々は、どうやって部下たちのマネジメントや評価を行っているのですか? 教えてください。
(製造XX社 人事担当 45歳 男性)

※SAPでは、2020年内は社員全員が在宅勤務の体制をグローバルでとることになっている。以下の対話はすべてビデオ会議越しでの対話となる。


師匠、三田さん、おはようございます!

はい、おはよう!今回は早い呼び出しね。午前9時10分よ、いま。私にはそのほうが都合はいいんだけど(午後から、ビデオ会議が立て込んでいるし)。

まあ、今日はいいんですけどね。テレワーク以降、落合さんは、ほぼ、人の都合を無視して、チャットメッセージやメールを送ってきて、「即レスお願いします!」とくるから、対応するほうは大変なんですよ。

しょうがないじゃないですか、見えないんですもの、三田さんのステータス(オンモードなのか、オフモードなのか、何の仕事をしているのやら、はたまた、お菓子を食べながらテレビ観ているのかが分からない)。

フフフ。落合さんは、三田がサボっていると思っているんじゃないの。三田は、監視されているのよ、落合さんに。

えーっ!そうなの?落合さん。

まあ、半分はそう、と言えるでしょうか。

え、半分はそうって、どういうことよ、それ!?

まあ、まあ、そんなことより、このご相談ごとへの対応です。いまの話と関連しているようなご相談なのですが。

これね。なるほど。意外と多いようね、落合さんタイプのミドルマネージャー(笑)。

そのようですね(笑)。まあ、いつのまにか後輩(落合)に監視されていた私としては、この会社のミドルマネージャーの方々に「ダメですよ、それじゃあ」と言いたいところですが、でも、ミドルマネージャーの皆さんの気持ちもわかりますね(落合さんの気持ちはわからないけど)。

あら、そうなの?

ええ、推測ですけど、相談者の方の会社は、おそらく「9時5時」型の定時で働いていて、ミドルマネージャーの目の届くところに、部下の全員がいるような職場環境だったのではないかと。そうした環境にいて、いきなり部下の全員がテレワークで散り散りになり、働く姿が見えなくなったら、戸惑いますよね、誰だって。

加えて、相談者の方の会社では、日々の働きぶりというプロセス重視型の人事評価を行ってきたみたいね。部下の評価についても、ミドルマネージャーの方が戸惑っているところを見ると。

とすると、マネジメントも評価も、成果重視・アウトプット重視への転換が必要ということでしょうか。

それ以外に方法はないと思う。それに、オフィスワーカーの会社や部署への貢献って、働く時間の長さや働く場所で評価するべきものではないでしょ。また、成果やアウトプットで部下を評価できるようにすれば、部下たちを自分の近くにいさせて常に監視する必要がなくなり、テレワークも取り込みやすくなるわよね。

確かに、そうですね。

そうなると、ミドルマネージャーの役割自体も変化することになりますね。

そうね。少なくとも、監督官としての役割は不要になるでしょうね。

とすると、どのような役割を担うべきなのでしょうか。

例えば、スポーツ部のマネージャーのように、選手に当たる部下たちが、自分の能力をいかんなく発揮できる環境を用意することかしら。

入社したてで、右も左も分からないような新人が部下になったとしても、ですか。

お、その部下とは自分のことを言っているのかな。

ち、違います。例えば、の話です。

フフフ、そうかな~? でもナイス指摘。そこが、会社組織のミドルマネージャーと、スポーツ部のマネージャーの違うところ。会社組織のミドルマネージャーには、道に迷った部下たちを正しい方向へと導いてあげる役割も期待されている。

うーん、なるほど、正しい方向へ導く、ですか。でも、私には不要かもしれませんね、そのような指導は。

えっ、そうなの(どこから来るの、その自信)?

頼もしいじゃない、落合さん。でもね、現場で働く全員が、落合さんみたいな自信家じゃない場合が多くて、仕事の面で、いろいろな不安を抱くわけ。それを解消してあげるのも、ミドルマネージャーの仕事ということ。

テレワーク中だと、その役割を担うのはなかなか難しそうですけど。

そう。だからこそ、部下とのコミュニケーションを頻繁に取ることが大切になるのよ。また、SAPでは、テレワーク中に、体感価値マネジメント(エクスペリエンス マネジメント)ソリューションの「Qualtrics」を使い、従業員の精神的な健康状態を定期的に点検して全員にフィードバックしているでしょ。そうした取り組みも、ミドルマネージャーの助けになるわよね。


▼ Qualtricsについての詳細はこちら


あー、それで、あのアンケート調査を行っているんですか。納得しました。

もっとも、働くことへの従業員全員の満足感を点検することは、テレワークをしている、していないにかかわらず大切なことですよね。部下が近くで働いていたって、部下の状態や状況が実は見えていなことだってありえますから(特に、落合さんのように行動が読めないような人が部下の場合)。

そうかもしれないわね。部下が近くにいても、何をしているかなんて、実のところ、分からないことが多いものね。近くにいるから、部下たちの動きがよく見えている、監視できている、なんて、ミドルマネージャーの単なる思い込みに過ぎない場合もあるだろうし。その意味でも、成果やアウトプットで、部下のマネジメントや評価を行うべきだと思う。

ただ、営業の方々は、売上げという数値がアウトプットになるので、成果主義が適用しやすいと思いますが、例えば、管理部門の方々は、成果主義でのマネジメントや評価はしにくいのではないですか。

その問題は、管理部門の方々の会社への貢献度を可視化するすべを確立すれば済む話だと思う。例えば、総務や人事部門では、優秀な人材の確保をもとより、離職率の低減や人材育成による現場力のアップ、職場環境の改善による従業員満足度の向上など、会社の競争力アップにつながるミッションを担われているでしょ。そうした会社への貢献の度合いをデータで可視化できれば、目標の定量化と定量的な計測が可能になって、その目標達成に向けて日々すべきことをブレークダウンすることで、日次・週次・月次のアウトプットを定義することも可能になると思う。

その可視化は、どのようにして行えばよいのでしょうか。

一つは、Qualtricsのようなツールを使って従業員の意識調査を定期的に行うことだし、もう一つは、人材・人事に関するあらゆるデータを管理・可視化できるSAP SuccessFactorsのようなツールを使うことかな。ちなみに、SAP SuccessFactorsは、成果主義での目標設定・目標管理の機能を備えているので、テレワークを含めて、どのような働き方にも対応できると言えるわね。

確かに、そうですね。今回の相談者の方には、その辺りの情報も含めて、SAPにおけるミドルマネジメントと評価の仕方をお伝えしますね。

加えて、テレワーク中の上司の監視の仕方とかもね(笑)。

そうそう、それも忘れずに、と。

ちょっと、ちょっと、それはおかしいでしょ。部下の働きぶりを監視するのがナンセンスなのに、どうして上司が部下にマイクロマネジメントされなきゃならんのですか。

三田さん、冗談ですよ、冗談。

冗談って、現にしていたでしょ、落合さんは。

あ、それはもう止めます。で、今後は、急ぎでレスが欲しいときは、電話を使うなど、コミュニケーションルールを決めますので、三田さんは何時から何時までは間食タイムとか、何時から何時まではオンとか、オフとか、テレワーク中の日々の行動パターンをしっかりと伝えておいてくださいね。

なんだ、コミュニケーションルールを決めていなかったの。それは、三田が悪い。落合さんの勝ち。三田のニューノーマル度はまだまだね。

ニューノーマル度って……なんですか、それ(まあ、いいですけど。監視から解放されたし)。

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