Vol.4:SAP ERPって他のERPと何がちがうの?

【お悩み相談No.180416-3】
業務システムの改変に当たり、いろいろ調べてみたのですが、結局、分からず直接お尋ねすることにしました。
短刀直入にお聞きします。SAP ERPは他のERPと、どこがどう違うのでしょうか。
ITの技術的なところはあまり理解できませんので、可能であれば業務上のメリットを中心にお聞かせいただければ幸甚です。
(製造C社 経営企画部長 47歳/男性)

三田さん。直球すぎる相談ごとがまた来ました。どうしますか、『SAP ERPと他社ERPとでは、エベレストと新宿区・箱根山ほどの差があります』と説明しましょうか。

真顔で何を言っているんだ(新宿区・箱根山ってどこよ)。ただ、確かにストレートな相談だね。

三田さんはこうした質問をよく受けるのではないですか。

そうだね、よく受ける。

いつも、どのようにお答えしているのですか。あ、ただしJavaがうんぬんとか、インメモリDBがどうしたとか、ビジネスアナリティクスがどうの、といった話はダメですからね。相談者の方も、技術的な良否の話はNGとおっしゃられていますし(私もわからないし)。

わかっているって。ともかく、まず大切なのは、その製品が本当に「ERP(Enterprise Resource Planning)」のシステムかどうかだね。

確か、ERPシステムとは、「販売」「生産」「在庫」「会計」など、全社(Enterprise)の業務の情報を統合化して、「人・金・モノ」という経営資源(Resource)を最適化する、ないしは最適化するプランを立てる(Planningする)ための仕組み、でしたよね。

よく覚えたね。そのとおり。ところが、「ERP」を標榜する製品の中には、会計の機能や販売管理の機能に特化した製品がある。企業の業務が、販売管理、あるいは会計だけで完結するわけがない。だから、こうした製品は、ERP製品ではそもそもないわけだ。

でも、そうした製品ばかりではないですよね。SAP ERPのように「販売」「生産」「在庫」「会計」などの業務領域をカバーした製品もあると思います。相談者の方は、それとSAP ERPとの違いを聞きたいんじゃないですか。

おお、成長著しいな、落合さん。

それくらい、当たり前です。

そうかゴメン、ゴメン。とにかく、落合さんの言うとおり、「販売」「生産」「在庫」「会計」の領域をすべてカバーしているERP製品は、SAP ERPのほかにもある。ただし、それらの製品の中には、各業務モジュールのデータベースが統合されていなくて、データ連携がバッチ処理でしか行えないものが意外なほど多いんだ。

あっ、今、技術用語を使いましたね。データベースは100歩譲っていいとして、「バッチ処理」って一体何なんですかっ(つーの)!?

まあまあ、そんなに焦らず、イラつかず(知らない自分を棚に上げて)。バッチ処理というのは、例えば、システム上でデータを貯めておいて、その集計処理をある時間帯で一括して行うことを指す。業務システムの場合、大抵は、夜間に、その処理が行われるね。

ああ、そうか! SAP ERPは、例えば、販売と生産の間で常にデータがリアルタイムに連携されますよね。ところが、他のERP製品の中には、夜間のバッチ処理でデータ連携を取るような製品があると。このような製品では、『販売可能在庫が本当はいくつ存在するかが、翌日にならないと分からない』というわけですね。ダメですよね、それじゃ。

おおっ、いきなり理解がジャンプアップ(読めないなー、本当に)。そう、そのとおりだよ。だから、このようなERP製品では、ERPシステムの本質的な役割━━つまりは、『あらゆる業務の情報を一つにまとめ上げ、見える化して、全社リソースの最適化に向けたプラン作りを支援する』という役割が担えないことになる。

ほかには、何かないですか。何かこう必殺ワザっぽい、SAP ERP最強説を裏付けるような武器。

えっ、必殺ワザ~? そんなのあるわけないだろ。業務システムだぞ。スマホゲームのキャラじゃあるまいし。

ないかー、残念だー。

まあ、機能的なアドバンテージはたくさんあるんだけど、それを説明し出すとキリがないし、落合さんの理解の範疇を超えそうだからなあ~。

もう、早くしてくださいよ~。相談者への回答の締切り迫る、私の帰社時間も刻一刻と近づく。

むちゃくちゃ言うなあ。
あ、そうだ、SAP ERPは世界スタンダードのERPシステムだから、多言語・多通貨対応はもとより、世界の商慣習、法令への対応も簡単だね。また、世界各国の有力企業/グローバルカンパニーの多くが、SAP ERPを当たり前のように使っている。そのため、SAP ERPを使っていれば、各国の有力企業から信用されるし、有力企業のビジネス上の対話や取引もスムーズになる。事業のグローバル化を進めたい、グローバルカンパニーと円滑に取引したいと考えるなら、SAP ERPを選択するのが良策だと言い切りたい。

なるほど、その辺りの利点も、お客さまのためになりそうですね。

ならば、相談への回答をまとめて私に送っておいて。チェックするから。そうだ、明日は予定が詰まっていて私が直接対応できないけど、『明後日で都合のよろしい時間をお教えいただければ、三田が参上して、より詳しいご説明を申し上げる(のも、可能です)』といったニュアンスも、回答に付記しておいて。

すごい、三田さん。九州にすぐ飛んじゃうなんて。

えっ、九州?

だって、この相談者の方の会社、九州ですよ。よく見てください。

本当だ……でも、まあ、必要とあらば、どこにでも、すぐに飛んでいく。これが、ビジネスの基本。キミも……って、もう聞いてないし。

あ、すみません。忘れないうちにと回答のラフをスマホで書き始めちゃって。あ、それから九州のお土産、明太子は避けてくださいね。私、辛いの苦手で。

わ、わかった、避けるようにする(って、いいのか。ここは怒るところじゃないのか。全然、わらない。誰か助けて~)。

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