Vol.10:「SAP S/4HANA」の導入とトータルコストはいくらぐらいなんですか?【前半】

【お悩み相談No.190626-1】
当社では、クラウドERPの導入を検討していて、「SAP S/4HANA」についても調べています。個人的にはSAP S/4HANAでいきたいと思うのですが、ただ、他のクラウドERPと比べたSAP S/4HANAの最大の強みがどこにあるかが見えていません。また、周囲からはSAP S/4HANAの導入には、相当の時間とお金が必要だろうと言われています。それが本当ならば、候補から外すしかないのですが……。実際のところは、どうなのでしょう?
(製造XY社 経営企画システム企画担当32歳/男性)

来ましたよ、とうとうこの日が、三田さん。

何が来たのさ。

私が、わが社の旗艦プロダクトについて、お客さまに説明する日です。見てください、このお悩み。

おお、かなりストレートなお問い合わせだ。

そう、そして私が書いた「ご返信ベータ版(副題:もしもに備えた独り立ち計画)」がこれです(ドーン)。

何なの、その副題(何か企んでいるな、この間から)。

参照:『なんでも相談室Vol.9』

まあ、まあ、とにかく読んでください。

どれどれ、お、なるほど、『SAPのERPのご導入をお考えなら、今がそのときです』か、そこから入ったのね、この前の話を基に。出だしはなかなかよく書けているね。

参照:『なんでも相談室Vol.9』

フフフ、当然です(独り立ち早くも秒読み!)。相談者の方の会社は、ERPの導入は今回が初めてのようです。まずは導入意欲を高めていただこうと。

そうだね。ERPの導入を検討しているということは、業務ごとにシステムがバラバラで、それがさまざまな非効率を生んでいると考えるべきだね。少なくとも、システム運用管理の負荷とコストは高止まりしていると思う。

私もそう思いました。

そして相談者の方は、それを問題視していて、クラウドERPでシステム運用管理の手間・コストを一挙に引き下げようとしているようだ。その課題解決には、「SAP S/4HANA」のクラウド版(以下、「SAP S/4HANA Cloud」)が最適だし、今後のためにも、一日でも早くERPによるシステム改革を実行に移していただきたいところ。

クラウド型ERPで何ができるかについては、コチラの記事をどうぞ
クラウド型ERPの価値を知る──何ができる?何が魅力?ERPのクラウドサービス

そうです。さすが、三田さん、理解が早い(と、すでに上目線)。

ならば、肝心のSAP S/4HANAの強みをどう書いたのかな…これか、え~っと『抜群に速いです!』て、まさかこれだけですか?!!?

はい、製品説明はシンプルがベストかと。のちに三田さんたちが説明に行かれるんですよね。

シンプルにも程がある! そうだ、相談者の方が最も知りたがっているコストの説明はどう書いたの……って、ええっえ!『だいたい10億円ぐらいです』って、コラコラー! この値段は何だ。

少し違いました?

少しどころじゃないよ(アバウドだし)。その10分の1以下の事例も沢山あるぞ。

な、なんと、驚きのプライスですね、解説の三田さん(聞こえる、読者のざわめきが)。

驚いたのは、こっちだよ。

でも、変だなあ、新人勉強会のメモを見ると8~10億円ぐらいって書いてあるんですよね~。あ、もしかしたら勉強会の講師の方が“盛った”のかも。

だからそれは、「SAPのERPの昔はこうでした」という説明の中で出てきた金額なはずだよ(前後説明のときに居眠りしていたな。だいたい、なぜ“盛る”んだ)。

そうだったかなあ。

それに前に話したでしょ、SAPのERPのコスト感は今と昔とでは雲泥の差があると。

でも具体的な価格まではお聞きしていなかったので、『じゃあ昔は20億円ぐらいだったのだろう』と当時判断し、今に至るわけです。

どんな思い込みだよ。

でも、雲泥の差があると言っても下がり過ぎのような……話を“盛って”ませんか、三田さん。

盛ってナイ!盛ってどうする!それに前に話したと思うけど、SAPのERPコストが大きかったのは開発期間が長かったせいで、お客さま固有のニーズに合わせて、数多くのモジュールやアドオンを追加しようとしたことに原因があった。でも、今日のSAP S/4HANAはベストプラクティスを土台に豊富なテンプレートが備わっているから、標準機能だけで大抵の業務範囲がカバーできる。同時に、ERPの標準機能に自社の業務をフィットさせるのが合理的と考えるお客さまも増えた。まあ、SAPとしてはずっとその考え方を推奨してきた。

なるほど、結果として、開発工期が短縮され、導入コストが以前とは比べ物にならないほど下がっているんですよね。それは覚えています。

そうそう。例えば、SAP S/4HANA Cloudの場合、標準機能だけを使うという前提なら、あらかじめ用意されている業務シナリオ(業務の流れ)と、そのテストプログラム(テストスクリプト)、そしてデモ環境を使いながら、要件定義が比較的容易に行える。あとは、対象の業務領域を確定して、データの移行、開発、テストを行うだけで、システムが立ち上げられる。重要なのは、業務の個別最適ではなく全体最適を基にシステム導入を考えることだ。

具体的な開発工期はどれくらいなんですか。

4カ月~半年が平均的だね。かつてはプロジェクトに1年以上、場合によっては2年ぐらいかかることもあったから、それに比べると工期はかなり短いと思う。結果としてトータルの導入コストも抑えられる。

なるほど!わかりました!今お聞きしたコストのところを早速直しますので、少しお時間ください。

いいけど、まだまだ説明していない情報があるから、直し終わったら続きをするからね。

承知しました!(独り立ちのために)。

お、意欲的でよろしい!(って、どこか変だな、何か企んでるのかなやはり)。

こちらも合わせてお読みください!
「SAP S/4HANA」の導入とトータルコストはいくらぐらいなんですか?【後編】

関連のお悩み相談はこちら